趣味の漢詩と日本文学

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April 23, 2017
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カテゴリ: 学習・教育

第百十三段

【本文】

 むかし、男、やもめにてゐて、

 長からぬ 命のほどに 忘るるは いかに短かき 心なるらむ

【注】

〇やもめ=独身。古くは夫のいない妻を「やもめ」、妻のいない男を「やもを」と言ったが、のちには

〇命のほど=この世に命があるあいだ。一生。

〇いかに=どんなに。

〇らむ=~だろう。推量の助動詞。

〇短かし=『角川必携古語辞典』に「考えが足りない。」として、この段を用例に引くが、むしろ「心変りしやすい。飽きっぽい。」の意であろう。『源氏物語』《末摘花》「さりともと短き心はえ使はぬものを」。

【訳】

むかし、男が、ひとり身でいて、作った歌。

長くはない一生のうちに契りを結んだ私を忘れるのは、いったいどれほど移りやすい心なのだろう、あなたの心は。






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Last updated  April 23, 2017 05:17:08 PMコメント(0) | コメントを書く
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