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愛知電機は名証第一部上場で、そのために割安に放置されています。
10年持てば、東証第一部に移るか、名証が東証に併合されている可能性が高いと考えたことも買った理由です。
愛知電機は1942年(昭和17年)創業の中部電力系の変圧器や電力制御機器、パワーエレクトロニクス機器、電子機器、紛体機器を製造する企業です。
愛知電機は創業以来、変圧器や電力制御機器、小型モータ、電子機器、粉体機器、パワーエレクトロニクス機器や国内外の電力プラントなどの製品を製造して成長してきました。
電力事業部では中部電力向けで高いシェアを持つ「柱上変圧器」「自動電圧調整器」「配電線自動化システム」などを開発・設計・製造する一方、機器事業部ではモータを使った製品をOEM供給しているほか、畜舎用送風機や粉体混合機などアイチブランドの自社製品も開発・販売しています。
「電力」というインフラを支える「変圧器」「制御機器」「配電線自動化システム」は、電気を各家庭に安定的に届ける役割を担っている製品です。また、電動ベッドの高さや姿勢を調整する「駆動装置」や「シャッター開閉器」など、モータを使った製品に愛知電機の技術が使われています。
変圧器分野では電力変換技術、モータ分野ではメカトロ技術を活かし、創業時より70年に渡って培ってきた製造技術(モノづくり)を投入し、多彩な製品群をつくりだしています。
愛知電機は名証第1部の企業です。名証の企業は技術力も高く、資産価値も高いのに、投資家に対する知名度が低いために割安に放置されている企業が多いです。
愛知電機は2016年10月1日に5株を1株に統合し、2017年に2月に株主優待を新設したことから、一時的に優待投資家の投資で株価が上向きはじめましたが、その後に株価は下げており、PERやPBRから考えると非常に割安な状況です。
投資単元を1000株から100株に変更する時、株式統合をした企業の多くは、一株利益や一株純資産でPERやPBRを計算すると、統合前と統合後に変化はありません。しかし数字は統合前より5株を1株に統合すると5倍、10株を1株に統合すると10倍になります。
従来からの100株単元の企業と比較すると割安なことが印象的に分かるようになります。特にPBRが低くなり、また配当の金額も比較的に高い企業が多いために、株価位置が上に上がることも多いです。
そして優待を新設すると個人投資家の注目も増加してマネー雑誌に取り上げられることも多くなり、知名度の低い名証銘柄にとっては良いアピールになります。
愛知電機の3ヶ月間の株価のチャートです。
https://www.nikkei.com/nkd/company/chart/?type=3month&scode=6623&ba=3&n_cid=DSMMAA13
1年間のチャート
https://www.nikkei.com/nkd/company/chart/?type=year&scode=6623&ba=3
2018年2月末の直近の高値3795円から2018年12月25日には2528円に落ちてリバウンドの途中です。
多くの日本を代表する大手の輸出企業の株価も高値からの下落率は大きいですが内需主体の愛知電機も大きく下落しており、投資環境が悪いとはいえ業績が良い(=PER低いという意味で使っています)、PBRも低いことから10年持っても安心だと考えました。
いずれは海外の新興国でも電線や地下に埋められた電線などが数多く作られるなると考えました。
このことが2019年1月4日に愛知電機を買った理由です。
やはり投資する企業が倒産してしまっては、大きな痛手を受けるので、財務内容が良く、キャッシュ・リッチで安定的に黒字を計上できる強い営業基盤を持っている企業の株を買うべきだと考えています。
愛知電機を買った理由を具体的に説明していきます。
A: 愛知電機は長年黒字を確保している企業であること。
平成2013年3月期から平成2018年3月期までの純利益(と一株利益)の推移。そして2019年3月期の予想。
(注)愛知電機は2016年10月1日で5株を一株に統合しているので、統合後に調整しています。
〇純利益(カッコ内は一株利益)
2013年3月期 29.08億円(一株利益 302.25円)
2014年3月期 27.77億円(一株利益 288.60円)
2015年3月期 27.27億円(一株利益 283.45円)
2016年3月期 28.80億円(一株利益 299.34円)
2017年3月期 52.93億円(一株利益 550.80円)
2018年3月期 33.51億円(一株利益 353.18円)
2019年3月期(予想) 35.00億円(一株利益 368.78円)
10年持つなら、四半期ごとの業績や減益、増益は考える必要もないですが、愛知電機は2018年10月31日の2019年3月期の第2四半期の決算短信で通期業績予想を下方修正しています。その下方修正された数字が上記の数字です。
【原材料価格上昇で下方修正】回転機事業では中国やEU向けの販売が拡大し売上高は前期並み。電力機器事業でも海外向けやバイオマス向けが伸びるが、原材料価格上昇が響き利益予想を下方修正。海外子会社のモーター事業などで設備投資も増やす。年配当は5円増の90円を計画。
5年前の2013年3月期と2018年3月期を比較すると売上高で1.16倍。経常利益で1.13倍。純利益で1.15倍と増収増益となっている企業です。
B
愛知電機は投資指標から考えて割安な企業であること。
愛知電機の1月4日の終値の株価2850円。
2019年3月期の一株利益予想368.78円 PER7.73倍
2018年9月末の一株純資産 5448円 PBR0.53倍
自己資本比率57.4%。
C:愛知電機はキャッシュ・リッチな企業であること。
○愛知電機の2018年3月末の現金性資産( 古いですが問題ないでしょう )
現金性資産の合計額は286.26億円です。これは総資産886.94億円の32.27%に該当します。
現・預金133.91億円+短期有価証券94.38億円+投資有価証券57.99憶円=286.26億円
全ての負債は373.17億円ありますが、短期性の営業資産である受取手形及び売掛金219.06億円+電子記録債権62.95億円+在庫117.53億円の合計額399.54億円でフルカバーしています。現金性資産は潤沢で、資金繰りが非常に楽な企業であることが分かります。
つまり現金性資産286.26憶円+短期流動性資産の全ての負債のオーバー分26.37億円の合計額は312.63億円であり愛知電機の自己株式を除いた時価総額と同程度の金額になります。
愛知電機の自社株を除いた時価総額は2850円×9,490,682株=270.5億円。
E:
愛知電機は黒字を計上し続けていることから、財務内容も非常に強化されてきていること。
資産状況はどうかについても、2013年3月期のバランス・シートの主要科目と2018年3月期のバランス・シートの主要科目を比較してみます。
<2013年3月末>
(資産の部)資産合計 752.08億円
現・預金128.01億円
短期有価証券74.11億円
投資有価証券43.71億円
受取手形及び売掛金204.44億円
在庫105.32億円
土地42.36億円
建物等70.73億円
設備等34.37憶円
(負債の部)全ての負債387.09億円
有利子負債121.51億円
<2018年3月末>
(資産の部)資産合計 886.94億円(134.86億円増加)
現・預金133.91億円(5.9億円増加)
短期有価証券94.38億円(20.27億円増加)
投資有価証券57.99億円(14.28億円)
受取手形及び売掛金219.06億円(14.62億円増加)
電子記録債権62.95億円(62.95億円増加)
在庫117.53億円(30.66億円増加)
土地40.53億円(1.83億円減少)
建物等62.47億円(8.26億円減少)
設備等45.96億円(11.59億円増加)
(負債の部)全ての負債373.17億円(13.92億円減少)
有利子負債78.98億円(42.53億円減少)
(コメント)
5年間で総資産が134.86億円増加したのに対し、負債総額は13.92億円減少しています。特に有利子負債は42.53億円減少しています。
現・預金は5.9億円増加し、短期有価証券は20.27億円増加し、投資有価証券は14.28億円増加しています。現金性資産の増加は合計で40.45億円増加しています。
受取手形及び売掛金と電子記録債権の合計で77.57億円増加し、在庫は30.66億円増加しています。土地は1.83億円減少し、建物等は8.26億円減少し、設備等は11.59億円増加しているます。固定資産全体では、増減は少ないです。
愛知電機は過去の利益で現金性資産と受取手形及び売掛金と電子記録債権の合計で77.57億円増やし、在庫も30.66億円増やしています。
現金性資産の合計額は286.26億円です。これは総資産の32.27%に該当します。
現・預金133.91億円+短期有価証券94.38億円+投資有価証券57.99憶円=286.26億円
全ての負債は373.17億円ありますが、短期性の営業資産である受取手形及び売掛金219.06億円+電子記録債権62.95億円+在庫117.53億円の合計額399.54億円でフルカバーしています。現金性資産は潤沢で、資金繰りが非常に楽な企業であることが分かります。
F: 愛知電機は業績の伸びと共に増配してきた企業であること。
愛知電機の配当 5株を1株に統合しているので、統合前の配当額は5倍しています。
2013年3月期 45円
2014年3月期 50円
2015年3月期 55円
2016年3月期 65円
2017年3月期 100円(記念配25円を含む)
2018年3月期 80円
2019年3月期(予想) 90円
2019年1月4日の終値の株価2850円で計算した配当優待利回りは4.21%です。
G: 愛知電機は個人投資家に人気のある優待銘柄です。
優待権利月 3月末
100株以上 3000円相当のカタログギフト
だから2019年1月4日に愛知電機を買いました。
2018年3月末のバランス・シートから、愛知電機の資産価値を確認します。
平成30年3月期の決算短信から調べました。
現・預金133.9億円+短期有価証券94.3億円+投資有価証券57.9億円+受取手形及び売掛金219.0億円+電子記録債権62.9億円+在庫117.5億円+土地簿価40.5億円-全ての負債373.2億円=352.8憶円
時価総額は(2019年1月4日終値)の株価2850円だと270.5億円です。決算短信発表時の自己株式は株数に含めず計算しています。
本社・工場などの土地を近隣公示地・基準地の価格を時価として推定すると 79億円程度の含み益 が見込めそうです。
土地の含み益を勘案すると上記に計算した資産価値だけから判断しても愛知電機は割安です。
土地を除いた固定資産など、上記の資産価値に計上しなかった、資産を見てみます。
建物等62.4億円+設備等45.9億円+その他の資産52.0億円=160.3億円。
愛知電機は定量分析だけでも割安です。
愛知電機の事業価値をすこしだけ定性的に考えてみたいと思います。
愛知電機は愛知電機と子会社11社及び関連会社3社で構成され、電力機器事業及び回転機事業を行っています。
〇 愛知電機の電圧コントロールの役割
夜、街のあかりはいっせいに灯ります。大勢でいっせいに蛇口から水を出そうとすれば、水の勢いは弱くなります。電気も同じことです。一度に多くの家庭や工場で電気を使い、送電系統に負荷がかかれば、電圧は下がります。
しかし現実には、「一斉に電気を使ったために、灯りが暗くなる」ことはありません。なぜなら、愛知電機の電圧コントロール技術による製品が、電圧の低下を防いでいるからです。
変電所に設置される「負荷時タップ切換変圧器(LRT)」や、郊外や山間部などの2本の電柱に設置される「自動電圧調整器(SRV)」は、工場や家庭に電気が送られる際に使用状況に応じて変動する電圧を調整しています。
どちらも出力電圧を一定にする機器で、電圧切換時にも瞬間的な停電を起こすことなく、工場や家庭への良質な電気の安定供給を担っています。
愛知電機の電気関係以外の面白い製品
〇粉体機器
食品・医薬品・金属・樹脂・セラミック・化学材料などの、大きさや素材の異なる粉体を混合・粉砕・乾燥・調湿・コーティングする装置。
http://www.aichidenki.jp/products/mechatronics/01/mech-01-001.html
手に混ぜる「コツ」を知る機です。
「粉体混合機」は、容器を回転させて粉を混ぜる製品で、幅広い分野で活躍しています。粉体混合機に要求されるのは、均一に混ぜることです。愛知電機は業界で唯一、回転と同時に「揺れ」を加えて「回転揺動型」とすることで、それを実現しています。均一に混ぜること以外にも、加熱して乾燥させたり、加湿させたりすることもできます。
また最近では、ニューセラミックスやレアメタルといった高価な材料を混ぜる際、残さず取り出すことも重要となっています。さらに、固まりを砕いたり、粉に液体を加えて粒にする用途で使用されることもあります愛知電機は多彩なニーズに応え、「混ぜる+α」した価値を提供しています。
愛知電機の中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題
愛知電機は、平成28年度から平成30年度までの中期経営計画2018「確かな技術で未来をひらく」を策定し、活動を行っています。引用します。
『 この計画では、「確かな技術で未来に向けた製品・サービスを創り出し、成長し続ける電機メーカ」をスローガンに、製品の競争力強化、新製品・新事業の創出、海外事業の推進、技術力の強化、組織力・人材力の強化に取り組み、経営目標の達成を目指しています。
なお、中期経営計画の最終年度にあたる平成30年度の数値目標を、連結売上高800億円、経常利益45億円、個別売上高400億円、経常利益30億円としています。
電力機器事業では配電系統高度化関連製品の需要が期待されますが、電力システム改革を背景に電力会社の設備投資・経費の抑制が進むと予想されます。
また、回転機事業では中国市場の成長鈍化に伴う受注競争の激化や顧客の内製化推進が懸念されております。このように、愛知電機グループを取り巻く経営環境は、先行き不透明かつ厳しくなるものと思われます。
こうした環境変化に対応すべく、当社グループは、中期経営計画で掲げた製品分野戦略と経営基盤強化戦略を着実に推進し、持続的成長を目指してまいります。この度、その一環として、一般市場向け製品の販売拡大を目的に、当社は販売子会社である愛電商事株式会社を平成29年10月に吸収合併することとしました。 』(以上で引用を終わります。)
〇愛知電機の中期経営計画のページ
http://www.aichidenki.jp/company/plan.html