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カテゴリ: 映画
とても一言では語る事が難しい作品で、

良きに、悪きに、観た後重い気分になるので…。

先日「ミリオンダラー・ベイビー」のオスカー受賞で、
この作品「ボーイズ・ドント・クライ」で主役を演じたヒラリー・スワンクの
海外でのインタビューを観て、改めて再チャレンジしてみる気になった。
母親と二人で、女優を夢みて映画の街へ移り住み、
「ビバリーヒルズ青春白書」でデビューし、この作品に出演してからの波瀾万丈の人生。
個性的なルックスで笑顔で語るヒラリーを観ていると力強さを感じた。

ボーイズ・ドント・クライ ◆20%OFF!


公開当時はまだ聞き慣れなかった“性同一性障害”の主人公の
悲しい運命を描いた、1999年アメリカの作品。
監督は女流監督キンバリー・ピアーズ。これが彼女の初の劇場用長編映画。
主演のヒラリー・スワンクは第72回アカデミー賞やゴールデン・グローブ賞など
最優秀主演女優賞を受賞した。

1993年、ネブラスカ州リンカーン。
20歳になるブランドン・ティーナ(ヒラリー・スワンク)は、
従兄でゲイのロニー(マット・マクグラス)に手伝ってもらい、
完璧な男に見える格好をして、スケートホールへ向かう。
彼女はいわゆる同性愛者ではなく“性同一性障害”であった。

ロニーの警告をふりきって、恋する女の子とラブラブに…

落ち込みバーで飲んでいたブランドンは、
そこでヤケ酒を飲む女の子キャンディス(アリシア・ゴランソン)、
一見気のいいマッチョな男ジョン(ピーター・サースガード)、
彼の刑務所仲間(ブレンダン・セクストン3世)らと知り合い、
「パーティをしよう」と彼らの地元フォールズタウンへ向かう事に…。

一目惚れしてしまう。

ラナの家庭は、ラナの母親(ジャネッタ・アーネット)と、
その愛人で元詐欺師のジョン、そしてラナの3人で暮らしていた。
ブランドンは未婚の母キャンディスの家に居候して積極的にラナにアプローチ。
ラナも不思議な魅力のある優しいブランドンに、どんどん惹かれてゆく。
二人がついに愛するようになった時、とある交通事故が発端で、
ブランドンがついていた嘘と、隠していた秘密がバレてしまった!!!
これが悲劇の幕開けになる。

女性としてでは無く、男性として女性を愛したい。
“性同一性障害”の女性ブランドンはそれが最も自然に感じ、望む事なのだ。
男として、人間として、ブランドンを愛したラナ。
ブランドンのカミング・アウト後もラナは言う。
「あなたにも同じように感じでもらいたい。どうやって愛し合えばよいの?」
医者に通いこの“性同一性障害”を知り、お金さえあれば男性に性転換したかった、
男性になりたくてたまらなかったブランドン。
その憧れた男性によって、あまりにも酷い仕打ちを受ける事になるのだ。

アメリカの排他的な田舎町。
従兄のロニーはブランドンに“フォールズ・シティの連中はオカマを殺す”と警告していた。
それでも、本能に忠実に生きようとしたブランドン。
彼?のついた嘘を信じてよそ者を受け入れていた優しい人々に真実が暴露された時、
他所者、嘘つき、異端者のブランドンは化け物として扱われたのだ。
特に男性達は女と解った途端に態度を急変。実に身勝手で劣悪な行動に出た。
対する女性達、特に若いラナとキャンディスは戸惑いながらもブランドンを守ろうとする。
ラナの母親は一度信頼したからこそ、娘を守る事だけにブランドンを嫌悪したのだろうか。

ブランドンの素直すぎる行動は、手放しに誉める行動であったとは思えないし、
あまりにも不用心で、時期早々だったのかもしれない。
しかも、都会ではなくアメリカの閉鎖的な田舎町であった事も非運だった。
ただ、この事件により“性同一性障害”が世に知れ渡る事になったのも事実。
以後、この問題はマスコミでも大きく取り上げられ、
現在日本でも“性同一性障害”は広く認知されている。
“自分の持って生まれた性に違和感がある”
“異性に恋愛感情を抱けない”
“異性として同性を愛し、愛されたい”
そう思っている人は意外と少ない数では無いと思う。
ブランドンの無謀な行動は同じ思いに悩む人々に“自然に生きる道”を与え、
彼等を排除してきた社会に、その命をもって一石を投じたのだ。
とはいえ実際は、諸問題も多いそうだが…。

人は男性・女性、両方のホルモンを持っている。
近親者での“性同一性障害”が起こる可能性は勿論誰にでも有るわけで、
もし、自分がブランドン、もしくはラナ、ラナの母親であったなら…。
それを考えながら観て欲しい。
もし身内であれば、勿論とまどうだろうが…。

ガール・ハント意外でも、とにかく笑顔を作りまくるブランドン。
途中流れる、ザ・キュアーの「ボーイズ・ドント・クライ」。
ブランドンは泣かないように頑張る。
男の子は泣いちゃだめだと暴行を受けボロボロの顔でも笑顔をつくる。
エンディングで流れる「ブルーエスト・アイズ・イン・テキサス」
恋するラナの歌った曲。
彼女に出会え、彼女に愛され、ブランドンは幸福だったと思いたい。


オフィシャル・サイト
http://www.foxsearchlight.com/boysdontcry/


もちろん「ブルーエスト・アイズ・イン・テキサス」も収録
サントラ / ボーイズ・ドント・クライ

爽やかなのはこの「ボーイズ・ドント・クライ」1曲のみ。
あとは暗くてドロドロなUKロック。そこが好き♪
ザ・キュアーのベスト盤
ザ・キュアー / グレイテスト・ヒッツ






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Last updated  2005/06/01 03:58:11 AM
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