見たまま、感じたまま、思ったまま

服を脱がない人たち

(1)最近の患者さんは服を脱がない。

最近思うのですが、患者さんの診察の受け方というのが変わってきたように思います。
僕は男性なので、具体的には女性の患者さんについてですが。
最近の患者さんは、聴診しようと思っても、仲々服を上げてくれません。
前の方に服を引っ張って、そこから手を入れて、聴診しろという訳です。

別に、私は、下着を全部はずせとか、そういうつもりはないのです。
ブラジャーや、薄い下着くらいは付けていてくれて結構なのですが、やはり診察には、まず問診、次に視診、触診、聴診と進めていくのが本来の姿なので、胸の肌の様子が見たいのと(たとえば湿疹や帯状疱疹が出てるかも知れないわけだし)、相手が不快になるような場所を避けて聴診器を当ててあげたいので、それを見定めるためにもきちんと服を上げて欲しいのです。

女子学生なんか、制服がピチピチでキツイので、手を入れるのも一苦労です。これはひょっとして傍から見たら、怪しい光景なんではないかと苦笑してしまいます。きちんと見えてないと、自分でも手がどこに入っていくか自信が無い!(笑) 。

上に上げてくれると、聴診器だけを当てるように出来るのに、下から手を入れると、手首の当たりから、全部胸に触れてしまう事になりがちなのに、それはなんとも思わないのだろうかと不思議です。

それ以外にも、服をめくったと思ったら、当然の如くTシャツ(ひどい場合はセーターとかババシャツ)のままで、当然と言うような顔をしてる人も居る。
もう一つのタイプは、服も下着も上にあげてくれるんですが、両手で胸を抱えるように隠してしまう、ちょうどビーナスの銅像のようなポーズになる人が居ます。これは更に面倒で、聴診器を当てる場所が全く無くなってしまうのです。
まあ、そんな人達に限って、胸で聴診できないから背中からだけでもしておこうと思って後ろに向いてもらうと、ヒップに合わせたパンツをはいているため、ウエストがゆるんでいてお尻のあたりまでずっと見えていたり(胸かくして尻隠さず)一体何を考えとんじゃ??って感じです。

僕的には、ブラジャーはそのままで良いから、他の服は上の方までずっとあげておいてほしいです。とにかく診察しようとして出来ないのが一番ストレスなのです。

他にも、お腹が痛いというから診察しようとするとボディースーツを平気で着ている人も居る。そこまで来ると、ちょっと相手に失礼なのでは?と思う時があります。

時に、そういう診察の受け方について説明をする場合もありますが、若い人だけでなく、結構なお年寄りまで皆そんな状態。来る人来る人同じ状態なので、もう最近は言うのもアホらしい、そんな感じです。
「あんたら、みんな皇后陛下か?」とか、「あんたらは歯医者に行く時も、マスクしたままで治療してくださいと言うのか?」などと、突っ込みを入れたくなります。

ちなみに、うちの妻もドクターですが、彼女にも聞いてみたら、「そんな事はない、みんながばーっと開けてくれるわよ」と言っていたので、やはり、異性同士の問題なのだろうか?それとも、私が脂ぎった怪しい顔でもしているのだろうかと、ふと不安になったりします(笑) 。

大學の先輩で、現在開業している先生は、診察の時に、女性が下着をつけていたら、さらっと手を後ろに回して自分でブラジャーをはずしていました。
それがとても自然に見える人徳を持った先生でしたが、今もそうしているんだろうかと、ふと思い出します。

私が、医者になりたてで、大学で居た頃は、診察に来た若い女性が、まだ診察待ちの状態なのに、中待合いで上半身素っ裸にされて、バスタオルを上に羽織らされた状態で待たされて居ました。あれは、とても患者のプライバシーを無視したヒドイ行為だと思ったものでした。さすがに今はそんな事ないのでしょうが、逆に今のような状態だって困ります。

名医を捜す本とか、医者に貰った薬が判る本とか沢山出ていますが、正しい診察の受け方を書いた本でも誰か出してくれないかなと思う昨吟です。


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