趣味の漢詩と日本文学

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April 22, 2017
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カテゴリ: 学習・教育

第百十九段

【本文】

 むかし、女の、あだなる男の形見とて置きたるものどもを見て、

 形見こそ 今はあたなれ これなくは 忘るる時も あらましものを

【注】

〇あだなり=誠意がない。誠実さに欠ける。

〇形見=過去のこと、また別れた人や死んだ人を思い出す手がかりとなるもの。

〇あた=恨みの種。『平家物語』巻二・大納言死去「形見こそ今はあたなれ」。

〇あらまし=あるだろうに。あればいいのに。ラ変動詞「あり」の未然形に、反実仮想の助動詞「まし」がついたもの。

〇ものを=~のになあ。不満の気持ちを含んだ詠嘆を表わす終助詞。形式名詞「もの」に、間投助詞「を」がついてできたもの。

【訳】むかし、女が、誠意がない男が記念にといって置いていった品々を見て、次のような歌を作った。






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Last updated  April 22, 2017 06:53:57 PMコメント(0) | コメントを書く
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