「007 スペクター」21世紀のボンドにスペクター
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ネイティブスピーカーも知らない!英語のヒ・ミ・ツ
モチベーションを維持
(1)自分に合ったレベルの教材を選ぶ。
「できた!分かった!進歩した!」という感激は決して「優等生」の特権ではない。人と比べる必要はないからだ。さっきまでの自分が分からなかったことが、いま分かるようになった。それだけでいいのである。今まであまりそういう感激を味わったことがないという人は、忘れないで欲しい、人と比べる必要は今はないのである。自分自身の中での進歩だけを気にしよう。焦る必要もない。自分が必要とする時間をかければよい。だが「できた分かった」エクスタシーを何度も味わっているうちに、それがその人の基本になる。そうすると、他の人と比べるような場合でも、より多くの「できた分かった」をすばやく感じられる人、つまり優秀な人になっているはずである。そういうものなのだ。
だからまず、適切なレベルの教材を選ぶことがものすごく大切になってくる。人によっては難しいものにチャレンジして、できないと思っても、それをバネに「悔しい!よーし、頑張るぞ!」と思える人もいるだろうが、それとて、あまりにギャップがあるとたぶんそう思えなくなる。
適切なレベルというのは、たぶんおおかたの日本人学習者にとっては、書いたものを目で見ればだいたいのところは分かる、知らない単語が全体の1割ぐらいある(10語に1語ぐらいは辞書を引くことになる)というぐらいではないだろうか。もちろんその人の基本的レベルによって実際のところは異なってくる。ものすごく初心者である場合は、書いたものを目で見てもすぐには分からないが、日本語訳や解説を見たり聞いたりすれば納得は出来る、5語に1語ぐらいはまったく聞いたことのない単語が入っている、というぐらいになるかもしれない(一応、中学などで英語の授業を受けたことはある、という人を想定している)。それをどうするかというと、最終的に「耳で聞いて分かる」ようにし、さらには「何も見ないで再現できる(言える・書ける)」ようにする。
(2)課題を設定する
ただ受け身で何かを読んだり聞いたりしているだけでは「できた!分かった!」感激は得られない。
それを得るためには、なんらかの「課題」が必要なのである。場合によってはそれがテストの形で提供されていることもあろう。「発音のヒミツ」セクションの最初の方で私が紹介したリスニングの練習が出来るサイトだが、単純な形式ではあるが設問があり、これに答えていって最後にクリックすると、100%!とか80%!とか結果が出る。私などはそれが楽しみで、せっせとリスニングの課題に取り組んでしまった。個人的には大昔から、こんなふうに質問に答えるとその場で結果が出るというゲームのような仕組みが大好きなのである。うんと小さい頃は今のようなコンピュータを使ったものはなかったが、単純に盤面を押し込むと現れる壁面に答えがでる九九学習用のおもちゃとかに夢中になっていた。子供ならだれでもそうだろう。が、オトナだって同じなのである。学習にもゲーム性を持たせると楽しく、モチベーションがいやでも上がる。
しかし、別にゲームやテストが提供されていなくても、教材にそういう課題性を持たせることは可能である。
音声材料のある教材を使うことが、会話練習には必須であるので、それを前提として言うと、
まずはテキストを見ないで聞く。これでどの程度分かるか。ただし何度も何度も繰り返して聞かなくてよい。1~2回聞いてある程度分かるところがあればいい、程度だ。まったくちんぷんかんぷんだという場合はもう少しレベルを落としてみよう。その後でテキストを見ながら聞いてみる。分かった部分について「やっぱりね」と思えるのがモチベーションに繋がる。テキストを見れば「ああ、そうか~」と思える部分もやはりモチベーションになる。
ほんのわずかな間であれ、「課題とそれに対する報酬」を得られるようにするのだ。
その後、種々の方法でその教材を学習し(その詳細はずっとあとで述べる)最後に、それをテキストを見ないで再現するという課題に取り組む。
クイズを解いて解答を得るようなものだと考えればいい。「よーし、できた。ほら、やっぱりね」と、「ん~、そうかーなるほど~。よーし次こそは!」という感覚を楽しむ。それが得られない場合はレベルが合っていないのでもう少し落とそう。もちろん、あまり簡単すぎても面白くないので、レベルをあげる必要が生じる場合もあろう。
それに、同じレベルの教材をずっと使っていけば、どこかで必ず「進歩した」感覚が味わえる。以前にはできなかったことができる、5割ぐらいしか分からなかったものが8割ぐらい分かるように感じる。それは必ずある。
マラソン選手は、いきなりフルスロットルで走ったりはしない、と前に書いた。が、英会話習得ではしばしば、それに近いことをやろうとしている人を見かける。はじめたばかりでモチベーションが高いときに、あれもこれも、とやりすぎてしまうのである。 やれるときになんでもやればいいじゃないか、と思うかもしれないが、これは危険なのだ、まさしくいきなり飛ばすマラソン選手になってしまう。人間心理はいろいろだが、多くの人が、「ひとつ嫌んなると、みんな嫌んなる」傾向を持っているから。どこかでひとつが破綻すると、「あーー。もー、いいやぁ! ぜんぶやめ!」となってしまう。 もちろん、仕事を辞めたので次の仕事を始めるまでは英会話に集中する、とか、学校が休みの間は頑張る、とか、そういうのはいい。しかし普通の日常生活を送っている中でやろうとするなら、無理なく生活に組み込める分量に抑えた方がいい。
ただし、「毎日」やる必要はある。英会話は「お勉強」ではなく、スポーツや車の運転のような「技術」であるから、毎日少しずつ「慣らして」いくことが効果的なのだ。それに、毎日やるほうが刺激が持続し、モチベーションも持続しやすいし、習慣にもなりやすい。1週間に一度ぐらい、というのは適度のように見えて、実は中途半端なのである。 1週間に1度、2時間まとめてやるより、1日15分やるほうが効果が高い。1週間というあいだがあくと、前回のレベルに戻すだけで時間を食う。毎日やればそんなことはなくてすむ。
英語学校などのクラスに通うのもできるだけ頻繁な方がいいのであるが、もちろんそれは簡単には行かない。だが1日15分「自習」し、その「成果」を試すつもりで1週間に1~2時間のクラスを受けるというのはできる範囲内での理想的な状態であろう。
再度言うが、残念ながら、なにもしないで何かを達成することはできない。ときどき錯覚している人がいるが、留学したり海外生活をしたからといって自動的に英会話ができるようにはならない。が、逆に言えば、モチベーションさえ持続させられば、日本にいても十分語学の修得はできる。これまた何度も言うが、つらい努力をするのではなく、楽しむことがポイントなのだ。
どうしたら楽しくなるか、楽しく続けられるか、は、各人によって様々でありうる。自分でそのことを一度じっくり考えてみるといいのだ。幸いにして昨今では、様々な形の教材が巷にあふれ、インターネットなどを通じてまさにゲーム感覚で学ぶことも可能だし、音声教材にもことかかない。テレビやラジオも面白い番組を提供している。カラオケボックスには英語の歌がたくさんある。
必ず、自分に合った方法が見つかる。
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