☆じゃんきー☆のあふぉな日々(´ロ`;)ノ

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『SILENT☆ANGEL』 9



美奈と父・正人、二人でTVを見ながら食事をしている。と、突然電話が鳴った。「ん?
誰からだろう?」正人が小首をかしげながら電話にでる。「はい、川尻ですが・・・」

低い男の声が聞こえてきた「加藤と申しますが、川尻正人さん・・・ですね。」正人は
臆病な男である、電話の相手の雰囲気にビビりながら答える「は、はい・・・そうです
が・・・?」

電話相手の男が話し出した「先日、丸山金融さんで融資させてもらったオカネなんです
がねぇ・・・その債権回収の依頼がウチにきましてね。で・・・返済の期日が過ぎてん
だけど・・・ちゃんと支払っていただけるんでしょうねぇ・・・」

正人は慌てて否定した「え?・・・あ、いや・・・入金させてもらいましたけど・・・」
加藤は投げやりに答える「あぁ・・・この入金分ねぇ・・・これ利息分に当てさせても
らってますわ。今ンところアンタのアシは元本・利息合わせて270万ほどになってま
すわ。」

正人は意味がわからずあせっている「は?・・・え?・・・い、いや・・・」

「アンタわかってる?丸山金融みたいな闇金からカネ借りといてTVでアイドルとか
犬が宣伝してるような消費者金融みたいなカワイイ返済で終わるとおもってんの?」

「いや、しかし!私が借りたのは5万円ですよ。しかもついこの間・・・それが何で2
00万超えてるんですか?おかしいじゃないですか!!」正人は必死に訴える。

だらけた話し方だった加藤が急に怒鳴りつけた「あ?コラ!オメー誰に口きいてんだ?
あぁ?、言っとくが、ケーサツなんぞ行ってもどないもならんぞ!俺は債権回収を依頼
されたいわゆる善意の第三者っちゅーヤツだからな。サツは民事には介入できんのじ
ゃ!今からお前の家いったるから覚悟しとけよ!腎臓の一個くらいさばいて借金返済
させたろか!おおっっ!!」

正人はおびえまくる「ま、待ってくださいぃぃ・・・なんとか・・なんとかしますから
ぁぁ・・・」「明日中に利息分入金されてなかったら家行くからな!ええな!!」「は、
はい!はいぃぃ、すみませんでしたぁぁぁ」正人はすでに涙目になっている。震える手
で受話器を戻すのだった。美奈も不安そうな顔で正人を見ている。肩を落として家を出
る正人なのだった。

雪村は相変わらず美奈をストーキング(本人は救いだしたいだけなのだが)していたマ
ンション前の電柱に隠れていたところ、玄関からあわてた様子の正人が出てきた。
不思議に思いながらも雪村はその正人が去っていく姿を確認しマンションへ入ってい
った。

そのころ正人は道を急ぎながらブツブツとボヤいている「あぁ、どうしたらいいんだ・・・。
どうしたらいいんだ・・・どうしたらいいんだぁぁぁぁ・・・。」



美奈は父・正人が出て行った家で呆然とTVを眺めていた。そのときインターホンが鳴
った。美奈は父の様子から怖かったのだが勇気を出してドアを開けると雪村が立ってい
た。雪村は能天気な笑顔をみせた「やぁ、ちょっといいかな」美奈は小さくうなずき雪
村の
言葉を待った。「私は雪村大造といいます。先日キミに助けてもらったものです。やっぱりお礼を言いたくて・・・来てしまいました。ちょっと入ってもいいですか?」

美奈小さくうなずく。「ありがとう」といって早速上がりこむ雪村は勝手に奥までは言っていきながら自己紹介を始めた。


(つづく)

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