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2004年10月28日

第２章　人の身体に関する罪

１傷害罪

（傷害）
第二百四条　
人の身体を傷害した者は、１５年以下の懲役又は５０万円以下の罰金若しくは科料に処する。

「傷害」という言葉は身近な言葉ですが、厳密に考えるとどこからが傷害なのでしょうか。
傷害でないとしたら、暴行罪という軽い罪にしかなりませんので、その線引きは重要なのです。

（暴行）
第二百八条　
暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、
二年以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

文字通り考えれば、傷害＝怪我をすることと考えるのが普通だと思います。
切り傷を作ったり、あざを作ったり、骨折させるのを傷害とすることに異論はないと思います。
しかし、これでは一つ問題があります。人を病気にさせた場合が傷害に含まれません。
時には病気は怪我より酷い症状をもたらすのに、病気の方が罪が軽いのは違和感があるでしょう。
そこで、病気にさせた場合も傷害とされます。
例えば、性病をうつしたり、下剤を盛って下痢にさせることなどです。

このように病気や怪我をさせることを学問上「生理機能を害する」といいます。
つまり、傷害とは人の生理機能を害することなのです。

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