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2004年06月13日
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カテゴリ: 民法
第2章の2 詐欺 を挙げました。
しかし、実は詐欺以外にも条文で定められている例があります。

今日はそのうちの一つ、「錯誤(さくご)」を取り上げます。
まずは条文を見てみましょう。

(錯誤)
第九十五条 
意思表示 は、法律行為の要素に錯誤があったときは、無効とする。ただし、表意者に重大な過失があったときは、表意者は、自らその無効を主張することができない。


意思表示 について要素に錯誤があれば無効となっています。
そして、意思表示は約束のことであり、契約の要件ですから
契約の要素に錯誤があれば契約が無効となるということになります。
では、「要素に錯誤」とはどういうことでしょう。
判例 上、「要素」とは重要な部分であり、具体的には
1、この点について錯誤が無ければ意思表示(=契約)をしなかったであろうし、
2、意思表示(=契約)をしないことが一般取引の通念に照らして至当と認められるもの


をいうとされています。
つまり、値段を言い間違えたり、契約の物について間違いがあった場合をいいます。
とすると、例えば清水君は壷Aが欲しかったのに、間違って壷Bを買ってしまった場合も要素に錯誤があることになります。
とすると無効主張ができそうです。
しかし、よく条文をご覧ください。

「但 表意者 に重大な過失があったときは、表意者は、自らその無効を主張することができない。



表意者 とは 意思表示 をした者をいい、契約をした者を言うことになります。
つまり、重大な過失があれば例え錯誤があっても無効主張できないことになります。
相手方が偽物販売などしてあえて勘違いさせようとしていた場合を除き、品物を間違えることには重過失があると言わざるを得ません。

ということで、錯誤による無効主張が認められる要件をまとめると、
1、この点について錯誤が無ければ意思表示(=契約)をしなかったであろうし、
2、意思表示(=契約)をしないことが一般取引の通念に照らして至当と認められる
3、そして、重過失がないこと

ということになります。

ところで、清水君が壷を買う 動機 に錯誤がある場合はどうなるのでしょうか。
例えば、壷Aを買おうと思った動機は100万円で買って200万円で転売するつもりだったけれど、実はやっぱりその壷には100万円の値打ちしかなく、転売できる物ではなかった場合はどうなるのでしょうか。
もちろん、三島さんには何ら騙す行為が無かったと考えてください。

清水君は一応壷Aを買う意図をもった上で壷Aを買ったのですから
厳密な意味で錯誤とはいえません。なので動機に錯誤があることを
厳密な意味での錯誤と区別して「動機の錯誤」といいます。

しかし、動機の錯誤も良く考えれば真意でない契約ですから、
成立させるべきでは有りません。
そこで、判例は動機を相手に表示した場合に限り動機も「要素に錯誤」があるとして扱うことにしています。

ですから、本件の場合契約時に清水君が三島さんに「200万円で転売するから、100万円で売ってください」と言っていれば、転売したいという「動機の錯誤」も「要素に錯誤」があることとされて、無効主張できます。

まあ、「200万円で転売するから100万円で売ってくれ」と言ってなお売ってくれる人がいるのかは分かりませんが・・・。





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最終更新日  2004年12月23日 10時23分43秒


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