見たまま、感じたまま、思ったまま

都市生活者の夜


「ニセ予言者ども」ビクターB25Dー13021


JAGATARAのリーダー、江戸アケミが死んでもうじき14年になる。
旧作が相次いでリリースされ、ついに幻のビデオと言われた3枚組「なんのこっちゃい」が昨年秋再発された。

「江戸アケミは旅に出ましたが、JAGATARAは不滅です」と、確かこのビデオのラストのナレーションに出てきたと思うが、毎年のようにJAGATARAの名前を冠したライブが行われ、CD、DVDの再発となると、本当にエドが帰ってきた、また時代がJAGATARAの登場を待っているような気がしてならない。

この曲は、彼らのインでディーズ時代の名作「ニセ予言者ども」に収録されている曲だが、彼らのメジャーデビューにあたって、1989年にCDで再発された。
元々彼らの曲には長尺物が多いが、このアルバムも全4曲、その中でもこの曲は15分を超える壮大な曲である。

初期の頃のパンクっぽいサウンドから、エドの休息の時代を経て、めくるめくビートの中に救いを求めたエドに、世界のあらゆるダンスビートをミックスして提供したOTOの音楽性が見事に結実してきた時代である。
レゲエ、アフロ、ラテン、ロック、ジャズ、ブルース、様々なリズムを飲み込みながら発展してきた彼らの曲の中で、この曲は珍しくリズムのゆったりとしたボレーロのような曲だ。

ギターの切ないリフからはじまり、そこにホーンセクションが絡み出す。そして女性コーラスが入ってエドのボーカルが始まるまで約4分。しかし、全然それが長く感じられないほどゆったりと気持ちの良い音空間に包まれてしまう。

ここで聞くエドの声、そして歌の世界は純真無垢な少年のようだ。
エログロと言われ、変人と言われ、狂っていると言われ、過激に毒をまき散らし、回りに攻撃的だったエドの一番中心のコアの部分を見ているようである。

午前4時、夜明けの空を見上げると、そこを走って行くアケミとじゃがたら達の姿が見えるかも知れない。

LALaLa・・

人々が眠りにつくあいだに
もうひとつの自分がゆらり起き出す
人っ子ひとり居ない月夜の道を
ただひたすらに走り続ける

さあ飛びのろう夢の列車に
夜のしじまに輝く星を
昨日は事実、今日は存在、明日は希望
昨日は事実、今日は存在、明日は希望
後ろからしがらみが追いかけてくるけれど
そんなことは少しも問題じゃない

同じように月夜の下で、同じように足を鳴らし
同じように月夜の下で、同じように足を鳴らし

今は午前4時少し前
今は午前4時少し前
朝焼けを待ちわびながら
終わりのないダンスは続く

絆を失った砂漠の街で
小鳥たちのさえずりさえも消えて
都市生活者は笑いころげた
悲しいほどにただ笑い転げた

さあ飛びのろう夢の列車に
夜のしじまに輝く星を
まわりは宇宙的レベルで少しずつ変わってゆく
俺の言葉も空に舞ってゆっくりと弧をかき始める
昨日は事実、今日は存在、明日は希望
昨日は事実、今日は存在、明日は希望
子供達の明るいざわめきが
町中に響きわたるその日まで
オレは決して忘れはしない
あの日のすべての出来事を

同じように月夜の下で、同じように足を鳴らし
同じように月夜の下で、同じように足を鳴らし

今は午前4時少し前
今は午前4時少し前
朝焼けを待ちわびながら
終わりのないダンスは続く

ほら!もう少しで君のゴールが
あの娘が笑いながら近づいてくる
君も手を振ってみてごらん
きっとわかってくれるはずさ

あの娘が笑いながら近づいてくる
あの娘が笑いながら近づいてくる
YaYa・・・・

人生は軽いフットワークさ
人生は軽いフットワークさ

Woo・・Waa・・

オレは忘れはしない
あの日のすべての出来事を
オレは忘れはしない
あの日のすべての出来事を



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