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しかし変な天気やね。寒くなるのかと思ったら生暖かくて。おまけに今夜は雷雨が来るかも知れないって。何月やねん。僕の大好きな11月はこんなんじゃないはず。ヒトから聞いた話だけど・・。これはエルニーニョの影響もあるけれど休日高速1000円の影響もあるらしい。去年に比べて日本のCO2排出量はかなり増加してるみたいらしくって (京都議定書で発言した1%削減どころか1%増えてるらしいです。)このCO2が上空でたまってるんで大気が冷えないんだと。でも雨が降る事でこのCO2が取っ払われて急激な寒波が降りてくるらしい。だからこれだけ雨の後は寒さがくるみたいなんだって~~。高速無料化なんてなったらどなになるねん!!足の方は昨日シップ張ってサポーターをして寝たら、今日はまあまあ歩けるぐらいになった。押して痛かった脹ら脛の圧痛点が無くなっている。今日は本格的な閉めるサポーターを買いに行った。明日は酸素カプセルに入りに行こう。PTAの試合のためにそこまでやるか?あんたはベッカムかって配偶者には言われたけど。僕らのようなレベルの試合でも大事なものは大事。肉離れをしたことをチームの世話をしてくれている副会長のKさんにメールをしたらこんな返事だった。先生いれて9人しかいません。Sさんが事故したから10→9人に減ったんですよ~なんとか治して下さ~い。なんせ先生が得点源ですから...お大事にして早急に治して下さい(酷いメールですいません)僕は22日に試合に出れるようになるなら、なんでもする。魂だって売るよ。あ・・トミは元気です。決して山に捨てたり川に流したりはしていません。壁紙から下の生地まで見えてしまうまで壁を掘ったり、ソファーの縫い目を食いちぎって中の綿を出したり、配偶者に噛みついて、叩かれてゲロはいたりしていますが・・元気ですよ。ウソじゃないです。今日は僕にだっこされたまま眠りにつきました。永遠の眠りじゃないです、本当です。
2009.11.13
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今回の改訂とは直接関係ないけれど、少し前にジェネリックがらみで腹の立つ事があった。ある大手電信電話会社に勤めるAさんが、会社の健保組合からこんな書類が来たと持ってきた。*****************************************************************あなたが今処方されて服用している××と言うお薬には○○と言うジェネリック薬があります。××を○○に変えると、1ヶ月に○○円の医療費が節約できます。今度の診察のさいに、先生に投薬の変更をお願いしてみては如何でしょう。**********************************************************************細かい言い回しは忘れたけど、大体のニュアンスはこんな感じだ。これって医者の裁量に干渉しようとしてるじゃん。お前何様じゃ~と言いたい。薬を変更して、もし患者に何かあった場合健保組合のお前が責任とるのか!そう言えば、今度の改訂では医者が「ダメ」のサインをして居らなければ、患者が希望すれば薬剤師の裁量で薬をジェネリックに変更出来るようになった。もしそのような薬で何か副作用があって訴訟にでもなった場合、その責任は誰がとるんじゃ?そのあたりの回答も厚労省はいい加減にしかしていない。薬局の方にも、全部の処方箋の枚数に占めるジェネリック処方箋(1枚の中に1剤でもジェネリックが入って居れば良いらしい)の割合が30%に満たない場合はペナルティーがあるらしい。もうなりふり構わずである。そこまでして医療費を節約したいのかああああ。だったら、先発薬の薬価を下げろって教えてあげてるじゃん。ま、腹の立つことの多い最近である。
2008.04.10
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4月から始まった新しい診療報酬改定の中で、夜間早朝加算と言うのがある。これは文字通り、夜間や早朝に診療をしている診療所に対してそれを評価しようというものだ。目的は勤務医の負担を減らすこと・・らしい。多分よく分かってない人がいるので説明しておくと、通常の診療時間を終えて診療する場合は(一応、一旦診療体制を解いた後でまたドアを開けて・・と言う縛りが付いている)時間外加算である。これで通常の診察料の1.5倍となる。日曜祝日などに休診のところを開けて診療した場合は休日加算でこれは通常の診察料の約2倍、そして夜の10時から朝の6時までは深夜加算となって約3倍の診察料となる。これは従来からそうであり、4月からも同じ。新しい夜間早朝加算というのは、通常の診療時間が夜間や早朝に入るように設定している場合に、その時間帯に来た患者さんに対してこの加算が算定できるというものである。この夜間と言うのは、午後6時から22時まで、早朝は午前6時から8時まで、土曜日においては正午から22時までが夜間となる。そして日曜は午前6時から22時までこの加算が算定できる。つまり、夜の6時で診療が終わる診療所は、6時以降に新たに来た(一旦診療体制を解いた後で・・分かりやすく言えばカーテンを引いた後で)患者さんには時間外を算定する。しかし、当院のように19時まで診療をしている診療所は、18時以降に来た患者さんには通常の診療であっても50点(つまり500円)の加算が算定できると言うわけだ。少し前に説明したように、外来管理加算と言うのが5分の縛りがついたおかげで算定できない患者さんが増えて減収になるけれど、その分この50点の加算で補うことが出来る。当院の場合だと、土曜の午後は全部この加算が算定できるし、日曜も全部算定できる事になる。患者さんの方はと言えば、1割の人で50円、3割の人で150円診察料が高くなるわけだ。要するにこういう加算を付ければ、診療時間を延長する医療機関が増えて、それがとどのつまり勤務医の負担を減らす事になるだろうと言うのが狙いである。アホか・・と思う。例えば、診療時間を1時間延長したとしよう。その間に10人患者さんが来たとして、この加算の分が5000円。まあそれに通常の診療点数が10人分加わって増収になるわけだけど(患者さんが来ない場合もあるので、必ずしも増収とは言えないけど)、その為に自分の時間を1時間へずり、看護婦の勤務を組み替えて、下手したら新たにパートで職員を雇わないとあかんかも知れない。そこまでして診療時間を延長する医療機関があるとは思えない。この加算を算定する医療機関はもともとがその時間帯に診療しているわけだから、結局は患者さん負担が増えただけなのだ。大体、仕事終わって病院に来ようとすると6時を回ってしまうのが普通なのに、それにむち打つような診療報酬を作ってどうするのよ。大体、この時間設定がいかにも公務員的だ。土曜日の午後にやってる医療機関なんていっぱいある、と言うかやってない方が少ないと思う。役人は自分らが土日休みだからそういう発想になるんだろうね。この加算、実は手挙げ方式である。医療機関によって算定してもしなくても良いのである。算定する場合は社会保険事務局に届けが必要。当院は・・算定しています。だって、お上がそういうんだもん。アホな制度によって起こる減収はこれで埋め合わさせていただかないと。けしからんと思う患者さんは、厚労省の方に文句を言っていただきたい。大体、こんな方策で勤務医の負担が減るとは思えない。なんで勤務医がこんなに疲弊しているのか?まず、色々と医療事故などの問題が起こったせいで、厚労省が危機管理委員会などの設置を求めてその長に医者が就任させられて、委員会の実施、報告書の作成など本来の業務以外の業務が沢山増えたこと。それに新しい研修医制度のせいで、2年間どこの大学病院の医局にも新入y医局員が無かったこと。だから大学の医者が足らなくなって、関連病院から中堅どころが呼び戻されて、残った病院の医者には仕事の負担が更に増えて疲れて止めていくと言う悪循環になってるわけだ。どっちも厚労省が制度をいじくりまわったせいじゃん。厚労省は医者の数は十分足りているなんて言うけれど、実働している医者の数は少ないし、名目上の医者の数も先進国の中では断然少ない。まず、医者を増やして仕事の負担を減らす事が必要かな。それとクラークなどを沢山養成して、医者の雑用を減らすこと。それにもう一つ、医者が啓蒙し、一般の人もよく勉強して夜間の不要な受診を減らす事だ。何が不要でそうじゃないか分からんと言うかも知れないけれど、自分の心と体の声に耳を傾けて、明日までに治さなきゃと言う時間の縛りを取ってしまえば結構受診を急がないと言うのはわかると思う。社会的には、自分や家族が病気になればどうどうと休める社会を作ること。みんな仕事に縛られてしまってるから、「どうしても休めないので明日までに治してください」と言う患者さんが夜中に病院に来る事になる。半日で治る病気はありません!前の経験を生かす事も大事だと思う。子供が熱を出す度、ゲロ吐く度にすっ飛んで来るお母さんがいる。確かに心配だろうと思うけど、子供はしょっちゅう熱出すし、年に何度かはゲロを吐く。前の経験から、ああこの前も1日で吐くのは止まったから明日まで様子見ようかな・・と思うのが経験である。徳島の日赤は、4月から夜間の軽症の受診に対して2500円を自費で徴収することにしたらしい。これは、あまりにコンビニ感覚の受診が増えすぎて、救急車に手が回らなくなったりして本来の救急の業務に支障を来してきたかららしい。軽症かどうかは受診してみないと判断できないと思うけど、ある程度の効果は出ているみたいだ。でも、これも苦肉の策だろうけど何か冷たいでしょう。やっぱり受診抑制と言うのは、患者さんの良識、知識、知恵に基づくものであるべきだと思う。ま、話が長くなりましたが、そういう訳で夜6時以降や土曜日午後の受診は少し診察料が高くなると言うことをおみしりおきを・・。
2008.04.09
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結局この間の患者さんは、独り暮らしだったせいかいつ電話してみても電話が留守電で、家族の人もそこには住んでないので電話には出てこない。留守電に吹き込むのも間抜けなのでそのままにしているが、結局真相はわからないのかな。近所の人が来たり、身内がまた診察しに来たりすれば(うちに、恨みを持ってなければの話だけど)わかるかも知れないけどね。今日は、4月からの診療報酬改定で最も腹の立つ改訂の事を書こう。みんなもネットで色々流布しているので知っている人も多いと思うけど、今度の改訂で「外来管理加算」が5分以上の診察をした場合にしか算定出来ないことになった。だから、5分前に診察室を出ようなんてアホな書き込みがネットで飛び交っている。まず、外来管理加算とは何か?これは非常にわかりにくいものである。医科診療報酬点数表から原文を引用してみよう。「入院中の患者以外の患者に対して、慢性疼痛疾患管理並びに別に厚生労働大臣が定める検査並びにリハビリテーション、精神科専門療法、処置、手術、麻酔及び放射線治療を行なわず、計画的な医学管理を行なった場合は、外来管理加算として、所定点数に52点を加算する。」どうです??わかります?分かりやすく言えば、外来の再診患者において、検査や処置をしなかった場合に算定できる点数と言うことだ。何かをしたら算定できる点数ならわかるけど、何もしなかった場合に算定できる点数・・これが医療費の摩訶不思議なところである。一応、計画的な医学管理を行った場合と言うしばりがあるけど、そんなん具体的な事は何も書いていないし、無計画に医療行為をするはずがないので通常医療機関ではのべつまくなしに算定しているのが普通である。これは僕の推測であるけれど、恐らく昔と比べて診療点数がどんどん削られて行く過程で、医師会員を納得させるために、それならこの点数をやるから・・って感じで生まれた点数じゃないだろうか?例えてみれば・・基本給と手当みたいなものね。基本給は減らすけどその分手当をあげるから、給料の総額の減少は少しね・・と言う感じ。ただし手当だからちゃんと仕事してないとあげないよ、いつでもカットするよ~って感じかな。分かっていただけましたか?この点数自体、昔から色々な問題を含んでいる。例えば耳鼻科のドクターなどはこの点数に恨みを持っている人も多いだろう。実際に何かの処置をしたとすると、その処置の点数が外来管理加算より低い事も多いのだ。だから、医師側にすればわざわざ手をかけて処置をしたのに点数が低く、患者側からすれば、何もして貰ってない場合に点数(=支払い)が高くなると言う矛盾を含んでいるのである。まあ、その矛盾はおいておいて。この曖昧な点数に目を付けて、これをカットしようとしたのが今度の改訂である。表向きは、懇切丁寧な医療を提供する為と言う事になっているが、現実にはこの加算が取れなくなる場合がかなりあるだろうと言うのを見越しての時間制限なのである。4月からは患者の診察室滞在時間が5分以上ないとこの加算が算定出来なくなった。カルテには、診察に要した時間を記録しないといけなくなった。診療の内容と言うのは単に時間で区切れるものなのか?短時間で無駄の無い診療をして多くの患者さんを診察するのも高度な医療ではないか。例えば・・1人5分の診察とすれば1時間に診察できるのは12人である。単純計算して診療時間が7時間なら84人まで、1日に100人も診察しているような医療機関には早速チェックが入るに違いない。薬だけの患者さんには請求できなくなる。ところで・・薬だけの患者さん・・と言うのは本当は居ないはずなのだ。建前は、診察せずに投薬すると言うのは医療行為違反なのである。しかし、現実は違うだろう。受付で薬だけと言って診察室に入ってこない患者さんは居る。医者に聞いても居るとは言わないだろう。まずいから。でも、患者さんに聞いてみたら良い。診察せずに薬だけ貰ったことがありますかと。(うちの診療所の話ではないと書いておこう)そんな患者は診療を断ればいいじゃんと思うかもしれないが、結局誰かがその患者さんを診療しないといけないでしょう。いつかはその患者さんをきちんと啓蒙しないといけないけど、実際入ってこない人になかなかその機会は無いのだろうと思う。国保や社保の人にやって欲しいとさえ思う。少し話がずれたが、そういう患者さんにも現実には外来管理加算は請求されている。そうでないと、医療費の高い人と安い人が出来て患者さんはみんな診察室へ入ってこなくなる。今後はどうなるか?そういう患者さんには当然請求出来なくなる。診察室へ入ってきた患者さんも、時計を睨みながら「先生、もうすぐ5分ですので失礼します」と言う人が出てこないとは限らない。医者の方も、何とか5分は診察室に居て貰うように綱引きが始まるだろう。単位時間に診療できる患者さんの数は減少し、待ち時間も増えるかも知れない。医者と患者が医療費の高い低いの為に時間を気にしながら診察する・・これは医療の崩壊とちゃうのか??医者と患者の信頼関係に根本から横やりを入れようとするものである。どう考えても、現場を知らないアホの官僚が、机上の計算ではじき出した物としか思えない。なんでこんな事が起こるのか?それは医療費の全体の枠が決まっていて、それがあまり増えてないからである。今度は近年まれにみるプラス改訂と言われているけれど、プラスになったのは救急や小児科、産科などだけであり、そのプラスになった分の財源をどっから引っ張ってくるかと言うところから考えだされたのが今回の5分戦術ではないかと思う。医療費が高いと言うが、たかだか30兆円、パチンコ産業のあがりと同程度である。先進国の中では最も低い部類だ。人間が長生きするようになり、医療が高度になっていくのだから医療費が増えるのは当然なのである。その国の医療費はその国の文化文明の発達の程度に比例するとも言われているぞ。それでも財政が苦しいと言うのなら、新型の戦闘機や軍艦を買うのを止めて、無駄な道路を造るのを止めれば幾らでも財源は出るのだ。個人的に言わせて貰えれば、こんなわかりにくい外来管理加算なんて必要ない。撤廃して貰って構わない。その分、再診料、初診料などの診察料に組み入れてそっちを上げて欲しい。いや、診察料と言う言い方自体が紛らわしいので、受診料と言う言葉に代えて欲しい。そしたら、診察してないのになんで診察料払わないとあかんの?と言う患者も居なくなるだろう。時間で料金を区切ろうなんて愚かな発想は止めろ。それはそもそも医療行為を商行為としてみなしてるじゃないか。診察していると、1分でも適切な医療を提供できたと思う場合もある。また30分以上話をして説明をしても徒労に終わったとどっと疲れる時もある。どっちも同じ点数と言うのは不思議な気がするが、現実には5分、10分、15分などと時間料金にすることはナンセンスなので、短いも長いもあるかも知れないけど料金は同じ、それを1日でトータルすれば何とかバランスが取れるだろうと言うのが現実の路線だ。さて、もうすぐ4月。皆さんはストップウオッチを片手に診察室へ入っていきますか?
2008.03.25
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この話もそろそろ終わりに近づいてきた。現在は処方箋に医師のオッケーのサインがあるものだけが後発薬への変更が可能だったのに対して、今度の保険改正?では、処方箋にダメの記載がないかぎり薬剤師の裁量で先発薬から後発薬への変更が可能になった。そして薬局では過去3ヶ月の実績で、処方箋枚数の30%(数字に自信なし)に後発品の使用がないと調剤の点数が下がる事になっている。このように飴とムチ、いや恫喝と経済制裁?によって厚労省は必死に後発薬(ジェネリック)の導入を増やそうとしている。もちろん、その目的は医療費の削減にあることは疑いない。私たち医療機関の側としても、無用な投薬や治療でいたずらに医療費を上昇させないよう努力するべきであるのは論を待たない。しかしである。医療費はそんなに高いのか?日本の1人当たりの医療費は先進国の中では最低と言われている。患者1人当たりの医師の数も非常に少ない。日本の医師は薄利多売で最高の医療を提供しているのである。乳児死亡が減り、人口の高齢化が進んでいる現在、医療費が増えるのは当たり前ではないか。どこかで書かれていたが、医療費と言うのはその過去の経済状態の指標になるらしい。医療費はもっと増えて良いのではないか?限られた医療費の中で、どうやりくりするかと言うことも議論されるべきだろうけど、予算の枠に占める医療費の割合をもっと増やすと言う議論をもっとするべきだと思う。鈴木先生が言っていたけど、日本の医療費はパチンコ産業の売り上げと同程度らしい。そんなんでいいのか?高性能の戦闘機や軍艦、無駄な道路やダムを造る予算をもっと回せば良いのではないか?更に増えている医療費の内訳を見ることも大事だろう。1ヶ月に1千万円を越えるような高度医療の患者さんがどんどん増えている。その中で、100円の薬を50円のものに変えるのにどれほどの効果が?もう一度おさらいしておこう。ジェネリックが作られるのは、特許の切れた、ある程度古い薬だけである。ジェネリックは先発薬と完全に同じ薬剤ではない。ジェネリック薬の存在は、薬局の経済や、限られたスペースを確実に圧迫する。少し話が飛ぶが、診察室で患者さんがドクターに、「先生この薬もうちょっと安い方にしてくれまへんか?」と言うのは健全な状態だろうか?医者と患者は、人間としてはもちろん対等であるけれど、医療医学の事に関してはもちろん対等では無いと私は思っている。この薬、もうちっと安いのにしてくれませんか?と言うのはお願いではあるけれど、これはもう完全な商行為である。スーパーで食材を買うときに、同じ物ならどこのスーパーで買ったら安いかと考えるのと同じ行為だ。医者と患者の間には、良い意味でのオカルト的なものが存在すると思う。無条件の信頼とでも言うべきか。先生がこの薬を処方してくれて、それを信じて飲んだら良くなるみたいな。そうでしょ。あの中身に何も入ってない単味の「点滴様」が、これをしたら一発で元気になった~と思わせるのもそのオカルト的要素の尤もたるものだと思う。医療がオカルトから商い行為に変化したとき、本来なら以前得られていた大切な何かが失われているのではないかと思う。そんなら、患者は医者が処方した薬を文句言わずありがたくヘイヘイと飲んでいたら良いのか?と質問されそうだが、ある意味そういう部分も必要なのではないかと思う。ジェネリック導入の目的は、患者に質の良い医療を提供すると言うような事ではない。100%経済的な目的である。私は自分が病気になっても、ジェネリックを使って貰おうとは思わない。先発品がジェネリックに勝ると言う完璧な根拠は無いが、コピーは原本を越えられないと言う直感はある。費用は増えるかも知れないが、体の健康の事だもの。そのぐらいは良いかと思う。それでも経済的な事を言うのなら私の意見はこうだ。先発品は特許の切れる時には自動的に思いっきり薬価を下げれば良いのだ。発売後10年と言うぐらいにしても良い。先発品とジェネリックを同じ値段にしてしまえばジェネリックの存在意義自体が無くなるよね。もちろん、医療費の中の薬剤が占める費用は減るだろう。先発品はそれまでに十分元を取っている。日本の製薬会社はどこも黒字で潤っている。(だから、税金対策に粗品や豪華なノベルティなどを作って無駄な経費を使っているのだ)先発薬の中には外国と比べても、同じ薬なのに明らかに薬価の高い物もある。そうやって日本の製薬会社は守られている。厚労省から業界への天下りを禁止して、もっと厳しくいかなあかんのとちゃう?と思ってしまうのだ。
2008.03.05
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ウイークデーに戻ってきたのでまた難しい話を。ジェネリック医薬品の話。ながながと今回はその6回目となる。先日気がついたけど、僕が書いてきたようなことってwikipediaを見たら全部書いてあるんだよな。ちょっとショックだったけど、まあ現場の声と言うことでもう少し続けよう。前回は薬価差益と言うお話をした。医療機関はいくらお薬を出しても、薬価で仕入れて(おまけに消費税!)薬価で患者さんに渡すので薬による実入りはない。薬に関しては処方料、処方箋料だけが収入なのである。と、言いたいけど実際はそれではやっていけないから、如何に薬を安く仕入れるかと言うのがポイントとなる。この仕入れ値と薬価の差が薬価差益で差益の多い薬を大量に処方することにより医者が薬で儲けると言う図が生じてくるのである。で、薬価100円の先発薬の値引きは精々頑張って20%程度である・・としておこう。ところがこの後発品(ジェネリック)の薬価は50円だとする(実際に半分ぐらいの事が多い)。そのジェネリックの値引きは先発品よりも大きいのが普通である。薬価の安い薬をそんなに値引いて大丈夫かと思うけど、それでもやっていけるぐらい薬の製造費なんて安いのだろう(それを考えると先発品の利益は膨大なものになる)。100円の後発品の値引きが50%とするとその薬価差益は25円である。先発品の値引きが20%なら20円でなんだ、5円しか違わないのである。でも実際に、20%の値引きと言うのは近年あまり無い。それに差益が同じでも実際に卸さんに支払うお金は、先発品が80円。後発品が25円である。同じ薬を1000錠仕入れた場合に先発品は80000円、後発品は25000円である。仕入れた薬は全部はけるとは限らない。不良在庫になる可能性は大いにあるのである。だから差益が同じでも、薬価の安い薬を仕入れた方が支出は少なくなるのである。では、話を戻すが僕が医者になった頃、ゾロ(ジェネリック)を使うのは内科医の恥だと教えられた。それは何故か?ゾロのように品質に疑問が付く薬を使うと言う事や、儲けや経営の事ばかり考えている事を良しとしないと言うことだったのだろうと思う。僕が開業したころ、丁度「慢性疾患外来管理料」と言うのが新設された。いや、ひょっとしたら名前は違ってるかも知れない。今はもうなくなってるので確かめられないけど、中身はこうである。高血圧や胃潰瘍、糖尿病などの慢性疾患を包括にするのである。包括とは所謂「まるめ」。つまり、これらの病気の診察に関しては、1ヶ月にこれだけの点数をあげるからそれで医者は勝手にやってねと言う点数だ。どんな診療をしても点数は同じだから、色々検査をしたり高い薬を使う医者ほど赤字になるのは想像が付くだろう。この点数を算定する医者は、患者さんに検査をせず、薬をあまり出さず、出しても安い薬を使うほど黒字になるわけだ。もちろん、これは厚労省が医療費の削減を目指して導入した制度である。確かにこの制度は確かに医療費を削減はするだろうけども、一方では医療の質の低下を招くと言う危険もはらんでいるはずである。この制度が出来てから、積極的に後発品を導入する医療機関が出来た事は確かである。だから・・。今はちょっとおいといて・・。少し前まで積極的に後発品を導入していた医療機関は、決して患者さんの懐や国の医療費の高騰を気にかけていたのではなく、自分のところの経営を気にかけていたのである。分かりやすく言えば、経営の苦しいところ、もっと儲けようと思ったところほど積極的に導入していたのである。で、この時と同じ事が4月から起ころうとしている。75歳以上の後期高齢者の医療に包括性を導入されることが決まっている。年寄りにはあまり検査もせず、安い薬をだしなさいと厚労省は言っているのである。
2008.03.03
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昨日はみぞれ混じりの雨で寒かったのに、今日は午後から急に気温が上がってポカポカ陽気だった。人間の体っちゅ~のは正直で、こういう変化に付いていけない人は多く、回転性目眩→嘔吐の患者さんが3人もいた。1日空いたが、更にジェネリックに関しての日記を書こうと思う。今回は金銭的な事を書こうと思うが、その前にまずお薬の値段について。お薬の値段と言うのは、その認可に際して厚労省が決定する。大抵は同効薬に準じてよく似た薬価が付けられる事が多い。新しい作用機序だとか、新しい投与経路などがあると付加価値としての点数が加えられる。メーカーとしては高い薬価が付いて欲しい反面、あまり高くなると使用を見合わせるドクターも出てくるので微妙なところだと思う。ところで、ある薬の薬価が200円だとする(1錠200円と言うのは結構お高い範囲に属するが、まあそのあたりはおいといて)。患者さんはその薬に対して200円を支払うわけだが、医者は幾らで仕入れるか?これが何と額面200円なのである。いや、患者さんからは算定できない消費税を卸には支払わないといけないので200×1.05=210円を支払って卸さんから買うのである。不思議でしょ。スーパーで200円のリンゴが売られているとすると、そのリンゴの仕入れ値は恐らく100円以下でしょう。でも、その理屈で行くと210円のりんごを仕入れている事になる。そうなるとさすがに売る度に赤字になるので、卸さんは最初から5%割り引いて200×0.95=190円で納入してくれる。そそうすると190円×1.05=199円の支払いと言うことになる。普通の商売だと、問屋から仕入れたものに上乗せして値段を付けて売るわけになると思うが、薬と言うのはこんな風に流れて行くのである。医者は薬を出しても右から左へとお金が流れていくだけである。いや、正確に言うとそうではない。院内処方なら薬は在庫で大量にそろえておかないといけないし、いくらなんでもそれじゃああんまりだと言うので、問屋さんから少しでも安く買おうとする。200円の薬が2割引の160円で買えるとすれば、その差額の40円が懐に入るわけで、ごれが俗に言う薬価差益である。昔はこの値引きと言うのが結構あって、薬価差益で病院が潤う時代もあったらしい。しかし今は厳しく、20%引きなんて薬には滅多にお目にかかれない。(しかし、メーカーのキャンペーンなどではそれぐらいになるので、それぐらいでもメーカーは十分に潤うのだと思う)。5%しか引いてくれていない薬だって沢山ある。昔のように薬価差益なんぞ望むべくもないのが実情である。医者に差益が無いのと同様、卸も厳しい。それは卸がどんどん合併吸収を繰り返している事からもうかがい知ることが出来る。本当に薄利多売の世界らしい。薬価200円の薬を医者は190円で卸から買う(消費税は面倒なのでとりあえず省略)。卸はその190円の薬をメーカーから仕入れる訳だが、ここから後は想像になるけれど、その仕入れ値は180円ぐらいではないか?薄利多売だから。で、メーカーが薬を作る原価は??この辺りはもう想像が付かないが、日本の製薬メーカーはどこも好景気なところを見れば、本当にその原価は安いのだろうと思う。かくしてメーカーの一人勝ちだろうと思う。ところで、患者さんは200円の薬を買うときに支払うお金は200円の3割だろうか?単純に考えるとそうだけど、実際はそうではない。患者さんが受診してお薬を処方される際には、診察料(受診料)+処方料+薬剤費となりその3割を支払うわけだ。だから、医者の取り分としては診察料、処方料(院外処方の場合は処方箋料)があり、これがあるから薬価差益が殆ど無くても何とかやっていけるのである。どうです?医療費の特殊性がご理解いただけただろうか?で、ここでやっとジェネリックの登場となるわけだけど、疲れたので続きはまた次回。
2008.02.28
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携帯の電池がすぐに無くなるようになった。ドコモへ行くと、2年経ってるので無料で電池パックをくれるらしいけど、ムーバだしどうせならと思って機種変更しました。って、全然そういうの詳しくないんだけど、電話とスケジュール管理(爆)ぐらいしか使わないし、あとはカメラがしっかりしてれば良いなあと言う具合。じゃあ704なら1000円で買い換えれますと言うことだったけど、丁度置いてある機種が1つだけでイマイチだったので(文字盤の字が薄くて読みにくい)やめて、904にしました。ワンセグ持ってもしかないんだけどなあ。そう言えば、904ってあまり人気が無くて、未だに704の方が売れていると先日ネットのニュースで見たような気がする。50歳になれば、らくらくホンにしようかなとマジに考えていたりして。では、どっと次に行こう。昨日までの復習。1 新薬の開発には莫大な予算がかかるが、一旦ラインが出来てしまえば安い経費で大量生産できるようになる。2 新薬は特許でがんじがらめになっていて、他の会社が同じ物を作れるようになるには10年前後かかる。3 したがって、全ての先発薬にジェネリックが存在する訳ではない。ある程度古くなった薬剤だけである。4 メーカーはジェネリック対策として、徐放性剤やOD錠を作って対抗している。では、今日の本題。先発薬と、それを模倣して生産されたジェネリック薬は待ったく同じものか??答えは否である。ジェネリックの精度は、薬剤の溶出試験などによってチェックされている。一応、この溶出曲線が同じだと思われるならば、その2つは同じ薬だと認定されているのである。ところで、薬と言うのはその全てが薬効成分ではない。錠剤にしても、カプセルにしても粉薬にしても、本命の薬剤の部分と、その合間のつなぎの部分から成り立っているのだ。そのつなぎの部分に対しては何の取り決めも無かったと思う。つなぎなんて、何でも良いじゃないかと思われるかも知れないが、効果はとにかく副作用に関してはこのつなぎの部分は大きく関与している。例えば子供に打つワクチン(麻疹、風疹などを)を考えてみよう。あのワクチンに含まれているゼラチンや保存剤のチメロサールが問題になったのを覚えて居る人も居るんじゃないかと思う。飲み薬もしかり。同じよう薬効成分があるからと言って全く同じものではないし、その「つなぎ」の部分のせいで重篤な副作用が出現する可能性だってあるのである。ところが、外国の(と、言うか西欧の)ジェネリックは日本と違って、つなぎの部分まで全部同じじゃないとあかんとされているらしい。本来ジェネリックとはそうあるべきものだと思う。薬の味と言うのがある。例えば、マーズレンSと言う粉薬がある。これは一昔前によく使用された胃薬である。ちょっと薄青い色の。もともとは口腔内のうがい薬として使われていたアズレンから作られた?もので、胃のドイツ語「マーゲン」の頭文字をアズレンの前に入れて、マーズレンとなったのだと思う。清涼感のある爽やかな味の飲み薬であるけれど、このジェネリック品を以前服用した事があったけれど、毒々しい青色をして味もまずく全然違う薬だと思った。粉薬や水薬は味がよくわかるし、錠剤やカプセルはその違いはあまりわからないと思うけど、少なくとも、先発品と後発品が全く同じ物ではないと言うのが分かっていただけたかと思う。今夜はこれまで~。
2008.02.22
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今日は何故か朝から胃が痛くて、そのくせ食べるのだけはしっかり食べられるのが悔しくて・・。やっぱり胃の検査ももう10年してないからなあ、経鼻内視鏡が最近の流行だから一度体験して来ようかなんて思ったりしていた。昨日の怒りの持続で今日は前から書きたかった事を書こうと思う。やはり診療報酬改正の話である。今回だけでなく、以前よりずっと厚労省が推進している事に、ジェネリック医薬品の導入を増やそうと言うのがある。目的は年々肥大する医療費を削減するためである。増大する医療費の多くを薬剤費が占めているからである。これは一見正論のようだが、ここには嘘がある。いや、嘘があると言うと言い過ぎかも知れないが、少なくともこれだけが真実ではない。この問題を一気に書くのはとても無理なので、少しずつ区切って書いていこうと思う。まず最初、薬はどのようにして世の中に出てくるか?である。ある薬がある病気に効くと言うのが見つかるのは、理論的に導き出されることもあるが、偶然による事も大きい。大手の製薬会社の開発部門では、数年単位、10数年単位のプロジェクトで試行錯誤をしながら新しい薬を開発している。海の物とも山の物ともつかない物質から新しい薬を作っていくのは途方も無い苦労と労力を必要とするのには想像に難くない。もちろん、それにかかる費用だって莫大な物である。さて、ある程度薬としての形が出来て、動物実験では効果と副作用がある程度確認されて、何かいけそうだぞ?と言うことになると、それを人間に投与して確かめる事になるのだが、その試験は3つの段階を踏むことになる。僕は勤務医の間、抗ガン剤の治験に関わることが多かったので、そのあたりを参考に書いてみるが他の薬剤でも概ね同じと考えていただいて良いと思う。まず第1相試験であるが、これは効果を見ると言うよりも副作用を見てその薬物の至適投与量を決める試験である。恐らく絶対に安全だろうと言う低容量から薬剤を投与していき、安全が確認できれば少しずつ投与量を増やしていく。そしてこれ以上投与したら副作用が強く出て使えないと言うところが至適投与量と言うことになる。この1相試験の対象になるのは、今までに標準的な治療法が為されて、他に今は有効な治療法の無い進行癌の患者さんである。まあ早い話が人体実験だけど、新薬の開発にはどうしても必要だし他に治療法が無いと言うことだから倫理的にも許されるのだろうと思う。もちろん、試験が始まっていきなり死人が出ては試験がストップするので、最初に設定された投与量は動物実験などから絶対に安全と言う量になっている。逆に言えばそれはまず効かないだろうと言う量である。そんな風に数人の患者さんで試してオッケーなら投与量を増やしていく。さて、至適投与量が決まったところで、次に第2相試験にうつる。これは至適投与量を投与して効果を見る試験である。ある程度手応えがあるぞというのが分かっているので、これに参加する患者さんはやはり適切な治療のない患者さんであるが、試験に参加する総数は1相試験よりもずっと多くなる。抗ガン剤で言えば100人前後というところか?(1相試験は数十人、十数人と言うレベルである)。この試験で、この抗ガン剤はどのくらい効果がありそうかと言うのがはっきりと分かるのである。2相試験で明らかに効果があるとされた薬はほぼ数年後には新薬となる事が予想される。そして、いよいよ3相試験となる。この3相では、単独投与以外に、他の抗ガン剤との相性(抗ガン剤の場合、多剤併用療法が基本なので)が試される。これによって、実際に臨床での使い方と言うのが研究されるのである。ここに登楼される患者さんは2相試験よりも更に多い。(このあたりちょっと記憶が不確かだが、前治療の無い患者さんが主体ではなかったろうか?)と、まあこんな風な過程を経て新薬は世の中に出てくるのである。で、この治験にももちろん莫大なお金がかかる。まず試験の世話人と言うのが選ばれる。これはその道の大家であったり、どっかの有名大学の名誉教授だったりすることが多い。この世話人のもと、第1相試験では主にその病気を専門に扱っているような病院から厳選して担当医が選ばれる。大抵は何とかがんセンターとか何とか大学の事が多い。そういう人たちが集まって、まず試験前に打ち合わせの会をやるのである。場所はもちろん帝国ホテル。行き帰りの飛行機代、帝国ホテルの宿泊代、そして会合の後の会食ももちろん製薬会社持ち、その上に御講師料までいただける。(5万円ぐらいの事が多い)。僕の例で行けば、東京までの往復の飛行機代が約5万円、帝国ホテルの宿泊代が4万円(推定?)講師料が5万円(もちろん、確定申告はするよ)、そして飲み食いに1万円というところか?合計15万円。それが全国で30人居るとしたら450万円である。その会合は、試験の前だけでなく試験の結果報告の時も行われるから×2で900万円。で、2相試験の時には参加するドクターの人数も増えている。80人として、試験の前と後で80×15×2=2400万円。3相試験になると更に増えるので、120×15×2=3600万円。試験によっては、途中で経過報告の会なんぞ開催される時もある。もちろん、世話人の先生には僕らの御講師料とは比べものにならないぐらいのお金が渡ってるだろう。場合によっては、医者が1人で上京せずに担当のMRさんが一緒にお連れすることもあるので彼らの飛行機代や宿泊代(もちろん帝国ホテルではないだろうけど)もかかる。この薬の効果を海外の学会で発表しましょうなんてことになると、もちろんその旅費なども全部製薬会社持ちだ。こんなのにもお金がかかってくる。これは抗ガン剤だけど、高血圧や高脂血症の薬や抗生物質の臨床試験ではもっと大きな人数の試験になるのだろうと思う(1人当たりの講師料はもっと安いかも知れないが)。どうです?薬の試験だけでもこんなにお金がかかるんです。でも、実際に試験よりやはり開発にかかるお金の方が断然多いのだろうと思う。こんな風に大量の投資をして薬と言うのは世の中に出てくるのである。今夜のまとめ。新薬が出てくるまでには想像もつかないぐらいの年月と苦労、そしてお金がかかっている。この続きはまた今度。
2008.02.18
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