CLUBまっちょ

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2009.05.15
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カテゴリ: ゲーム
2/28あたりに発売され、ちまちまと遊んでいた
『夜明け前より瑠璃色な -Moonlight Cradle-』だが、
CIMG2280.JPG

この度、遂に遊び終えました。


各ヒロインのその後のストーリーもそうだが、
やはりメインはニューヒロインである、
シンシア・マルグリットさんのシナリオ。
シンシア.jpg

このシナリオ、私は思うことがけっこうあったので、
軽くではあるが内容を解説していきたいと思う。
因みに、以下ネタバレを含むので、




主人公・朝霧達哉は、突然おかしな場所に迷い込む。
何もない円形の空間。そこにいたのは、
シンシア2.jpg
シンシア・マルグリットと名乗る女の子だった。

彼女はこの場所を空間跳躍技術に必要なターミナルだと云う。
空間跳躍技術…つまり瞬間移動を可能にする技術である。
過去には確かに存在し、今はもうない高度な科学技術である。
そしてここターミナルは世界と離れた場所にあり、時間の経過がない。
シンシアは、月と地球が戦争をしていた約700年前から
ターミナルで暮らし続けていると云う。
で、その空間跳躍技術を完全なものにするために、
“デバイス”というものが必要らしく、

シンシアは達哉に協力を仰ぎ、地球でのデバイス探しを始める。
その折、シンシアは云う。
シンシア3.jpg
『デバイスが手に入ったらすぐにターミナルに戻るから、
私のことを好きになっちゃダメ』と。
すぐに別れることになるからって、好きになっちゃいけないものなのか?


デバイスの在り処は程なく判明する。
シンシアの姉、フィアッカ・マルグリットが持っていたのだ。
フィアッカもまた、シンシアと同じように永い時を延命してきたのだ。
但し、シンシアとは違う方法、
自らの知識・記憶をデータ化し、他人に移植するという形で。

そんな二人が約700年ぶりの再会を喜び合うが、
それはそれぞれに課せられた使命と向き合うことと、
永い時を生き続けるうちに
忘れてしまった筈の人間らしさと向き合うことになる
短いようで長い7日間の始まりだった。

シンシアは、デバイスが手に入れば自分の使命の為にターミナルへ帰る。
ターミナルへ帰った後、いつになるか判らない技術の発展を待ち、
ターミナルが発見されるまでターミナルを管理し続けるという。
それはつまり、永遠を独りで生きることである。
達哉もフィアッカも、そんなシンシアを説得しようとするが
シンシアの意志は揺るがない。
それどころか、自分は数日中に消えることを明かす。
デバイス回収に期限を設けていたのだ。

フィアッカは、揺れていた。
フィアッカの現在の立場は、過去の高度な技術を管理する立場である。
シンシアの知識は、それこそ管理が必要な高度な技術であり、
実の妹を自分の組織内で管理することが、フィアッカの使命である。
シンシアが要求に応じない場合は、
無力化することも管理することの手段のひとつ。
高度な技術が過去の戦争を引き起こさないよう監視することが、
マルグリット姉妹の使命なのである。
フィアッカは苦しむ。
妹には自由に生きてほしい。
でもそうすると、自分が妹に手をかけなければならなくなる。
そして、遠い昔に約束した、
“自分たちが生み出した技術の監視”を放棄することになる。
空間跳躍技術等を生み出したマルグリット姉妹には
それを監視する責務がある。科学者は、生み出すだけではいけない。
自分が生み出したものがどう扱われていくのかを監視する責務が伴う。
フィアッカは決心する。責務を全うすることを。
期日までにターミナルへ戻らなかった場合は、手を掛ける―
フィアッカはシンシアにそう伝え、デバイスを渡すのだった。

達哉も苦しんだ。
どうして姉妹で仲良く暮らすことを選べないのか、
散り散りになった家族を繕ってきた達哉にとって、
家族は一緒にいることが当たり前なのだ。
達哉は説得を続けるが、シンシアの思いは変わらない。
それが理屈じゃないということに気付くと共に、
奇しくも本気で考えをぶつけ合うことで
互いを深く知ることになったシンシアと達哉の間には
特別な感情が芽生えていた。
目前に別れがあることを知っていても、
二人は惹かれ合ったのだった。

そして、シンシアがターミナルに戻る期日となった。
この頃になると、シンシアは危険な技術を持つ人間として
指名手配される一方で保護に走る勢力も現れ、事態は混乱する。
フィアッカには月から地球へ密航した疑いがかけられ、
追っ手から逃れながらもシンシアの観察を続ける。
達哉は、シンシアとフィアッカを追う月大使館の人間を騙し、
シンシアとフィアッカに最後の時を与える。
マルグリット姉妹は途中、使命を見失うこともあったが、
自らの使命を全うすることを選ぶ。
それが、マルグリット姉妹の家族の在り方だったのだ。
達哉は、泣くまいと必死だった。
好きな人と永い別れをしなければいけないことに対して。
崩れたのは達哉ではなく、気丈に振舞っていたフィアッカだった。
シンシアの名を叫び、顔を皺くちゃにして泣き出すが、
シンシア4.jpg

シンシアはターミナルへと戻っていった。
モニュメント.jpg

ターミナルへ着いたシンシアは、自沈プログラムという
空間跳躍技術と心中するプログラムを立ち上げようとする。
永遠を生きる苦しみをいつでも終わらせられる装置―
それが自沈プログラムである。
シンシアは、自沈プログラムを起動させるのに条件をつけた。
“空間跳躍技術に関する全てのものを巻き込む”という条件を。
その条件の為に、
空間跳躍技術のひとつである“デバイス”を探していたのだ。
自沈プログラムを立ち上げる折、
地球での達哉との思い出がフラッシュバックし、
遂に立ち上げることが出来なかった。
そして、ターミナルに入って10年後、
シンシアはしばしの間、眠りにつく。

エンディング。
達哉とシンシアが映っている、
omoideフォルダの動画の再生回数が…18253回。画像だと殆ど見えないけど。
エンドロール.jpg
永遠を生きる孤独に耐えられたのは、
きっとomoideフォルダ内の好きな人の映像のおかげでしょう。
眠りに入るまでの10年の間、再生し続けて18253回…
シンシアはどんな気持ちで独りターミナルで過ごしていたのだろう…

エピローグ。
それから500年が過ぎたある日、
永い眠りについていたシンシアをアラームが起こす。
通信である。
遂に、空間跳躍技術が完成され、ターミナルが発見されたのだ。
送信者はアサギリと名乗り、地球に忘れていった懐中時計を持っていた。
懐中時計.jpg
それを見たシンシアは、流れ出る涙を止められなかった―


…というお話でした。

内容としては、凄く良かったです。感動しました。
ただ、好みが別れる結末だとも思いました。
まず、ギャルゲなのに男女がくっついて終わらない。
結果、これってハッピーエンドなの?となる。
まぁその解釈は人それぞれだと思う。
私はいい話だったと思います。
最後の“アサギリ”は、達哉の子孫だろうか?
私としては、そうじゃない方がいいなぁと思う。
達哉には、シンシア一筋でいてほしい。
生涯シンシアだけを思い、空間跳躍技術を追い求め、
研究の果てに力尽きるような。そうなると達哉は救われないけど。
じゃあこの“アサギリ”は誰?となるが、
それは妹の麻衣の系統ということになるな。
いろいろ複雑になるけど、とにかく達哉にはシンシア一筋でいてほしい。
因みに、私の希望を叶えたショートエピソードを書いた人がいます。
『リプレイマシン:18254』というショートエピソードです。
感動しますマジで。詳しくは検索して探して下さい。


で、ところどころに量子論が含まれているから
ニヤニヤしながら楽しめた部分もあった。量子論はほんと深いな。
500年後のアサギリとの通信で何が明かされるのか知らないけど、
シンシアとフィアッカが使命から開放されて、
達哉とシンシアの思いが
500年の時を経て繋がるような結末の世界であってほしい。
そう、世界は可能性の数だけ存在するのだから。

通常、私のような一般市民が
シンシアやフィアッカのような使命を背負うことはないし、
そんな使命に運命を翻弄されるような友人・知人・恋人も
そうはいないと思う。
しかし、もしそういった人と出会い、行動を共にすることがあれば
まずは話を聞いてあげることが必要だと思う。
そして、自分が思うことを相手にしっかり伝えること。
これも凄く大切なことだと思う。
言葉にしなければ判らないことはたくさんある。
言葉にしてもらわなければ伝わらないこともたくさんある。
言葉にしてあげないと不安にさせてしまうこともある。
相手を思う余り、優しくしすぎるのはかえってよくない場合がある。
時として、衝突することも必要な場合がある。
そして、理不尽だと思っても、間違ってると思っても、
納得しなければならない場合もある。
それらは、人と付き合っていくこと、
特に、大切だと思う人にほど、大切なことである。

もちろん、自分の中にも譲れないことはある。
だからこそ、互いが納得できるまで話し合うことが必要だ。
納得という形が、必ずしも気持ちのいいものではないかも知れないけど。

※画像の権利はAUGUSTさんのものです。





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最終更新日  2009.08.14 08:53:28
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