2004年01月04日
XML
カテゴリ: 読んだ本のこと
上村 行世 『戦前学生の食生活事情』(三省堂選書)を読了。

たいへんな労作である。

多くの史料(主として、学校史や同窓会誌)から、食事に関わる記述を集め、明治初年から終戦直後までを、いくつかの時期に分けて述べた本。

同窓会誌などからの抜書きの、単なる羅列であれば、退屈な本になってしまったであろうが、それぞれの時代に関し、簡潔で、且つ判りやすい説明を添えて書かれた、読んでいて全く飽きない一冊であった。

今から百二十年前に、寮の食事にビフテキを出していた学校があった、とか、さらにそれよりも十年前、すなわち明治7年に、また別の学寮では、昼食に牛肉が出た、とかいった記述には、明治初年の官立学校の食事に関する認識を変えさせられた(もちろん、当時の学生は、国家が養っていた特権階級と言うべきで、これらの記述が、一般の家庭での食事を反映するものではないのは確かであるが)。

各校の同窓会誌などに、食事に関する思い出の寄稿者として登場する人物の名前が、実に楽しい。

坪井 忠二   後に、ファインマン物理学の「力学」を訳した方。
大宅 壮一   無意味な説明は不要でしょう。
牧 羊子    詩人。開高健夫人。



二つの旧制高校で、二人の人物が大活躍したことが記されている。

戦前の旧制静岡高校。 卓越した手腕を示した炊事委員、 中曽根康弘。
戦後の旧制弘前高校。 食糧難の時代に東奔西走した寮務委員長、 鈴木健二。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2005年05月18日 23時20分38秒
コメント(0) | コメントを書く
[読んだ本のこと] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

×

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

LuciaPoppファン

LuciaPoppファン

カレンダー

お気に入りブログ

まだ登録されていません

コメント新着

jonakichi sensei@ Re:『スタンダール小路九番地』(10/23) 南蛮のみちを読書中です。『スタンダール…
とらのこども @ Re:『歴史の風 書物の帆』(07/20) ホント、共感します。 艶っぽい説明が、…
とらのこども @ Re:『博士の愛した数式』(06/13) わが家でも好評でした。私も妻も子供たち…
LuciaPoppファン @ バーンスタイン盤:Re:ポップさんのマルツェリーネ(10/24) 以下、バーンスタイン盤のCDに関して、 n…
LuciaPoppファン @ Re:Bernarda Fink “Dvorak Lieder”(07/31) 以下は、nshさんから頂いた御説明です: …

© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: