「007 スペクター」21世紀のボンドにスペクター
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最初の出会い
登場人物は、実在の人物とは異なります
実話ですが小説ですので・・・。誤解のないように・・・。
今、冷静に振り返ってもう少し、詳細に脚色して書き直して行きます。
色々な奇遇に操られる人生の一コマでしょうか
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
題< 糸(いと) >
第一章 最初の出会い
あれは、蒸し暑い日が続く、暑い6月のある日だった。
モデルとの打ち合わせを終えたフリーカメラマンの中山は、居酒屋での食事も早々に、
行きつけの「ピーターパン」というスナックのカウンターに座っていた。
と言っても、中山は、酒が決して強い方ではない。
今日も、ウーロン茶でおもいっきり薄めた水割りを口にしていた。
「ピーターパン」のママは、年の頃なら中山と同じくらいだろうか。
痩せた小柄なママで、錦に出てきてかれこれもう10年近くになるそうだ。
中山は、誰にも気兼ねなく、一人で静かに飲みながら考えごとをするのが、
一番の気分転換であり、ストレスの発散になる。そして、ピターパンに来るいろいろな種類の人間達
を何気なくそっと見ているのが好きだった。
そこには、いろいろな人間ドラマが見え隠れしていて、家に帰ってテレビを観ている
よりは、よっぽどリアリティーがありワクワクさせてくれていた。
今日は、中山がいつも座る右隅の隣のカウンターに見知らぬ若い女の人が座っていた。
中山にとってすぐ隣の左側の席になるのだが、真横に座っていると、逆に顔とかを間近に見るのも
失礼なので、全くもってわからないものだ。伝わってくる雰囲気で綺麗な子だと
中山は、直感的に感じた。年輩の紳士に連れられて来ているようで、その年輩の紳士は、
ママとしゃべり続けており、その女の人は、ほとんど話をしていなかった。
すると突然、中年の紳士が、
「ママ!、銀恋入れて。これ歌ったら次の店へ行くからな。」
「徳さんは、いつも忙しいから引き留めないけれど、明日も待ってるわ。」
「おい、美奈、これ歌ったら帰るぞ。」「はあ~い。」
初めて同伴の女性の綺麗な声がはっきりと中山の耳に届いた。「そうか。名前は美奈か。」
中山は、その綺麗な女性の名前が美奈だと思った。
カラオケのマイクをとった年輩の紳士は、同伴のその女性とデュエット曲を
1曲程歌い終えると、忙しそうに席を立った。勿論、その女性も一緒に席を立った。
ピーターパンを出た中山は、いつものように、バーへ行って飲んでいた。
バーの名前は、「オードリー」住吉の雑居ビルの5階にあった。
ここで、理恵と待ち合わせていたのだ。
このバーに、最初につれてきてくれたのは、理恵だった。
理恵は、日本的な顔立ちで、女優にたとえると、古手川○子に似たいわゆる可愛らしさを持った美人だった。
後でわかったのだが、理恵の同棲相手がマスター孝夫だった。
その時には、勿論、中山は、そんなことは知るよしもなかった。
ただ、理恵からは、同棲相手がいること。その同棲相手とは、近いうちに別れようと思っていること。
そして、同棲している場所が、理恵の実家であること。つまり孝夫は、理恵の実家にころがり
こんできた、居候状態というわけだった。
理恵の話しによると、孝夫とは、OL時代に職場の元同僚の先輩として
知り合い、お互いに好意を持つようになり、会社の中では、全く気づかれないようにして、つきあいはじめたようだ。
その後、孝夫は会社を辞めて、独立しようとしていろいろなアルバイトをしてきたらしい。
アルバイトも水商売が多かったようで、錦では、人気ナンバーワンの「バー」で修行し、
かなりの数の客も孝夫を応援してくれたようだった。理恵も会社を終えてから、
孝夫がアルバイトをしているバーに通っていたそうだ。もともと、理恵は、
お酒が大好きで、酒豪であった。
そんな孝夫との関係が続いていたある日、孝夫が独立をして、自分の店を持っようになったのだ。
理恵には、それを口実に将来結婚をするという約束で、理恵の両親に挨拶をし、勝手に理恵の実家に
転がり込んで来て、かれこれ1年が経つと言う。そんななか、同棲してはいるものの、
生活時間は全く逆になり、お互いすれ違うようになってきていた。
と同時に孝夫に対する将来の不安が交錯して、理恵としては、別れる気持ちになったようだ。
「お互い信頼しあって、あんなに愛し合っていたのに・・・。」と理恵は言う。
中山は、理恵からは勿論、その相手が孝夫だとは知らされていなかった。前の婚約者の男性としか聞いていなかった。
話しを戻そう。
理恵は、その日体調が悪く先に一人で孝夫の店を出た。
「中山さん。今日は、悪いけれど、先に失礼します。孝ちゃん、中山さんのことお願いね。」
「理恵ちゃん、大丈夫だよ。もう少し、一人で飲んだら帰るから・・・。」
そう言って理恵が孝夫の店を出たのは、0時を少し回った頃だった。中山は、店の哲也を相手に飲んでいた。
その店に、1時を回った頃に一人の女性が入ってきた。真っ白いワンピースに身を包んだ、細身で綺麗と言うか、
中山には、オーラが全身を包んでいるよに、神秘的でこの世のものとは思えない美しさだった。
その白い女は、中山が座っていた左隅の席からひとつ空けた席に座った。
中山は、白い女に気づかれないように、グラスを唇に運びながら、彼女を何度となく見ていた。
白い女は、あまり、お酒は飲めないようで、ほとんどウーロン茶を飲んでいた。
しばらく、中山は、グラスを持ったまま、そのしぐさのひとつひとつを目で追ってしまっていた。
「おかわりしますか?」哲也の声に、中山は我に返った。
白い女は、誰か男と待ち合わせているのだろうと、思っていたのだが、
いつまで経っても、待ち合わせの男は店に入ってこなかった。
そんな時、白い女は、マイクを持って一人でカラオケを歌い始めた。
浜崎あゆみの曲を続けて3曲歌っていた。『なかなか、上手だな。あゆに声も似ている・・・。』
白い女の歌声に少し酔いしれていた中山は、時計を見た。『おおっ。もう2時を回っている。そろそろ帰らなければ・・・。』
中山は、あわてて孝夫にチェックをしてもらい、白い女に後ろ髪を引かれる思いで店を出た。
帰りのタクシーの中で、睡魔い目を閉じた中山は、白い女の事をぼんやりと思い出していた。
それから、3日後、週末の金曜日。理恵に相談話しを持ちかけられて一緒に、食事に出た。
その後、行きつけの店を何軒か周り、孝夫のバーにたどりつく。
いつものカウンターに座り、取り敢えず生ビールを注文した。
中山は、座る時はいつも理恵の右側が多い。
左側を向いて話す方が昔から、何故か落ち着くからであった。
中山は、生ビールを口に運びながら、そっと、店内を見まわした。
見まわすと言っても、カウンター席が8人。その後ろにボックス席が3席の
小さな店なので、横目でも十分確認出来る広さである。
勿論、そこには、先日の白い女は、いるはずもなかった。
理恵は酒が好きだ。生ビールを一杯飲んだ後は、真露のレモン割りを飲んでいた。
そして、酔ってくると必ずカラオケが始まる。お決まりのコースだ。
「孝ちゃん、1曲歌って。」理恵が孝夫にリクエストを出した。
孝夫は、マイクをとって、サザンのつなみを歌った。理恵は孝夫の歌声に酔いしれている。
孝夫の歌は、女性の心を酔わせるには十分な、まさにプロ級の歌声だった。
孝夫は、客が少ないせいか、同じビルで、友人の武史がやっている2階の
バー「ブルーレイン」へと出ていってしまっていた。
2時間くらい経っただろうか、そろそろ帰る時刻だと中山は思った。
・・・その時、店のドアーが開いて入ってきたのは、確かに3日前に見た謎の白いワンピースの女性だった。
勿論、服装は3日前とは違っていた。この日は、黄色いベレーボーにジーンをはき、サスペンダー姿のカジュアルで
可愛い感じの服装だったが、彼女だとすぐに気づいた。
10人ほど座れるカウンターには、他に2人の客がいただけだった。中山は、その日もいつもと同じ席で飲んでいた。
席は広く空いていたのに、どういう訳か、右隣の隣の席に座った。
中山は、左に理恵、右側に彼女と二人に挟まれるように座っていた。
中山は、右側の彼女が気になって仕方がなかったが、理恵の手前、不自然なくらいに彼女の無視をよそおっていた。
「心は右、顔は左」状態である。
あいずちも適当で、理恵の話しの内容も、ほとんど耳に入っていなかった。
理恵の話の内容は、同棲している彼とは、もうせっぱ詰まってきている事。
なのに、同棲している彼がなかなか出ていってくれない事。どうしたら良いのかの相談であった。
その時、理恵がお手洗いに席を立った。
「ドックンドックン・・・」鼓動が高くなる。
中山は勇気をしぼって右隣の彼女に声をかけた。「この店、よく来られるのですか?」
「遅い時間に、時々。」
「この前もお見かけしました。」右手で名刺を差し出した。
(怪しい者ではないと言うことを伝える意味で・・・)
でも、よく考えたら、やっぱり怪しいかなっ??
「百合です。」それだけ言って、笑いながら名刺を受け取った。
同時に理恵が帰ってきた。
この間のやりとりを知っていたのは、二人の他には店員のマサがいた。
勿論その時、孝夫のことは全く頭の隅にも残っていなかったのである。
「ブルーレイン」から帰ってきた孝夫は、ただの愛想のいいマスター。
そうとしか思っていなかった。
ずっと、その後、2年後のある日が来るまでは・・・。
第二章 芽生え
あれから、3日後の月曜日の夕方、携帯の着メロが鳴った。
着信番号を確かめる??登録されていない携帯からの番号だった。
「誰からだろう?・・・」「もしもし中山ですが・・・。」
「もしもし、わかりますか?百合ですけど。」「・・・・・・」
「もしもし!!」「・・・どちらの百合さ・・ん?ああっ、はい
はいわかります。金曜日にオードリーでお会いした・・・。」「お会い出来ますか?」
「はい。だ大丈夫です。それでは、今週の金曜日、6時半に東急ホテルのロビーでいいですか?」
「わかりました、お伺います。」
孝夫のバーで会った謎の女性だった。
あの時渡した、名刺から連絡してきてくれたのだ。
そして、金曜日、東急ホテルの正面入口のロビーの奥にある、ホテルのカフェで待つ。6時10分。しばらく時間がある。
入口が見渡せる席に着き、コーヒーを注文する。
ちょうど、6時半を少し回っただろうか、ドレスを着た一人の女性
が入ってきた。
こちらを見て立ち止まった。そうだ彼女だ。
「ヤアッ。」少し右手を挙げて合図をした。
間違いない。(女性は、夜と昼間の顔がずいぶんと違っている人もいるからだ。おつと失礼。)
テーブルを挟んで、向かいの席についた。
「何にしますか?」「ミルクティーを・・・」
これが、百合との最初の出会いだった。
綺麗な人だと、改めて思った。だが・・・
そのあと、わずか2ケ月で、一度は、去って行くことになることを想像すらしなかった・・・。
お茶を飲みながら、お互いのことを、少し・・・少し・・・わかろうとしていたと思う。
楽しく会話をする中、嵐の前の静けさとも知らずに、静かな時間が過ぎて行った。
中山にとって本能が動きはじめていた。
「百合を撮ってみたい。」
どちらからともなく、次の約束をした。
次の週の週末だった。食事が出来て飲めるところでゆっくりともっともっと話がしたい。
とりあえず、不二パークホテルのロビーで待ち合わせた。
時間通りにジョインした後、すぐ近くのミキハウスの隣のビルの5階へ向かった。
「ブラックストーン」という店で、外が見える窓がひとつあった。
そこからは、ライトアップされたテレビ塔が綺麗に見えていた。
店内には、大きな水槽がぐるっと取り巻き、その中を熱帯魚たちがカラフルな色を
みせて泳いでいた。
まるで、小さな水族館にいるようだ。店内の壁、テーブル、椅子もすべてが真っ黒。水槽を照らす照明と、店内の照明とがクロスして、青い海の底にいるような雰囲気だった。
二人で食事をしながら、熱帯魚のしぐさにあまり言葉はいらなかった。
人間達が熱帯魚を見ているのではなく、熱帯魚たちから、逆に見られていたのかもしれないと、その時思った。
二人がどう見えたかは、熱帯魚達に勿論聞いていないが・・・。
その後、二人が初めて知り合った孝夫のバーへ行くものと思って、住吉のビルへ行った。
どういうわけか、孝夫の店の3階下にある武史の店に入った。
以前、孝夫と武史は同じ店で働いていたことがある。
それぞれが、オーナーとして、同じビルに店を出していたのだ。
そんなわけで、武史の店にも理恵と、以前何度か来たことがあったし、一人で飲みに来る店でもあった。
勿論、武史の店では、百合に会ったこともなかったし、百合が武史の店に来ていたことも全くの偶然だった。
それから、週に2~3度は、武史の店に百合と一緒に行くようになっていた。
そのため、孝夫の店とはしばらく疎遠になっていた。←校正済み
そんな感じで2ケ月が過ぎたある日、百合から写真を撮ってほしいと頼まれた。
百合の両親は、百合が中学の頃に離婚していた。百合は、母親に引き取られて
母親と2才年上の姉と一緒に暮らしていた。
写真を撮って欲しい理恵の理由は、「女性として綺麗な時を残しておきたいから。
それを、母親と将来は、子供にも見せたいから。」と言うことだった。
中山は仕事以外のプライベートで、今までに女性を撮った事はなかったが、母親に見せたいと言う
理恵の言葉に負けて撮るはめになったのである。
中山の本心は、百合のような女性を1対1の世界で撮ってみたいと思っていた。
8月の初旬のことだった。
撮影の当日はそうしてやってきた。
車で半島の先へ約1時間半ほど行ったところに、目的の撮影場所があった。
さすがに、夏休みなのと、近くに有名な海水浴場があるため、人出も多くかなり混雑していた。大半は、若い二人連れだった。
外の気温は30度を超えていた。暑い。アスファルトの路面が、陽炎のように、ゆらゆらとたちあがるのを見ていると、頭がボオーッとしてきそうだ。
こんな状況なので、暑くて外では撮れない。
もっとも、モデルさんも暑いのと日焼けをするから、いやがる場合が多い。
準備を終えて、室内での撮影をスタートする。
百合は以前、母親が芸能界入りを望んでいたことがあったらしい。
そのせいか、レンズを向けても、レンズをかなり近づけても、全くと言っていいほど緊張感はないようだ。
これまで、良く二人で飲んでいたせいか、お互いのコミュニケーションがとれていたようで、驚くほどスムースなスタートだった。
休憩を挟みながら、順調に撮影が進む。
室内は冷房が入っていたのだが、中山は、激しく動く回る。
そのたび毎に、冷蔵庫から何度もウーロン茶を取り出し、のどを潤す。
百合自身、21才にして、1対1でカケラマンと向き合って写真を撮られるのは、
初めての経験である。それにしては、センスがいいのと、自分の美しさの表現を心得ているようだった。
中山の注文通りのポーズを決めながら、百合は、レンズと向き合ってくる。
衣装を替えて、次々とイメージ撮りが続く。
百合もシャッターの音に、こころよく身を任せているようで、中山があまり注文を出さないくても、意図が、伝わっているようだ。
素人、まして、初めてなのに、シャッターを押す瞬間、瞬きせずに合わせられる(目をつぶらない)。
いわゆる、中山からすると撮りやすいモデルだった。
プロのモデルでも、なかには、撮りにくいモデルが、結構いるのだが・・・。
撮影開始から4時間。そこには、取り終えた12本のフィルムが転がっていた。
ある意味、まさに男と女の格闘なのである。撮影場所を後に、車は来た道を走っていた。
海岸を走る二人を乗せた車を追いかけてくるように真っ赤な太陽が、
ゆっくりと海面を赤く染めながら沈んでいこうとしていた。
中山は、撮った写真はいつもは、モデルに10枚程度しか見せないのだが、今回は、百合のたっての希望
で、すべて焼き増しをして見せることになった。
「出来上がったら連絡するね。」
「早く見たい。」
撮影からちょうど1週間後、出来上がった写真を百合に渡した。
百合は、プリントされたすべての写真を、一枚一枚、目を輝かせながら食い入るように見ている。
「気に入ったのがあれば、焼き増ししてあげるから、印をつけておいて。」
「全部ほしい。お金払うから全部もらえないでしょうか?」
「全部は無理だけど、とにかく、ほしいのがあったら印をつけておいて。」
「・・・これと・・・これと・・・早く母親に見せたい!」
百合が気に入ってくれたのは、間違いないようなので、中山はとにかくほっとした。
百合は自分の写った写真を何回も何回も繰り返し見入っている。
しばらくして、印をつけられた枚数は、150枚を超えていた。
「まあ、この中からこちらで選んで、焼き増しして、持ってくるよ。」
「出来るだけ早くね。」「わかった。また、連絡するから・・・」
ちょうど、その頃、理恵は、同棲中の孝夫ときっぱり別れることができていた。
ぐずぐずしていた孝夫が、ようやく、理恵の実家を出ていったのだった。
別れるのが恐くて、いつまでもずるずると現状を引きずっていくより、寂しくて、切ないけれど、「別れ」た方が良い場合もある。
理恵の場合は、そのことで、新しい転機が訪れるいい機会になったのである。中山もその方が良かったと思っていた。
理恵には、孝夫と別れることができて、以前のような、両親と弟と4人の静かな普通の生活が、戻ってきていた。
気づけば、これが今の理恵にとって本当の・・・幸せ・・・だったのだと。
その後中山が会った理恵は、完全にふっきれて、以前のような明るさが戻っていた。
もう、酒に溺れる日々も、酔わずにはいられない日々も、終わるだろうと思った。
この後、理恵は、全く別の男性と知り合い、結婚をした。
今、2人の子供の母親として、毎日幸せな生活を送っている。
孝夫がお金にルーズであるとか、女にもだらしがないとかさんざん聞かされていたので、中山も理恵の幸せを心から喜ぶことができた。
そんな中で、中山は孝夫が理恵の別れた同棲相手だなんて、その後も全く知らずに孝夫の店に、それも理恵と一緒に行っていたのだから、綾取りのように糸が絡まっていたことになる。
今思えば、理恵と孝夫の役者ぶりも、たいしたものである。
何も知らなかったのは、中山一人だった訳で、まるで、ピエロのような存在だったとあきれていた。
写真の焼き増しが出来上がり、百合に渡そうと連絡をとった。
今でも、忘れはしない8月14日のことだった。
「・・・只今電話に出ることができません・・・ピーと鳴りましたら・・・」
百合は、今まで、どんな時間でも、携帯に電話をして出なかったことは、一度もなかった・・・。
しばらくしてから、もう一度架けてみた。「おかしい。」
「・・・只今電話に出ることが・・・」同じだった。
仕方なく中山は、留守電にメッセージを残しておいた。
何時間か経ってから、携帯の着メロがなった。
百合からだった。
「もしもし、百合?何度も連絡したのに・・・。」
「もしもし、中山さんごめんなさい。今、心と体を病んでいます。お仕事はもうやめました。
しばらくは、誰とも会えません。良くなったら連絡します。」・・・プツン。それだけしゃべると、一方的に携帯を切った。
「もしもし、百合。もしもし・・・。」
すぐに、かけ直した「おかけになった電話は電波の届かない場所に・・・・・・」
「どうしたの。百合の身に、一体何があったの。うそだろう。」
連絡が途絶えた。
その後、何度も百合の携帯に電話をしたが、「おかけになった電話は、現在使われておりません。番号をお確かめの上おかけなおし下さい。」
百合が突然姿を消してしまった。
中山は、錦を住吉を、百合と一緒に過ごした場所をくまなく探し回った。
百合の消息は、全くつかむことが出来なかった。
中山は、百合があれほど欲しがっていた、8月14日に百合に渡すはずの写真を呆然と見つめていた。
その後、約2年半・・・。
意外な再会が待っていた。
<短編小説「糸(いと)」>第三章 新たな出会いへ
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