全国の名物研究所

全国の名物研究所

名物調査 【山形県】



 また個人的な話で恐縮ですが(まあ日記だし……)、山形県は私の運転免許のふるさとなんです。

 なんだ?? と思うのも当然かな。要するに学生時代、山形で合宿免許をとったというだけの話。
 山形の教習所はすごかったなぁ。なんせ、普通は教本でしか知らない「遮断機も警報機もない踏み切り」を渡らされるわ、制限速度で走っているのに助手席の教官が「前の車抜いてみろ」とかのたまう。
「んなぁ、無茶な!」ってところで免許をとってしまいました。
17日間も共同生活をすると色々なことが起こって楽しかったですね。今思えば「あいのり」のような感じかな……。まあ、私の場合は「浅ちゃん」ですけど。

 そして、川崎に帰り、無事免許証をいただくと、地元の友から「そんな田舎で取った免許じゃあ、首都高とか環八とか走れねーぜ」と言われました。なぜか山形をバカにされた私は、「見返してやる!」とばかり、それから毎日、環八や首都高に出かけて運転の練習をしました。車がたくさん走っていると怖いから、毎朝5時とかに起きて(笑)。そのおかげで首都高と環八だけは上手く走れるようになりました(爆)。

 そんなわけで、甘酸っぱい思い出の詰まった(?)山形県の話に戻りますね。

「山形名物」と聞くと何を思い出しますか?

 佐藤錦(さくらんぼ)、ラ・フランス(いわゆる洋ナシ)、山形牛(っていうか米沢牛)、もってのほか(食用菊です)、玉こんにゃく(丸いこんにゃく)、だだちゃ豆(枝豆の最高級品種)、どんどん焼き(お好み焼きみたいなものだと聞く)、山形そば街道(店ごとでバラエティーに富んだ食べ方があるというが、裏を返せば節操がないともいえるかな?)

 と、まあ、ひと言説明つければ、「はいはい」と合点がいく名物の数々。
 でも、山形の食を語る上で欠かせないのは、「芋煮」じゃないでしょうか。

 山形の人は、秋といえば「芋煮会」が一番のレクリエーションでしょう。
でも、これは山形の隣、宮城県にもあって、そっちも盛んです。
 山形の芋煮はサトイモ・牛肉・醤油と砂糖味、一方の宮城県はサトイモ・豚肉・赤味噌となります。残念ながら山形のものは食べたことがありませんが、宮城県のは、要するに豚汁の芋が里芋になったという感じ、山形のはすき焼きに里芋が入ったような感じでしょうか(山形県でも庄内地方では豚肉と味噌を使うそうです)。

 この両県民は、普段は温厚で多くを語りません(印象だけかな)けど、「芋煮」という単語には機敏に反応します。
 私は宮城県に住んでいたことがあるんですが、「芋煮」のなんたるかを滔々としかも幾人からも語られました。「芋煮に命をかけている」くらいに見えたその思い入れ、よそ者だった私には結局理解できませんでした。
 でも、これほど芋煮にプライドを持っているのは宮城県だけかと思えば、お隣の山形も同じだそうです(山形の方が発祥の地だという)。そしてお互いが隣の芋煮をまったく認めていません。両県は人的な交流も盛んです。両県民が混じったグループで「芋煮会」が行われることも珍しいことではないでしょう。そんなときはどうするんだろうか? 鍋を別にするんだろうか? それとも憮然とした顔で「これは芋煮じゃない!」って心の中で叫びながら異文化の食べ物を口に押し込んでいるのだろうか……。う~ん、気になります。

 さて、山形というと、どうも米沢市とか山形市という山の中の盆地のイメージに私はなってしまいがちですが、酒田市や鶴岡市といった日本海側の街もあるんですよね。

 酒田にはむかし、北前船で財を成した豪商、本間家がありました。

「本間様には及びはせぬが、せめてなりたや殿様に……」という歌が残っています。豪商にはなれないが、せめて殿様くらいはなってみたいものという気持ちがこもっているんでしょうか。殿様を軽く超えちゃった豪商とはいかほどの者だったんでしょう。
 実は、その豪商に越えられてしまった酒田藩主・酒井家の今の当主自らが作ったお米をいただいた知人から、さらにおすそ分けしてもらったことがあります。これはとにかく美味しかった。おそらく今までの人生の中で食べたお米で一番美味しかったと思います。もしかして本間様から頂戴した秘伝の肥やしでも使っているのでしょうか。

 さて、山形の米と言えば代表は「はえぬき」です。ひとめぼれやあきたこまちも人気ありますが、やっぱりはえぬきでしょう。
 庄内、内陸部とも日本穀物検定協会の食味ランキングでは「特A」の常連ですね。もうひとつ山形を代表するおこめで「どまんなか」というのがあります。名前のインパクトは並み居る東北の名品種の中で際立っていますが、最近はあまり聞きませんね。ササニシキに似たような味だというから、寿し飯向きということで玄人好みなんでしょうか。ちなみにどまんなかもはえぬきも「庄内29号」という米が親ですが、はえぬきの方は、「庄内29号」とあきたこまちの子どもです。
 どっちも食べたことがありますが、もうだいぶ前なので、「はえぬき」は美味しかったことは覚えていますが、言われてみればあきたこまちに近い食味・食感だったような記憶も……。どまんなかについては何も覚えていない(汗)。


 庄内といえば普通は「米どころ」でしょう? でも私は「庄内」ナンバーを真っ先に思い浮かべます。実はこのナンバーが好きなんですよ。それは何故かといえば、字面がかっこいいことと、音が良いことと、さらに庄内の人には大変失礼ですが、正直どこのナンバーか分からないってことが魅力なんです。
 だいたい、何でどこから来た車かを世間に知らしめて走らなければ行けないのか……。私はどうもこれが解せません。
 その点、庄内ナンバーだと、「えっ?何処?」ってことになるでしょう……(ホント、庄内の方お許しくださいね)。

 話はちょっと変わりますが、地方ナンバーの車で首都高速を走ると、いわゆる関東地方の田舎ナンバーの車によく煽られます。
 むかし、宮城ナンバーの車で首都高を走るとホントよく煽られました。制限速度をかなりオーバーして走っていてもです。「おらおら、東北の田舎モンどけどけっ」って感じでしたね。そして煽ってくるのはいつも大○とか習○野、○葉でした。
 品川ナンバーとか横浜ナンバーを運転すると不思議とまず煽られません。そして、そんなことする知的レベルが低くてコンプレックスの塊の彼らは、知らない地名のナンバーも煽れないらしいです。今は「石川ナンバー」の車で走りますが、これが不思議と煽られないんですね~~。
 どうしてかと知りあいに尋ねたら、「そりゃ、お前、石川って何処か分からないから煽れねーべさ」とのこと。きっと庄内ナンバーも同じですね。

 それにしても石川県ってどうも知名度が低い。だいたい石川県の県庁所在地が金沢だと知らない人がたくさんいますから。

 今度、金沢ナンバーができるそうですが、私はやっぱり石川ナンバーが良い。

© Rakuten Group, Inc.
X

Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: