love&peace♪マチオの脱力生活日記!

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2006/05/19
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 アフリカの人権問題に関する発表があるというので、国際大学(IUJ)へ出かけた。

 Can stop the crisis of Darfur『防ぎうるスーダン・ダルフール地区の危機』という演題で、1時間余に渡り催された。パワー・ポイントを用いてなされたプレゼンテーションは、驚くべきものだった。スーダン、アフリカ最大の面積を持つ国。縦横に直線で引かれた国境線が、民族・宗教・文化・生活習慣などをいかに無視して、この国が他者の思惑で作られたものであるかということを物語っている。

Presentation of crisis of Darfur1


 この百以上の民族が共に暮らすスーダンでは、軍事政権化と干ばつによる貧困と飢餓から、南北地域の政治的対立が生まれ、1983年から実に23年間という、史上最長とも言われる内戦が今もなお続いているのだ。現在までに40万人の人々が虐殺され、また240万人が住む場所を追われ危機にさらされているという。1万から1万5千人もの人々が、ひと月に殺されている現実がそこにあるのだ。

 この紛争の一端を担っているのが、アラブ人の台頭だという。政権の大半がアラブ民族出身者であり、政府が“黒人”ダルフール(スーダン西部の地域名)人の排斥運動を行っている。スーダン内での“黒人”の定義は他の国々でのそれらとは違っていて、“黒人”=“貧困の民”を表すらしい。肌の黒いいわゆる“黒色人種”であっても、富を持つとアラブ人と名乗ることを許されるらしい。…なんだか、日本人が南アフリカなどの国で“名誉白人”などと呼ばれているエピソードを彷彿とさせるではないか。

 驚くべきことに、政府が資金提供をして破壊活動を行うテロリストの存在があるらしい。テロリストによって破壊された都市は数千を数え、食料需給や水道などのライフラインは破壊しつくされ、今もなお数百万人の人々がこうしたテロ行為の標的として危機にさらされているのだ。テロ組織の破壊活動は、ヘリコプターを使った空爆によって行われることもあり、この事実によってテロリストが政府から資金・物資的援助を受けていることが明らかなのだという。空爆の後に、馬に乗り銃を持ったJanjaweed(ジャンジャウィード)と呼ばれる一団が街を襲い、略奪やレイプ、そして虐殺が行われるのだ。janjaweedとは、“馬に乗った悪魔”という意味だ。

 この紛争の基になっている対立の構図が判りづらいことが、国連・NATOそして世界の警察を自認するアメリカでさえも介入することを難しくしている側面があるらしい。また国連安全保障常任理事国である中国が、現政権の既得権益と深く結びついているために政権交代を望んでいないとの思惑もあるようだ。特定の民族を滅ぼそうとする試みは、"genocide"(民族殲滅行為)と呼ばれ、これらの行為に関しては国連の定めに従って平和維持軍を派遣できる仕組みがあるのだが、スーダンの場合被害を受ける民族と攻撃を加える民族の関係が入り組んでおり、この定義に必ずしもあてはまらないのだという。衝撃的だったのは、"auto-genocide"という言葉を知ったこと。この言葉は、自らの属する民族を滅ぼす側の人間もいるということを意味している。貧富のあからさまな不均衡と、それゆえに現軍事政権に対する不満を持つ反政府グループの対立、紛争。その狭間でIDP(Internal displaced population;自国内難民と訳するものか)と呼ばれる人々が住む場所を追われ、かつ国外に救いを求めることもできずに今もなお難民生活を強いられている。いわゆる難民キャンプでの生活も常に危険にさらされている。食料や生活物資を求めるためその地域から出ることは、女性であればレイプの、男性であれば去勢と殺害の、子供であれば拉致され性奴隷として扱われる危険がついてまわる。スクリーンに映し出された、去勢された後に殺害された男性の写真は、非常に痛ましいものだった。これらのIDPの子供たちの内、5歳以下の80%が栄養失調であり、ひと月に1万から1万5千と言われる紛争の犠牲者の内、80%はこれら5歳以下の子供たちなのだという。

 一部の富裕層を潤わせる不当な利権を守るため、おそらくはそれらに数千倍する被害者がかつて存在し、今も危機にさらされ、そしてこのままでは今後もその数は増える一方なのだ。

 言うまでもなく重要なのは"genocide"(民族殲滅行為)の定義ではなく、明らかに人権を脅かす行為が今この時も行われ、犠牲者が増え続けているという事実だ。そのことを知らず、知ろうとすることも無く今日までを過ごしてきたということに、少なからぬ衝撃を覚えたのだった。

Presentation of crisis of Darfur2


 遠く離れた国のことだからと見てみぬ振りをできるだろうか?想像もつかないことだと関わりを避けることができるだろうか?かの国から産出する石油によって、我々のこの国もまた不当な利益を受けているというのに?よく考えてみたい。同じ人間が、他ならぬこの地球上でやっていることなのだ。そう考えれば、決して他人事ではない。戦争や災害で、生命の危機や飢餓や干ばつ、貧困によって困窮を強いられている人々の数は多すぎる。どこから手をつけていいものか…と、関わりを避けようとする気持ちが起こるかもしれない。だがこうも思う。縁があるところから始めればいいのだ、と。今回このプレゼンで、オレはすでにこのことを知った。それならば、まず自分ができることから始めようと思う。破壊と殺戮の話を聴き写真を目にした時の胸の痛みを、このまま忘れ去り手放したくはないのだ。その想いでこの記事を書いた。



*** 関連リンク ***

www.charity.org

amnesty.org

saveDarfur.org

darfurgenocide.org





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Last updated  2006/05/25 03:09:04 AM
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