吉野水分神社・如意輪寺


奥千本から上千本までは山を下るだけなので、ゆっくり歩いて降りることにしました。
やく5キロの道のりです。

途中、高城山という大変見晴らしの良いところがあります。
吉野の素晴らしい風景の写真はたいていこの辺りから撮られているとのことです。
では、わたしもこの辺りの神々しい風景を一枚パチリ。
古代の人が本当に神様が住むと思ったのもうなずける神々しくすばらしい景色です。

吉野景色

道端には綺麗な百合の花や紫陽花などその他の名も知らない可愛い花がいっぱい咲いています。
ぜんまいもいっぱいありました。

同行のご夫婦の奥様は今日の晩御飯にとぜんまいを一生懸命とっていらっしゃいました。
ご主人様は奥様が崖から落ちないか何度も気にされていながらも、奥様が喜ぶ様子が見たいのか一緒にぜんまいを探してあげている姿がとっても微笑ましいのでした。

バスの運転手さんが登りはくねくね道だけど下りはバス道とちがって半分の距離で眺めも良いし楽ですよと、おっしゃっておられたけれども5キロ結構な距離です。
遠くで雷が鳴っています。
雨が降り始めてきました。
ちょっと、雨宿りをすることにしました。

義経の家来の佐藤忠信の首塚が近くにあります。
この辺りは昔多くの武将が尊い命を失った場所なのかもしれません。
思わずそっと手を合わせていました。

さて、雨もやみ少し涼しくなったようです。
出発です。
どんどん歩いていくと、そろそろ上千本のあたりです。
若い男の人が一人、一生懸命登っています。
「頑張ってね。」と挨拶しました。
ついに見えてきました、吉野水分神社(よしのみくまりじんじゃ)です。

吉野水分神社

吉野水分神社も世界遺産です。
水の神を祭ってあるそうです。
「みくまり」が「みこもり」に通じ、子宝、安産の神様として親しまれているのだそうです。
一間社春日(いっけんしゃかすが)造りの左右に三間社流れ造りが並び、華麗な本堂です。
宇治の平等院鳳凰堂を思わせるような、大変荘厳で見事なつくりです。
庭には豪華で美しい百合が何種類か咲いていました。
そういえば、登りのバスで一緒だった二人ずれの女性もいました。
「また、会いましたね。」と挨拶です。

さて、上千本くらいからは分かれ道がたくさんあります。
ちゃんと地図を見ながら行かないと全然違う道へ行ってしまいそうです。

少し下ると茶店がありました。
私たちはそこで休憩をすることにしました。
作りたての葛を頂くことにしました。
葛もちは柔らかいのにもちもちしていて本当に美味しい。
サービスで出していただいた自家製のシソジュースがとっても元気が出るようです。

店の外では、雷がゴロゴロいっています。
雨も本降りになってきました。
丁度良い時に、休憩が出来本当によかった。
ふとみれば、さっき山道ですれちがった若い男の人がいました。
雨が上がるまで、ちょっとおしゃべりタイムです。
その人は埼玉から来ているのだそうです。
今年就職が決まったばかりで夏休みを利用して関西の友達何人かを訪ねがてら奈良や京都をを一人出回っているのだそうです。
旅は道ずれ世は情け、吉野ではすれ違うと直ぐに友達になってします。
そんな、親切な雰囲気で満ちています。

雨も上がり、出発です。
さて、ここからは如意輪寺を目指します。
地図ではちょっと分かりにくいので時々、人に聞きながら探します。
ここまででも5キロ歩いているので、ちょっと疲れていましたが、さっきの休憩で元気が出てきました。

道は更に下りが続きます。
少しづつ街中へ入ってきたのですが、如意輪寺は吉野の街中から今度は東へずれていきます。
またまた山道、日暮が忙しそうに鳴いています。
草花も少しづつ種類が変ってきます。
桔梗が綺麗に咲いています。

さて、何キロ歩いたでしょうか、ついについに着きました。
奥様念願の如意輪寺です。
私もちゃんと案内できたのでほっとしました。
日本最大の石のお不動さんです。
難切り不動といって、厄難を切ってくれるのだそうです。
事故から救って下さるそうです。
ご夫婦は持ってきたろうそくに火をつけてお線香をあげていました。
私も横でそっとお祈りしました。

如意輪寺は後醍醐天皇の信仰が厚く、裏には後醍醐天皇の御陵があります。
宝物殿には、蔵王権現像や楠木正行(くすのきまさつら)が歌を刻んだ扉も修められていました。

この辺りは春の季節しかバスがないので歩くしかありません。
ここへたどり着くのも本当に頑張って歩いたのでした。
しかし、ここからさらに歩くのです。
ケーブルに戻るには随分登りで歩かなければならないので近鉄吉野駅まで下りで歩くことにしました。

40分ほど山道を下り、吉野駅に着きました。
今日は本当によく歩きました。
とても気持ちのいい汗をかくことが出来ました。
お土産物やさんでちょっとお土産を買い電車の時間待ちです。

吉野駅前

ご夫婦にはちゃんとご挨拶をしてお別れしました。
名前も知らず、もう二度と会うことはないでしょう。
しかし、旅は見ず知らずの人ともちょっとした縁をつなげてくれます。
思わぬことからいい旅をすることが出来ました。

天武天皇、持統天皇、後醍醐天皇が愛してやまなかった吉野。
私も吉野の魅力に取り付かれた一日でした。













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