全国の名物研究所

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名物調査 【福島県】



 今もあるのかな、白河駅の近くの田んぼにあった「これより先、みちのく」っていう看板。これを見ると、「あぁ~遠くへ来たもんだ」って感じがしました。

 神奈川県に住んでいた時、「体に田舎が足りない」って感じると、そんな一番近い「遠いところ」の福島県にはホントよく出かけました。

 体に田舎が足りないって変な表現だと思うでしょう? 多分、フィトンチッドとかマイナスイオンの不足を体が感じると、なんか信号を送るようで、私が勝手に名づけました。

 今は田舎に住んでいるからそんなことは無いように思われるでしょうが、不思議なもので免疫ができるのか「さらなる刺激」が欲しくなって、最近では「体にもっと田舎がほしい」状態になっています(笑)。

 そういえば、古きよき農村の営みを再現している日曜日の夜の人気テレビ番組の撮影地も福島県みたい。今や日本国民全ての「田舎」になりつつあるようですね。

 以前、旅行雑誌の編集をしていた時、福島県の特集があると私は率先して担当していました。
 そして、受け持ちの連載も何かにつけて取材先を福島県にしてました。
 だから、まあ微々たるものでしょうが、福島県の観光振興には少しは役立ったのではないでしょうか。その分、役得として田舎パワーを注入させてもらいました。

 福島県には「浜通、中通、会津」という三つの地方があります。新潟に負けず劣らず、福島県もでかいですね。いわき市、郡山市、福島市、会津若松市という大きな町が点在しており、それらが微妙な力関係で均衡を整えているのが福島県という感じがします。

 さてさて、肝心の名物の話に移りましょう。

 私は名物の中でもちょっとカルチャーショックを覚えるようなそんなものが好きです。せんべいを入れる鍋(青森・岩手)とか冷たい味噌汁を麦飯にかける冷や汁(愛媛・宮崎)みたいな、ジャンクフードではない、そこに行けば普通に食べられる、だけどその土地以外の人にはかなり珍しい、そんな食べ物たちです。

 その点では、福島はちょっと悩みます。

 毎度の、「日本穀物検定協会」が行う米の食味ランキング(平成16年版/平成17年度版はまだ出来ないのかぁ?)によれば、福島県は下記のとおり。

 福島 会津 コシヒカリ 特A
 福島 中通 コシヒカリ 特A
 福島 浜通 コシヒカリ A
 福島 中通 ひとめぼれ 特A
 福島 会津 ひとめぼれ A

 これだけで全てを語るのはナンセンスかもしれませんけど、全国17ある特A米のうち、3つを福島が占めるというのは、お見事でしょう。1つの県で3つというのは、宮城と山形県とならび日本一です。米どころ新潟県は6地区品種で2つの特Aにとどまっています。

 でも、その割に福島県って日本を代表する米どころという印象はちょっと薄いような気がしませんか?

 福島県っていいものがたくさんあるともいますが、あまりアピールしてこなかったのか。それとも、個性的なユニークなものが少ないためにあまり話題に上ることがなかったのだろうか?

 三春駒、赤べこという福島県の郷土玩具がありますよね。超メジャーってわけではありませんが、多くの人が見ればわかり、いかにも郷土玩具らしいぬくもりのある逸品ですね。

 福島の名物って、この赤べこ、三春駒に象徴されるような気がします。良いモンなんだけどダントツ一位にはなれない……、みたいな。

 話は変わりますが、会津の人の会話で「先の戦争」といえば戊辰戦争をさすって聞いたことがあり、それを会津若松の人に確かめたら、「確かに、高齢者にはそういう人も多いです」といってました。もう10年以上前ですが、長州(山口)の青年会議所(だったかな)から、「いまさらだから、ぜひ手打ちを」と申し入れがあったそうですが、「いまさらだからこそ、許すわけには参らない」って突っぱねたという話もあったっけ。

 そんな会津の人たちが、真剣に日本一を取りに来たのが「喜多方ラーメン」と「会津の蕎麦」ではないでしょうか?

 市町村合併で、ラーメンも蕎麦の本場山都も喜多方市になりました。太いちぢれ麺が特徴の喜多方ラーメンは市内には120軒をこえる店があるとか。何でそんなにラーメン屋があるのかと聞けば、「喜多方の人はラーメンを味噌汁代わりに食べるから」といいます。「讃岐の人がうどんをお茶代わりに食べる」って言う話も聞いたことがありますけど、まっ、それだけ頻繁に食べているというたとえ話でしょう(味噌汁やお茶代わりにラーメンやうどんを食べるなんていくらなんでも……)。

 山都出身のご主人が切り盛りする会津若松の有名な蕎麦屋があります。このご主人が世に広めた蕎麦のメニューが「水そば」です。美味しい山都の水に蕎麦をつけただけのもので、「蕎麦だけの美味しさを味わってもらいたい」と考えてのこと。
 ご主人の考えとは別に、面白いメニューなのでマスコミがこぞって取り上げていました。良いか悪いか、これで会津の蕎麦は有名になったような気がします。

 実際、私が食べたことのある蕎麦の中で、この店の蕎麦はベスト3に入る美味しさで、この店に限らず、会津は美味しい蕎麦を出す店が多い。よく、そばを名物にして地域起こしをしている山村がありますが、そんなところとは一線を画しています。だからこそ今日の繁栄があるのでしょうね。

 会津のそばとラーメンに限らず、福島県にはかくれた日本一がまだまだたくさんあるような気がします。

ちなみに私の気になるそのほかの福島名物
 食べたことある方、情報をお知らせください。

こづゆ
 会津の代表的な料理で、冠婚葬祭の時には必ず膳につく慣わしがあるそうです。食べたことがあるような気もしますが、記憶が定かでない……。

まんじゅうの天ぷら
「まんじゅうの天ぷら」は会津地方で広く親しまれているらしい? いわゆる揚げまんじゅうとは違うのだろうか?

うにの貝焼き
 いわきの名物。ムラサキうにをホッキ貝の殻にのせて炭で焼いて食べるらしい。うまそ~!

マミーすいとん
 昔から食べられていたものだそうですが、サッカー日本代表元監督のトルシエさんが食べて「マミーすいとん」と命名したとか。トルシエさんがすいんとんを食べている姿を想像すると笑ってしまいます。

裁ちそば
 尾瀬の玄関口、桧枝岐に伝わる名物。つなぎを一切使わないそば粉100%の手打ちそば。たたむと切れてしまうので、たたまずに包丁で裁つという。たたむと切れるとは?荒く挽いたそば粉を使っているのだろうか? でも、どうやって均等にしかも細く切るのか、その作業をぜひともみてみたい。

三春索麺(みはるそうめん)
 東北唯一のそうめん産地として、江戸時代には知れ渡っていたそうです。油を使わない手延べそうめんだそうで、ご当地麺の好きな私はとても気になっています。

日出谷駅のとりめし
 JR磐越西線の小さな駅の駅弁です。駅弁博士といわれる人からすすめられて以来、ずっと食べたいと思っていました。なかなか買えないから「幻の駅弁」といわれて、一時期はホント幻になりつつあったみたいですが、最近、SLが運転されるようになってから見事復活したらしい。朝陽館という旅館が作っているそうです。SLに乗って今年こそ食べに行きたいなぁ~。

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