■「ニコン FM」は、昭和52(1977)年の「日本カメラショー」で発表、同年の5月に発売した。このとき日本光学工業(現・ニコン)は一眼レフカメラの TTL 露出計の連動方式を AI 方式に改めるという、かつてない大変更を断行した。「ニコン FM」はその目玉商品であったのだ。
AI 方式というのは "Automatic Maximum Aperture Indexing(開放 F 値自動補正方式)" の略である。外光式露出計時代に設定したニッコールレンズの絞り連動方式を、TTL 向けに改めたもので、「できうる限りの互換性を保ちながら最先端の技術に対応できる連動システムを作り上げる」という意味ではニコンのカメラとしては歴史に残る大事業であった。 これに伴って「ニコン F2フォトミック」は、同「フォトミックA」に、「ニコマート FT2」は、同「FT3」に、「ニコマート EL」と同「ELW」は、「ニコン EL2」にと、それぞれ絞り連動部分を変更した新型に移行した。