☆じゃんきー☆のあふぉな日々(´ロ`;)ノ

☆じゃんきー☆のあふぉな日々(´ロ`;)ノ

『SILENT☆ANGEL』 11


彼女は勤め先の会社へ歩いて通勤していた。

夜の公園に例の二人が座っている。寒い夜だが寒さを気にせず語る雪村と聞き入る三原
の姿があった。「そしてその夜、事件が起こった!」三原は食い入るように雪村の顔を
覗き込んだ「また事件ですか?」「今度は恐ろしい事件なんだよ、私はその恐ろしい事
件を解決しなくてはならなかった」宙をみつめ回想する雪村・・・。

美奈が勤めている会社の会議室は会議後の雑然とした雰囲気だ。円卓に並ぶ飲み終わっ
たお茶を片づけている美奈。するとドアが開き上司の川上が入ってきた。「ここにいた
のか・・・探したぞ」いやらしい笑みを浮かべながら美奈に近づこうとする。無視して
ドアを閉めようとする美奈。川上は美奈に覆いかぶさるようにしてドアを閉めた。

「どこにいくんだ?上司である俺が話しているのが聞こえないのか?んん~?」

さっと川上から離れる美奈。そばにあったホワイトボードに『やめてください!』と書
いたが、川上はっ全く意に介さず相変わらずいやらしい笑みを浮かべながらねっとりと
した口調で美奈を追い込む「私は何もしてないじゃないか、ただ食事にさそっているだ
けだろ・・・ぐふふ・・・」

薄ら笑いを浮かべながら近づいてくる川上、美奈はさっとホワイトボードに書き込む
「来ないで!」「冷たい子だなぁ・・・はっはっはっは」


その頃午後の公園のベンチに雪村と曜子が座っている

今日の相談者、曜子が深刻な表情で雪村に悩みを打ち明けていた。「婚約者の母親とう
まくやれるのか心配で・・・あんなにネチネチ言う人と同居なんて・・・どうしたらい
いんですか?考えるだけで苦しいんです。」雪村はさすがにこの手の相談はなれている
ようで優しく曜子に語りかけていた。「嫁と姑の問題は長い人類歴史をかけて続けられ
てきた争いです!あなたはまだ婚約状態・・・結婚すればこの戦いはさらに加熱するで
しょう・・・。解決する方法はただひとつ。無になるのです。心頭滅却すれば火もまた
涼しという言葉があるでしょう。姑の言葉、態度全てに対し心を穏やかにしなさい。あ
なたが変われば相手も変わって来るでしょう。」

しかし曜子には現実問題である。そんな悠長なことを言われても困るだけなのだ。「私、
そんなに長い時間耐えられません・・・本当に大丈夫なんでしょうか?」

雪村はかまわず諭すように語り掛けた。「無になるのです。そこから有が生まれた時に
初めて愛を語れる時が来るでしょう。これはどうしても耐えられなくなった時に読みな
さい。あなたを救ってくれるはずです。あなたが変われば自然と私の前に来たくなりま
す。その時に愛を語りましょう。」

曜子はわかったようなわからないような感じだけど話を聞いてもらって少しすっきり
した感じを受けたので笑顔を作って答えた「は、はい・・・頑張ってみます」

雪村はゆっくりとうなずく

その時、雪村の心に突然美奈の叫び声が届いた

「助けて!」

雪村、立ち上がって周りを見まわしたが美奈の姿はない。

曜子は突然の雪村の行動に不思議に思い尋ねた「先生?どうしたんですか?」「いや・・・空耳かな?」
しかしまた悲痛な叫び声が聞こえた「助けて!!!」雪村は蒼ざめて叫んだ「!・・・美奈さん!」

「はぁ?」曜子は意味がわからない。突然立ち上がりそのまま走り去っていく雪村「ちょっと!先生!どこに行くの?」
曜子を置き去りにして行き村の姿は街の雑踏の中に消えていった。

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: