ネイティブスピーカーも知らない!英語のヒ・ミ・ツ

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疑問詞と主語

疑問詞Who/What 

主語としてのWho/Whatという疑問詞の使い方に引っかかる人は多いですが、そこに根本的な英語の構造理解の問題が現れています。原則を無視して形だけ覚えようとする、あるいは形を通じて原則を把握しようという考え方がない、というのがその問題です。
…なんて難しく言うと、かえって「???」となってしまうかもしれませんが。

このユニットに関して直接的に重要なことは、
「主語+動詞」という結合は「絶対に離れない」
ということだけです。
John loves Nancy.
Who loves Nancy ?

↑離れない
Who does John love ?
        ↑離れない
具体的に大事なのはこれだけ。

でもこれから、それ以外のことをぐちゃぐちゃ述べたいと思います。根本的な英語の発想を理解する手だてにしてほしいと思うから。そんなヤヤコシことよう分からん、具体的なことだけでいい、と思われるかもしれませんが、「具体的なこと」には「キリがない」のです。回り道のように見えますが、具体的なことのそれぞれの背後に潜む「原則」に意識を向け、それを捉えるようにする方が、結果的には「具体的なこと」を覚えるのも早くなり、あるいは「覚えなくても応用でわかる」ようになるのです。

さて、英語は全体として「矢印」の言語、というイメージが私にはあります(不定詞のところでも「toは矢印」という言い方をしていますが、それとはまた別に)。そのことについて詳しくは追々また触れることもあると思いますが、ここでは主語としてのwho/what疑問詞の使い方に関連して、「主語→」という構造的イメージについて話しましょう。

けれど日本人的にはここが実に難しいところです。なにしろ日本語には主語がありません(え?「『省略されている』んじゃないの?」。と思われるかもしれませんが、実は「ない」のです。がこのことについてはまた別項で説明します)。それに対して、英語には必ず主語がある、というのは当然皆さんご存じのことと思います。出発点からもう発想が違ってしまうので、そりゃ英語を学ぶのは至難の業ですよね、困ったことに。

英語では、文の先の方に来る要素ほど意識の上で「重要」で強調されている、と再三述べてきました。ですが、Iやyou などの主語については、もちろん文頭に来ていますが、意味の上では必ずしもそれほどの重要性はないとは言えます(しかしたとえば受動態の文などでは、やはり主語に重きや注目があります)。英語ネイティブが「I…、I…」と言うからと言って彼らがとりわけ自己主張が強いとか自己中心的だということにはならないのです。仮に日本語で「私がね、私がね」と言い募ればそれはやはり自己主張という印象ですけれどね。普通は言わないことを言う、ってのはそれだけそこにインパクトがあるのですから。けれど英語では主語はあるのが当然なので、それをもって自己主張とは言わないでしょう。
ですがやはり、英語的発想は日本語的発想に比べて、「主体をはっきりさせる」意識はあると思います。この場合の主体とは、矢印の起点です。
通常のIとかyouとか、別に強く発音されない(というより聞こえないくらい弱い)主語でも、「そこから始まる」という意識があるのです。その意味ではやはり、文頭におかれる「重要性」はあります。


イメージは
【 ・ → 】
主語が「起点」なら、矢印が表すものは当然「動詞」です。beのような自動詞やhaveのような状態動詞では矢印的な感覚はちょっと薄く、=(イコール)だったり+(プラス)だったりするかもしれませんが。

John loves Nancy.
John Nancy.

ジョンからナンシーに愛情が向かっているイメージ。

ここに疑問詞を導入するとどうなるでしょう。
基本的には、単純に、分からない部分を「who」に置き換えます。

  ?   loves Nancy.
       --
Who loves Nancy ?
      --


   主語が分からない場合はこれでいいのです。
単純至極です。

John loves--→ ?
John loves--→ who ?  
話し言葉では、これでも十分に通じます。
しかし「ちゃんとした文」では、疑問詞は文頭に来なければなりません(なにしろ一番重要な要素ですから)。

Who John loves--→ ?
あと一歩。英語の場合は、疑問文を作る場合は、疑問文であることを示す言葉を前に出さなければならないのです。それは助動詞の役割。普段隠れている助動詞が突然出てきます。

Who does John love--→ ?

しかしいつでも一番重要なことは、【 ・→】つまり「主語→」つまり「主語+動詞」という結合は「絶対に離れない」ということです。

Who「だれ」 does 「してるの?」 John love. 「ジョンが愛する(ってことを)」
こういう順番で発想しています。
上の、主語がwhoになる場合でも、「主語→」の結合はあくまで離れていないのです。

Whatについても全く同じです。英語ではけっこう人以外が主語になることもあります。

What made you so mad?
何があなたをそんなに怒らせたの? →何であなたはそんなに怒っているの?


再度繰り返します。ここに関して直接的に重要なことは、
【 ・→】つまり「主語→」つまり「主語+動詞」という結合は「絶対に離れない」
ということだけです。
でもそれを、ちゃんと原則的な「イメージ」を持って捉えて下さい。

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