赤ヘル「V1」へ秒読み、「7つは絶対、70勝で」
自信の古葉監督、積極戦法で突進
「ボクの私の 広島カープ 郷土の希望を 背負って起(た)った 男ナインの 心意気・・・」。応援歌(勝て勝てカープ)の一節である。市内商店街では、連日レコードが響きわたり、ターミナルには右も左も”がんばれカープ””祈広島初優勝”の垂れ幕が所狭しと掲げられている。だが、地元ファンもひと頃の狂乱ぶりから、落ち着きを取り戻し、静かに優勝の一瞬を見つめている。
一方、チーム指揮を取る古葉監督も「阪神も強いし中日も負けない。もちろん予断を許せない状態です」と慎重な情勢判断をしている。だが、数字的に見ても、また現在のチーム力からも。広島がペナントへの最短距離にあるのは間違いない。
残り11試合。内訳はヤクルト5、阪神、巨人各2、中日、大洋各1である。古葉監督は「7つは絶対勝って・・」と通算70勝の算盤を弾いた。”慎重居士”の古葉監督が、初めて具体的な数字を出したのは、心中にこれを裏付ける大きな自信があったからである。残り試合の半数以上が下位チームとの対戦。しかもそれを比較的楽なスケジュールで消化できるということもある。それにも増して自信につながっているのは、70勝を挙げさえすれば、引き分け数の少ない阪神、中日が広島を上回る勝ち数を挙げない限り優勝を奪えない事だ。
「ウチが70勝して、それ以上(阪神、中日が)勝てばやむを得ないと諦めますよ」と言う。とはいえ、何せ優勝のかかった大詰めの競り合いは初体験であるが、古葉監督は「今までと違う野球をやってはいけないと思う。とかく、切羽詰まると、どうしても1点欲しいからと消極的戦法に出たりする。だが、それは結局自分の足を引っ張ることになると思う。最後まで、今までやってきた野球をそのまま続けるつもりです」。
こうした戦法以外で変わってくるのは投手起用である。十分に休養のとれるスケジュールから、三本柱(外木場、池谷、佐伯)を存分に使える。「中3日の休みがあれば、3人の中で一番出来の良い投手を先発に入れていきたい」と古葉監督は言う。そして打線に関しては「何の心配もない」と安心している。特に「控えの代打陣(佐野、苑田、久保)に力が付いてきたのには何より嬉しい」と頼もしげに語っている。
昭和43年(1968年)から4年間広島に在籍していた小森ヤクルト・コーチは「阪神は伝統の力にすがっている感じだ。そこへいくと、まとまり、迫力は中日、広島が上回っている。特に広島はローテーションを確立し、伸び盛りの主力選手がいずれも自信を付けているのが心強い」と語っている。
2位阪神と3位中日の対戦が5試合も残り、互いに星をつぶし合うのも広島に幸いしよう。マジック・ナンバーがなかなか出ないのも、プレッシャーのかからない要素に繋がる。こう見ると、たとえお預けを食う時間が長くとも、古葉監督の胴上げの可能性は日を増すごとに強まる。
広島 阪神 中日
勝数 勝 敗 勝率 勝 敗 勝 率 勝 敗 勝率
73 10
ー1 .608 12ー4
.593 13ー2
.598
72 9
ー2
.600 11ー5
.585 12ー3
.590
71 8
ー3
.592 10ー6
.577 11ー4
.582
70 7 ー4 .583 9ー7 .569 10ー5 .574
69 6 ー5 .575 8ー8 .561 9ー6 .566
68 5 ー6 .567 7ー9 .553 8ー7 .557
<残り試合>=23日現在
神中ヤ洋巨 広中ヤ洋巨 広神ヤ洋巨
2 1 5 1 2 2 5 5 0 4 1 5 1 3 5
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