40日の旅

40日の旅

逢いたい



我が子、5歳の頃。
ある、写真を見つけてしまいました。
元夫の写真はすべて破棄していました。子どもに見せたくなくて・・・

写真を見て、冷静に涙を流す5歳児。
そんな涙を見たのは初めてで!(泣くとしたら、おやんちゃ泣き!)

静かに涙をながしながら、「ひいばあに逢いたい」と静かに一言。
その写真はひいばあが 寝そべるR赤ちゃんをあやしてる写真でした。
「お願い!ひいばあに逢わせて!」と懇願され。

子どもが見てしまった写真をおさらいしてみると、パパの1/3顔写ってる写真を見ても「これはママ」と。(お~い)

愛を与えてくれた人の記憶は消せない・・・
取り合えず、その晩は寝てもらった。

悩んだ挙句、電話をしてみたが「現在使われておりません」と。
104で問い合わせてみた。岐阜県で一つしかない名字なので、すぐ解った。

義母に話しをすると大喜びで「逢いたい」と。
「但し、パパとは約束してますから会わないで下さい。」

月に一度、じいちゃん、ばあちゃん、ひいばあ、と息子は逢う事になった。
逢いに行ってもパパの事は全く思い出さない、不思議だ。

私も子どもの送迎に元義父母とは会ったが、喫茶店で待ち合わせてお茶を飲んでなごやかな時間を過ごした。

「じいちゃんちにサッカーボールがあったよ!」
「え???」
「じいちゃんね、サッカーやるんだって~」
こちらのお願い通り、じいちゃんも苦労しているようだ(もちろん、パパの)

どれだけそんな事が続いただろうか?
私の実父に、黙ってしていたが、息子が話してしまった。
「養育費も貰ってないのに、逢うなんてあつかましい」と。
しかも、三階建ての家まで建てて!
「あれがじいちゃんの家だよ」と、二人で車に乗っている時に息子が指指した家は、立派なおウチだったそうで・・・
私も父から、あの家だよ、Rの養育費も見ないで建てた家ね~
と教えられた。
・・・しばらくして、父から「もう、逢わせるな。話しはして来た、携帯に掛かってきても出るな。」と言われた。

父の言いたい事も解る、「祖父母にも孫の扶養義務はある。わしはそれを果たしている!」
けどRの気持ちは・・・

携帯に何度も元義父から電話が入ったが出られなかった。
今、思うと出て話しをすれば良かった。

Rには・・・「じいちゃん達、会えない様な遠い所に引っ越してしまったんだって」と伝えた。
しばらく、あの家のそばは通らない様にした。
今、通る事もあるけど、何も言わない。忘れたのだろうか・・・?

後から聞くと、父は仲人である、向こうの親戚に話しに行ったが
「復縁したらどうでしょうか?」と言われ、とっとと帰って来たそうで。

ひとりぼっちになりたくなかったみたいです・・・
どこにいても、誰と居ても、ひとりぼっちじゃないのにね・・・
(もちろん、復縁する気など、私には無かったですし・・・)




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