英語においてとっっっっても重要な原則。それは、
「文の前の方にあることほど重要!」
ということです。話し手が強調したいこと、力点のあることほど前の方に来ます。理由・原因を表す接続詞についてこのことを見てみましょう。
◆ because
vs so
I overslept because the alarm clock didn’t go off.
The alarm clock didn’t go off, so I overslept.
この2つの文は、たしかに、同じ意味です。中学校の試験問題なら「書き換え」とかで出てくるかもね。
でも、話し手の気持ちは少し違うのです。
I overslept
because the alarm clock didn’t go off.
この場合は、「I overslept」のほうに話し手の力点があります。「寝坊しちゃったんだよ!」ってことのほうがまず先に頭に浮かんでいるんです。その理由については、いわば「付け足し」的に頭に浮かんでいます。先に来る内容が重要、というのは、自然に「どちらがまずさきに頭に浮かんでいるか」ということで、英語ではそう言う意味では実に「素直に」思った順番に口に出していると言えます。
それに対し
The alarm clock didn’t go off,
so I overslept.
は、「The alarm clock didn’t go off」に気持ちの力点が置かれています。結果は、まあそれほど重要ではない。「目覚ましが鳴らなかったんだってば!」 言い訳がましい(?)ですな。
◆ That’s why vs so
That’s why~の重要な点は、とりあえずこれは文頭に来ると言うことです。
The alarm clock didn’t go off, so I overslept.
The alarm clock didn’t go off. That’s why I overslept.
似ていますが、気分はかなり違います。文をいわば「仕切り直している」ので、またここでも「前の方に来る内容ほど重要」が生きてきます。
The alarm clock didn’t go off.
↓
That ’s why I overslept.
ようするに、両方とも重要なのです。 とくに、2番目の文の「That」は、前の文の内容全体を受けていて、それが「ど頭」に来ていますから、どちらかといえば、 理由を2重に強調している状態
となります。
中学や高校ではしばしば「書き換え」問題とかをやらされ、受動態を能動態に変えろとか、接続詞を入れ替えて同じ意味の文にせよとか指示されますが、それらは、表している内容自体が同じであっても、「キモチ」までは絶対に同じになりません。とにかく英語では、言いたいことの力点を表すため、語順にはものすごく重要性があるので、語順が入れ替わっていたらキモチも決して同じではないのです。
I overslept because the alarm clock didn’t go off.
The alarm clock didn’t go off, so I overslept.
The alarm clock didn’t go off. That’s why I overslept.
これらはすべて、表している内容自体は同じでも、そのニュアンスは全く違うのです。