★ハリコフ戦 Battle of Kharkiv
Battle of Kharkiv
第一次ハリコフ戦
ヴァルター・フォン・ライヒェナウ第６軍司令官
熱烈なヒトラーとナチス支持者であり、１９３１年にナチ党に入党する。
ヒトラー政権が樹立された後は昇進も早く、陸軍総司令官候補にまで上りつめるがナチスに
あまりにも近すぎるためルートヴィヒ・ベックやゲルト・フォン・ルントシュテットが
反対し総司令官とはならなかった。
バルバロッサ作戦時は第六軍の司令官として第一次ハリコフ戦を指揮した。
このときいわゆる「ライヒェナウ指令」と呼ばれるユダヤ人虐殺命令を発し、
国防軍がユダヤ人虐殺の戦争犯罪に手を染める実例を作ってしまう。
ヒトラーはこの指令を大いに歓迎し、ヒトラーのお気に入りとなったライヒェナウはゲルト・フォン・ルントシュテットに変わって
南方軍集団司令官に任命されるが直後に脳卒中と航空機事故により死亡した。
第六軍司令部を訪れたヒトラーと会食するライヒェナウ
ハリコフ市内で戦うドイツ軍
第二次ハリコフ戦
セミョーン・チモシェンコ南西戦線司令官
フェードア・フォン・ボック南方軍集団司令官
ヴァルター・フォン・ライヒェナウの死亡にともない後任として南方軍集団司令官
に任命される。
エヴァルト・フォン・クライスト第1装甲軍司令官
第三次ハリコフ戦
エーリッヒ・フォン・マンシュタイン元帥 南方軍集団司令官（写真は少将時代のもの1938年）
パウル・ハウサーSS装甲軍団司令官
ザポリージャでヒトラーを出迎えるマンシュタイン
スターリングラードでドイツ第六軍を壊滅降伏させたソ連軍は南部戦区で反撃に転じ、
ハリコフに接近していた。
この状況にヒトラーはSS機甲軍団にハリコフ死守命令を出していた。
マンシュタインはヒトラーの死守命令を無謀と判断して無視し、SS機甲軍団にハリコフ放棄を命じ撤退させた。
ハリコフ放棄に激怒したヒトラーは、マンシュタインの司令部があるザポリージャに飛んだが
マンシュタインの冷静な戦況説明を受けると早々と逃げ去った。
ソ連軍機甲部隊はザポリージャから３０キロの地点まで接近していたのである。
ヒトラーから作戦の自由を得たマンシュタインは、この後機動防御戦バックハンドブロウ
（後手からの一撃）を実施することになる。
マンシュタインはヒトラーに対してはっきりと自身の意見を述べる数少ない将軍の1人だった。
ソ連軍はハリコフを放棄して撤退したドイツ軍を総崩れとみなし追撃深追いした。
しかしこれはマンシュタインの戦略的撤退だった。
ソ連軍の補給路がのびきり動きが停滞すると、
マンシュタインはハリコフより撤退させた虎の子のSS機甲軍団を中心に反撃命令を下した。
補給路がのびきっていたソ連軍はSS機甲軍団の反撃に総崩れとなり、占領したハリコフも放棄して撤退した。
マンシュタインはこの戦闘でスターリングラード戦以後、劣勢になっていた南方軍集団を崩壊の危機から救っただけではなく、放棄したハリコフを奪回したうえ、逆に南部ソ連軍を崩壊の危機に追い込んだ。
マンシュタインは第三次ハリコフ戦で東部戦線南部戦区における戦略的主導権を手に入れるが、運命のクルスク戦を向かえることになる。
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