私の死んだフィアンセについて




彼は死んだ。交通事故で死んだ。バイクの事故で死んだ。
ダンプカーの後輪にぶつかって、その中に入り込む様な形で死んで行った。

私は彼の事が本当に好きだった。喧嘩もしたけど大好きだった。
本気で言い合えたのは彼だけだった。
過去形の文章は彼にとってどういう気持ちなんだろう。
だって、彼は私を愛しながら死んでいったんだから。

ちょうど付き合い始めて半年くらいが経過していた。
その頃彼はまだ高校を卒業したばかりの年で18歳だった。
だから私は考えた。”何としても、彼を路頭に迷わす様な事は出来ない。
何か男女関係なく稼げる仕事は無いか?”って。
それで私は「大型」と「トレーラー」の運転免許を手に入れた。
これで私の運転免許証にも結構迫力が着いた。バイク、普通車、大型そしてトレーラー。
そしてある日、彼の両親に呼ばれて会いに行った。いつも強かった彼もその日は緊張していた。
でも、彼の両親は私を快く受け入れてくれた。

それがとっても嬉しかった。

それから彼の最後の誕生日。晴れて19歳。
その後クリスマス。最初で最後の二人のクリスマス。
ブルートパーズと、小さなダイアモンドの着いてる指輪を買ってくれた。
「こんな安いのしか買えない」と言っていたけど、本当に嬉しかった。
でも、サイズが大きくてそのまま直しに出した。指輪が帰ってくるのは年明けの予定だった。

お正月も二人で過ごした。
彼の家族が鬼怒川温泉に行くと言うので彼は喜んで私に電話して来て
「正月、家に遊びにこいよっ!」と言われた。
ホワイトシチューを二人で作って食べた。おいしかった。

お正月も終わり、だんだん日常の生活に戻って行った。
その後事件は起こる。


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