趣味の漢詩と日本文学

趣味の漢詩と日本文学

May 20, 2017
XML
カテゴリ: 学習・教育

第九十一段

【本文】

 むかし、月日の行くをさへ嘆く男、弥生のつごもりがたに、

 をしめども 春のかぎりの 今日の日の 夕暮にさへ なりにけるかな

【注】

〇弥生のつごもり=陰暦三月三十日。三月尽(サンゲッシンとよむこと、『日本歌謡集成』の月報収載の山田俊雄氏の論考に引く江戸時代の和漢朗詠集版本による)。

〇をしむ=残念に思う。心残りに思う。

〇かぎり=一番最後。

【訳】

むかし、月日が流れるのをさえ嘆く男が、春三月の月末ごろに、

 過ぎ去るのを残念に思うけれども、春の一番最終日にあたる今日の夕暮にまでなってしまったなあ。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  May 20, 2017 03:58:49 PMコメント(0) | コメントを書く
[学習・教育] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: