手持ちの本を気の向くままに読み返しています。
先ほどまで、2冊を読んでました。
1冊目は中央公論社の「日本の近世 ~商人の活動」という本。
もう1冊は実務教育出版から出ている「 ディスカウンティング 」という本です。
自分の中で、妙に2冊の本がつながりました。
「日本の近世」の中では、江戸時代の商業活動の様子が仔細に解説されています。
そこで、描かれる商人とは、現代の小売業ではなく、卸問屋をさしています。
商品は産地から関西地区に集荷され、
そのあと全国へと流通しましたが、この経路を外れての売買には
しばしば制限がかけられていたようです。
たとえば、「日本の近世」には、こんな(油精製の)事例が書いてあります。
1766年(明和3年)、幕府は次のような法令を全国に触れた。
どの国においても、自作の原料を自家で絞り、
その油を大坂の出油屋どもに積み登すこと。
同じ村の中であっても、他家から原料を買って
絞り油稼ぎをしてはならない。
というもので、自家産の原料による絞り油は自家消費はともかく、
商品として売る場合はすべて大坂へ送らねばならず、
村内であっても原料を買ったり、絞った油を売ってはならないというのである。
商業活動の中では大きな位置を占めていたのです。
相手の意思が思い通りにならない意味で用いられる
「 そうは問屋が卸さない 」
とは、「問屋がこちらの希望する価格で卸してくれない」というのが、
原意のようです( Yahoo辞書
)。
価格交渉がなかったわけではないでしょうが、現代のように自由に売買価格が設定できる時代ではなかったようです。
さて、現在はその価格を自由に決められる時代になりました。
自由な値づけで販売できることのありがたさを
あらためて実感すべきところですが、そうならそうで、いくらで販売すべきかについて、
商人は責任を持つ必要があります。
そこで2冊目の「ディスカウント」の話になるのですが、ちょっと長くなりそうなので、続きは次回にしましょう。
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