「007 スペクター」21世紀のボンドにスペクター
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辛国神社
御祭神は、饒速日命 天児屋根命 素盞鳴命 品陀別命 市杵島姫命 です。
本殿の横で、神主さんから『辛國神社縁起』を頂きました。
そこには、ご祭神・ご由緒・御神徳などが書かれてありました。
ご由緒
辛国神社は今から千五百年程前、雄略天皇の御代に創設された神社です。
平安時代には官社となり、式内社として人々の尊信を集めてきました。
日本書紀には、『雄略十三年春三月、餌香長野邑を物部大連に賜う』とありますが、、餌香長野邑は、旧藤井寺町のあたりと思われます。
この地方を治めることになった物部氏は、その祖神を祀って神社をつくり、その後、辛國氏が祭祀をつとめ、辛國神社と称するようになったのだそうです。
三代実録には、清和天皇『貞観九年二月二十六日河内国志紀郡辛國神社を官社に預る』とあります。
河内国志紀郡辛國神社というところに、目がとまりました。
志紀というのは、今のJR八尾の隣の志紀駅の辺りをいいます。
八尾は物部氏の本拠地なので、当時は藤井寺近辺よりも八尾の志紀のあたりに御縁があったのかも知れませんね。
鳥居をくぐると本殿がありました。
落ち着いたとても気持ちのいい凛とした空気に包まれています。
「わ~、ここ私大好き。」と大きな声で叫んでしまいそうでした。
ご祭神のお話をしますね。
【饒速日命・ニギハヤヒノミコト】
彼は、瓊々杵尊の御兄です。
物部氏の祖神でもあります。
天孫降臨に先立ち、天祖より天璽宝の瑞宝十種をさずかり、大和建国の任務をうけて河内国哮ヶ峰に天降りになったのだそうです。
物部氏とくれば、八尾、藤井寺になにか繋がりを感じますね。
故に古来より病気平癒、厄除、呆け除の守護神として広く信仰されているようです。
【天児屋根命 アメノコヤネノミコト】
藤原氏の祖神です。
天照大御神が天岩屋戸に隠れ給うた時、岩戸の前で美声をあげて祝詞を奏上した神で、後天孫降臨に随って日向国に降った五部神の一人です。
その子孫は代々朝廷の祭祀を司いました。
国土安泰、産業(農工商)繁栄、家内安全、災難除け、出世開運、合格祈願をする者も多いのだそうです。
境内には藤棚が、二か所ありました。
藤原氏ゆかりの藤ですね。
【素盞鳴命 スサノオノミコト】
天照大神の弟神です。
素盞鳴命は気性の激しい直情径行の御性格のため、御姉君・天照大神の勘気をこうむり、高天原から地上に追放された。
そこで命は己の犯した罪を深く反省し、困難に耐えて出雲の国にたどり着き、勇猛心を善用して『八岐の大蛇を退治した』という神話は、実にわが日本民族の理想を示しています。
素盞鳴命が自ら句なんの道を歩み幸福の地を開拓されたという御神徳を仰ぎ、古来より縁結び、厄除け、開運の守護神としての信仰が篤いのだそうです。
【品陀別命 ホンダワケノミコト】
第十五代・応神天皇第のことです。
治山治水につとめられ、又学問に極めて御熱心であったのだそうです。
この御代に百済、新羅、中国のいわゆる辛国から文字をはじめ、各種の大陸文化がわが国に伝来しました。
辛國というのは、唐国、つまり中国もしくは、朝鮮半島などの外国という意味ではないでしょうか。
辛國神社と言っても、辛国氏という氏族がいたわけではなく、唐の人や韓の国の人が作った神社だったわけではないと神主さんはおっしゃっておおられました。
ただ、唐国の人からの文化の影響を受けたことは確かだったと思います。
当時は、唐国は先進文化・技術をもたらしてくれる進んだ国というイメージがあったのではないでしょうか。
この辺りには、応神天皇陵、雄略天皇陵、仲哀天皇陵、など御陵がたくさんあります。
地名も、土師の里など渡来系の、土師氏と関係が深かったことも分かります。
応神天皇の母君は神功皇后です。
古来より学問の神、安産の神としての信仰が篤いようです。
堺市の中百舌鳥古墳群の仁徳天皇陵は有名ですが、藤井寺の数多くの天皇陵も歴史の宝庫としては引けを取らないのではと思ったりもしています。
【市杵島姫命 イチキシマヒメノミコト】
素盞鳴命の子。
というか、記紀では、天照大神と素盞鳴尊が闘って、天照大神が忍穂耳命を初め五男神を、素盞鳴尊が市杵島姫を含む三女神を生んだことになっていて、市杵島姫命はその三女神(三美神)のうちの一人です。
美人のほまれ高く、弁天様に見たてられている。
天孫降臨に際し、『よく養育せよ』との御神勅を奉じて天孫瓊々杵尊を立派に成育せしめられたと書かれています。
そうなのですか、孫瓊々杵尊を成育したのは市杵島姫命だったのですか。
その御神徳により子供の守護神と仰がれている。とあります。
末社は春日稲荷神社です。
藤原氏との御縁で春日ということなのでしょうか。
私が面白いなと思ったのは、ご祭神に物部氏のご先祖さまと、藤原氏のご先祖様がいらっしゃるということです。
物部氏は蘇我・物部の神仏戦争で衰退したということになっていますが、やっぱり一番は物部氏が天皇家との婚姻が出来なかったからという理由が強いのではないでしょうか。
天皇家とは家来筋にあたるので、婚姻は出来なかったのですよね。
それに引き替え、蘇我氏は家来筋ではなかったのでスムーズに婚姻が成立したのでしたね。
となると、藤原氏はどうでしょう。
本来、物部氏のことを考えると当然、婚姻は無理なのでしょうね。
ところが、その“ムリ”を“アリ”に変えちゃった人たちがいたのですよね。
聖武天皇の皇后、光明皇后です。
すごいですね、その後ず~っと藤原氏が外戚として受け継がれていくのですから。
まさに、藤の木を思わせる凄さですよね。
そう思うと、物部氏のはちょっと気の毒な気がします。
それは、私が結婚した時に八尾に住んでいたからなのでしょうか。
辛國神社は色々なことを考えさせてくれる神社です。
来るまでは、そんなに期待していなかったのですが、来てみて結構気に入ってしまいました。
良い神社です。
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