料理研究家・宮成なみの【 夢叶 】~胸に希望を 台所から愛を~

料理研究家・宮成なみの【 夢叶 】~胸に希望を 台所から愛を~

2007年06月20日
XML
カテゴリ: なみちん入院記
[ 携帯から更新 ] / 2006年11月10日





退院してからの日常は、とても緩やかなものだった。

旦那が迎えにきてくれて、
家に着くとすぐに

実家から出てきてくれた母が
買い物袋を抱えてやってきた。

今まで病院では、
二十四時間体制で看護婦さんたちがお世話をしてくれていたし、

寝ていても時間になれば、


掃除も毎日係りのおばちゃんたちがきれいに部屋を片付けてくれるから
私はただ安心してなにも考えずに身を任せて養生すればよかった。

前の入院のときもそうだったけれど、
1ヵ月以上、寝たきりで過ごしていると
普通の日常生活になれるまでがすごくきつい。

掃除に洗濯、
ごはんを作るにしても、ただ作ればいいわけじゃない。
買い物もあるし、茶碗洗いだってある。
旦那の朝のお弁当作りにしなくちゃならないことはいっぱいだ。

まだ透析後は熱がでたり、
頭痛がして目が回ったりすることがあったから、


だから

『3日間だけしかいられないけど、
退院してすぐそっちにいくから。

退院してすぐになんでもかんでもできないでしょう』


と言って母がきてくれたことは、


妹夫妻と一緒に母はやってきて、
スーパーの袋からがさごそと材料をとりだして、
ごはんを作りはじめた。

私はその後ろでちょこんと座って眺めている。

旦那は妹夫妻と共に姪っ子をあやして
楽しそうに遊んでる。

リビングにとんとんトンって刻む音が響き
火にかけられた鍋がコトコトといい匂いを漂わせながら煮立っている。


『なんか小さいときみたいだねぇ。
こうやってお母さんがごはん作ってるのいっつも横で見てたよねぇ。

妹がまだ赤ちゃんで、
赤ちゃんの匂いと笑い声がして。』

母は懐かしいね。
と言って

いつものごはんを作ってくれた。

『なみは物心つく前から、
いつも台所にきてたよ。

お母さんの後、いっつもついて回ってたよ』

と言って
いつものおかずを並べてくれた。
ご馳走じゃないけど。

小さい頃から食べてた我が家のごはん。


肉じゃがに
おひたしに
味噌汁と
手派先の炊いたヤツ。
ピーマンのたくさん入った焼きビーフン。


あんたの食事作るのも久しぶりね。
懐かしいね。

といってごはんを食べた。


決して涙を見せなかった気丈な母も
すっかり歳をとったなぁ。

涙もろくなったね。
母の目はなにかあるとすぐ赤く潤んでしまうようになった。


そう。
この普通のごはん。
どこにでもあるありふれたごはん。

お母さんのごはんで、
私は社会復帰したんだよ。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2007年07月26日 18時51分24秒
[なみちん入院記] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

プロフィール

料理研究家 宮成 なみ

料理研究家 宮成 なみ

カテゴリ

カテゴリ未分類

(7)

なみちん入院記

(52)

なみちん夢ノート

(0)

新しい道

(4)

想い出話

(5)

穏やかに日常

(0)

バックナンバー

・2026年07月
・2026年06月
・2026年05月
・2026年04月
・2026年03月

© Rakuten Group, Inc.
X

Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: