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先週にも書きましたが、不動産市場は今バブルです。実質需要としては供給過多で、有り余る日本のマネーストックの行き先の一つとして不動産が選ばれているだけです。言ってみれば投資目的。もしかして、あなたの知っている人にもいませんか?不動産投資をしている人…。そんなこんなで絶好調の不動産業界。日本史上類を見ない量的大緩和に続くデフレ脱却の為の日銀金融政策「マイナス金利」に団塊ジュニアの持ち家購入の時期が重なり、どこもかしこも増収増益。これからもまだまだ増収増益を目論んでいます。不動産業界(特に個人向け新築物件)は全体のパイが長期的に縮小していくことが確実視されていますので、このようなバブル期に低PER低PBRにつられて投資をしないように注意したいところです。いつか来た道。そろそろ不動産バブル崩壊に注意が必要な時期が近付いてきているのかもしれません。
2016.09.26
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資産には、形に表れるもの(貨幣に換算できるもの)と形に表れないもの(貨幣に換算できないもの)があります。少し乱暴な言い方で恐縮ですが、前者を有形資産と呼び、後者を無形資産と呼びます。バリュー投資で評価するのは、主に有形資産です。有形資産の中でも、換金性や流動性の高いものを重要視します。有形資産の中でも換金性や流動性の高いものを質の高い有形資産と考え、それら良質の有形資産を多く保有している企業を高く評価します。バランスシートで言うと、左上の方が良質の有形資産に当たります。慣れるとバランスシートを見た瞬間、即座にその企業の財務健全性をイメージできるようになります。さらに、複数年のバランスシートを確認すると、その企業の健全性の変動が短時間でイメージできるます。これは頭の良し悪しとは全く関係がないばかりか、頭が良すぎない人の方が素直な分、取っ付き易く慣れ易いです。企業の健全性を測るには、バランスシートを見る方が四季報を見るよりも圧倒的に分かり易いです。しかし、無形資産はバランスシートに計上されないため、バランスシートを見ただけでは評価できません。無形資産とは、有形資産に含まれない全ての資産であり、社員の能力や会社のシステム、ブランドや技術力、社長のカリスマ性や社風、顧客データや著作権など、実に多岐にわたります。例えばブランドなどは、ブランド力の向上の為に高額な広告料を支払ったり、ブランド力回復の為に多くの修理費を掛けてリコールをしたり、という事でも分かる通り、悪化を防ぎ、維持・向上しようとするだけでもかなりのコストがかかるなど、業績に絶大な影響があります。また、技術力向上の為に多くの研究費を割き、多くの人材と多くの時間を掛けています。無形資産はバランスシート上には反映されませんが、長期的な収益力に繋がるため、業績に与える影響はそれが長期的であればあるほど大きくなります。(※ただし無形資産も当然変動するので注意が必要です)その為、多くの投資家は価値ある無形資産を何とか評価しようとして、損益計算書を複数年確認して、その変動を確認します。損益計算書はその企業の収益力をイメージし易く、バランスシート同様に慣れると圧倒的に分かり易いからです。再度強調しますが、イメージできるかどうかは頭の良し悪しとは全く関係がありません。慣れているか慣れていないかだけです。数をこなせば誰でも出来ます。個人の能力に拠りません。逆に、頭脳明晰すぎる人は、この作業が苦手です。その理由はイメージする前に矛盾に気が付いてしまうからですが、その話は遥か彼方に置いておきます。ここまでをまとめます。バリュー投資であれば、複数年のバランスシートで健全性の変動を、複数年の損益計算書で収益性の変動を確認し、まず頭で企業像をイメージします。バランスシートで有形資産を、損益計算書で無形資産を評価します。これがまず最初にやるべきことです。この作業以上に基本的なことはありません。この作業を省略している人は、バリュー投資家ではないと断言できます。慣れている投資家は、膨大な企業についてこの作業を行うのもそれ程苦痛ではないでしょう。四季報で全部の企業を分析したと言うバリュー投資家がちょくちょく居ますが、その作業はバリュー投資として一体何の価値があるのか一度教えてもらいたいです。(これは皮肉ではありません)さて、ここからが本題なのですが、無形資産の評価は難しく、複数年の損益計算書を眺めていてもなかなか共通認識で捉え難いです。独自評価になりかねません。それではどうしたら良いのか?という問いに対する答えを今回は模索しましょう。そもそも過去複数年の損益計算書に現れ難い無形資産というのは、確かにあります。これらの類の無形資産は、過去の業績に余り影響していないという事で無視するべきなのでしょうか?必ずしもそうではないでしょう。何故なら、これからの業績に長期的に反映される可能性があるからです。株価は未来の業績に大きく影響されますから、長期的に優れたパフォーマンスを得ようとするのであれば、無形資産に対する評価を行い、長期的に優れた業績を上げる可能性の高い企業を探す手法もあります。そしてそれは膨大な情報量が必要になります。情報収集力と時間・労力が必要になります。個人投資家よりも情報量の多いアナリストの意見を参考にするようになりかねません。それではトレードで抜きんでることは難しいです。無形資産の評価は難しいのであきらめた、とバリュー投資の中には、無形資産をほぼ無視する流派があります。無形資産に対する評価が既に少なからず株価に織り込まれている以上、無形資産をある程度無視した銘柄選択をした方が、有形資産としてはよりお買い得な銘柄を買うことが出来る。確かにその通りで、理に適っています。過去数年の、或いは十数年の損益計算書を見て、(更には補助的にキャッシュフロー計算書も見て、)そこに反映されている以上のものは評価しない。そのような投資を是とするかどうか。ここがバリュー投資の分かれ目です。ここがぶれると、地に足が着いていないバリュー投資家になります。僕は、バリュー投資家を決定的に分けるものは、損益計算書(またはキャッシュフロー計算書)に反映されない無形資産の評価の有無だと思っています。ここは決定的な違いで、ここを境にして2つに分かれたバリュー投資家は、お互い絶対に相容れないはずです。バリュー投資家として一括りにするのは中々に難しいのです。
2016.09.21
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何年か前に見つけてからしばらく見ていなかったのですが、まだちょくちょく続いているようですので紹介します。辛口の割りに考え方が甘くて思慮が浅いところがあるのですが、一つ一つ幅広く自分で考えている投資家さんです。部分部分で光るところもあります。これから長い間かけてじっくりと哲学を練ってもらいたいです。考え方に共感するかどうかは別にして、色々経験してゆっくりじっくり幅広い2次的3次的考えを身に付けてもらいたいですね。何しろ若いのが良いです。まぁ、ライブドアショック時に投資を始めたという事で、書き込み内容ほど経験は浅くないのですが。この文章を書いたのが投資を始めて2年位の人であったなら、もっと良かったなと思います。真面目に投資を3年くらい続ければ、考え方が固まります。大体基礎的なことは、2年程度で身に付きます。あとは、自分にあった投資をどれだけ伸ばせるか。兎に角、このセンスを伸ばせるかどうか。それは、正解を求める気持ちに対して、どの程度妥協するかにかかっている。僕はそう思います。株式投資.jphttp://equity-investment.jp/※個別銘柄の「会社紹介」も行っていますが、これは単なる感想文でかなり無茶苦茶な内容なので読む必要はありません。型にはめた方法で多くの企業を紹介するのが目的となっている感じがしますね。この紹介文の稚拙さが著しくサイトの価値を低くしています。やめれば良いのに。
2016.09.17
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このブログではあまりテクニカルな話をしないようにしているのですが、今回はほんの少しだけテクニカルな話をしたいと思います。バランスシートの話。僕は、バランスシートが大好きなのです。バランスシートがバランスシートといわれる所以は、左側に計上される資産の総額と、右側に計上される負債と資本の合計が、丁度同じになるからです。これは、左側に資金運用、右側に資金調達、を表していると言い換えても良いです。資金運用と資金調達について、僕達投資家は採点するのです。ここまでの理解がない読者がいましたら、他のサイトなどで調べて下さい。ドンドン行きます。資金運用を表す資産側については、大雑把にいうと、上に行くほどリスクの少ない運用、下に行くほどリスクの大きい運用、というようになっています。これはかなり乱暴な言い方ですが、バランスシートの左上の数値が大きい企業ほどバリュー投資家に好まれます。左上には現金預金などがあり、これらは企業価値を計算する時に割引かなくて良い資産と考えているからです。現金預金が時価総額よりも多かった場合、その企業はネットネットと呼ばれ、バリュー投資家に喜ばれます。バリュー投資では、在庫などは好まれません。解散するときに在庫が売れるかどうかは分かりません。在庫を売る為にはとんでもなく大安売りをしなければならないかもしれません。企業価値を計算する時には保守的に見積るというのが彼らのやり方ですので、在庫の評価額はゼロ円です。(その為、通常の投資家とは違った視点で在庫変動の監視は基本になります。基本を押さえていないバリュー投資家も居るようですが)しかし、おかしな話もあるものです。左側の資産の評価額を減らしたのであれば、右側の負債と資本の合計額についてもその分減らさなければバランスシートが成り立ちません。アンバランスシートになります。当たり前ですが在庫の評価額を減らしても負債は減りません。減らそうとするのであれば、それは資本になります。そういう皮算用は、バリュー投資家は行いません。バリュー投資家はバランスシートがアンバランスシートになっても構わないのです。兎に角、淡々と保守的に算出した企業価値を評価するだけです。バリュー投資家は資産の額を保守的に見積って、負債を差し引き、その額をなんと株価と比べます。驚きです。もう一度言います。割り引いたバランスシートの左側の資産総額から右側の負債を差し引いた額と、株価を比べます。意味が分かりません。何を考えているのでしょうか。この行動は「普通の投資家からすると」謎過ぎます。しかし彼らは解散価値に重きを置いているので、自分達の行動に疑問を感じません。資本と株価の比率を表すPBRより、保守的に割り引いた資本と株価の比率を表す擬似PBRを重視します。この擬似PBRが低いほど株価が割安に放置されているので、放っときゃそのうち上がるだろう、という目論見です。浅はかとしか言いようがないですが、まぁ何か材料が発表されて株価が暴騰することもありますし、株価下落のストッパーになるという側面がある場合もありますので保守的に見積もった疑似PBRの低い企業群は全体としてのパフォーマンスは悪くないです。しかし、資産は資金運用結果とともに企業経営を表す項目なのです。企業経営によって、企業は利益を得ているのです。当たり前ですが、バリュー投資ではこの当たり前のところを軽視しています。※逆説的に言うと、ここを軽視していないのであればバリュー投資ではないとも言えます解散価値を高めることが企業の命題なのでしょうか。投資家は解散価値を高める企業活動を求めているのでしょうか。違います。企業は資金運用を通じてより高い利益を上げる事を求められています。解散価値を高めることを目的としていません。本質的には、株式投資の目的は解散価値と株価の鞘を抜く事ではありません。擬似PBRが幾ら低くても、その企業の株価が上昇するかどうかは分かりません。それらの企業をバリュー銘柄と銘打っても同じです。そのバリュー銘柄の株価が上昇するかどうかは解散価値と株価の鞘抜きという視点では難しいでしょう。何故ならそれらバリュー銘柄の株価上昇には材料が必要だからです。むしろ、その分析方法で『解散価値に含まれなかった資産による資金運用の結果で想定以上の利益を上げた場合』の方が遥かに株価は上昇し易くなります。本質的には、バリュー銘柄のパフォーマンスが良いのは解散価値との鞘抜きではありません。下手な資金運用で注目を集めなかった企業が、何かの切欠で思いがけなく利益を上昇させたとき、サプライズで株価は上昇するのです。ここがバリュー銘柄の株価上昇の本質の一つです。理解しているバリュー投資家は一体どれくらいいるのでしょうか。しこしこ擬似PBRを計算してブログで紹介しているバリュー投資家が多いですが、資金運用を無視してはいけません。例えば、前述した在庫。在庫と利益は密接に関係しています。-補足説明-ただし、売上原価は、期首在庫から期末在庫を差し引いた分に、当期仕入高を加えたものである点に注意して下さい。作り溜めした在庫の分は売上原価に入らず売った時に売上原価に含まれますので、勘違いしないようにしましょう。(ちなみに、もし会計監査が見逃せば、架空の在庫調整は粉飾決算に繋がります)-補足説明追加-在庫は廃棄した時点で売上原価として計上されます。(この時の増加分は在庫の評価額になります)-補足説明おわり-在庫の評価額や数値変動にはかなり注意をする必要があります。在庫の評価をゼロにして、保守的に見積った企業価値と株価を比べるという行為は、キャピタルゲインを期待する投資家のすることではありません。何かの切欠で大口投資家が解散価値と株価の差に着目し買い上がるのを期待してただ待っているという、とても他人任せな待ち伏せ投資です。宝くじが当たるのをただじっと待っている、という投資手法です。このブログにも書いていますが、僕は今バリュー投資寄りの投資をしています。お互い、もう少し頑張りましょう。
2016.09.10
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孤立無援で奮闘するほどには貴方の心が強くないのなら、周りの投資家を尊重することだ。常に周りの人間を尊重する人は、周りから大切にされる。周りの投資家から大切にされて貴方の自尊心が満たされるのであれば、それに越したことはない。自信を持って自分の投資手法を貫き続ける事が、結果として貴方の投資に良い結果をもたらすことになるだろう。
2016.09.06
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今年の相場が軟調で、自分のパフォーマンスが優れずに自信を無くしていたり、或いはアベノミクス相場で元気よく言っていた主張を変えていたりする人がいるように見受けられます。彼らは、一体、何を言っているんでしょうか?今年は大して軟調な訳でもないし、みんなここ数年の株式投資の収支はプラスです。下落相場というのは時に暴力的な暴落相場になりますし、何年も続くものになることも多いです。今までイケイケドンドンだった投資家が、たった1年かそこらの不調で、それも大した不調ではなく精々10%か20%か、そこらの不調で急にしおらしくなる。「今まではたまたま好調だった相場に運よく乗れただけ、今のパフォーマンスが自分の実力です」もうね、アホかと。そんなにフワフワしていて投資家が務まるのか、どうせ周りと比較しての相対的なパフォーマンスが低下するに従ってやる気なくなって、もう他の事に興味が移っているんだろう、と思ってしまいます。実際、そんなことを言っている個人投資家のブログの更新頻度は低下し、中身もエネルギーを感じなくなってきています。下手だろうがなんだろうが、一生懸命やればいいのに、それができない。そのようなブログは読んでいて詰まらないので、パッとしない相場と相まって読者数も低下、さらにやる気がなくなる。このブログで1年ほど前にこうなるだろうと書いておいてなんですが、やっぱりそうなりましたね。この傾向が暫く続くんでしょう。寂しいもんです。消費税8%の増税をしなければ、全く違った結果になっていたでしょう。(そうかな?と思う人がいたら、経済指標の推移を見てみて下さい)当時は民主から自民へ変わり、アベノミクスと騒がれていたころで、復興需要もありました。日銀総裁が歴代3代にもわたるデフレ容認派からデフレ脱却へと強い意志を持っている人へ変わり、金融政策と財政政策の両輪でインフレ率を上昇させるという政府の発表もありました。(第三の矢とかいう良く分からないことを付け加えるから方向性がぶれる。2本の矢で良い)何れそう遠くない未来に日本はデフレから脱却する、というのが大方の見方であり、そしてその後様々な経済指標からもはや現在進行形でデフレから脱却しつつある、と多くの人が思っていたのです。それを受けての株価大暴騰だったのです。そういう背景を忘れがちだと、自分の立ち位置が分からなくなり、流されてばかりになると思います。アメリカのダウ平均は史上最高値を更新し続け、円高も止まった、それを反映しての今の日経平均であり、僕たちのパフォーマンスなんですね。経済要因が色々と反映されている訳です。今の日本経済のリスクは何か?それが起こるとどうなるか?自分が分かっていないことは何か?そういうのを考えてないから、地に足が付かない。たった1年低下したパフォーマンスで右往左往してしまう。別にそのような投資家が悪い訳ではありません。僕はどちらかというと『そのような投資家』の擁護派のつもりです。そうならなかった未来が確かにあったのです。当たり前ですが、いずれ日本はデフレを脱却するでしょう。その時に生産性だけでない、幅広い国力は低下していることでしょう。デフレを早く脱却すれば、その分国力の低下は抑えられる筈です。しかし、まだデフレが続くと思うと、いやはや、なんとも。
2016.09.01
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