虹の橋のたもと



けれど、動物たちの中には、様子の違う子もいます。

打ちのめされ、飢え、苦しみ、

誰にも愛されることのなかった子たちです。

仲間たちが1匹また1匹と、それぞれの特別な誰かさんと再会し、

橋を渡っていくのを、うらやましげに眺めているのです。

この子たちには、特別な誰かさんなどいないのです。

地上にある間、そんな人は現れなかったのです。



でもある日、彼らが遊んでいると、橋へと続く道の傍らに、

誰かが立っているのに気づきます。

その人は、そこに繰り広げられる再会を、

うらやましげに眺めているのです。

生きている間、彼は動物と暮したことがありませんでした。

そして彼は、打ちのめされ、飢え、苦しみ、

誰にも愛されなかったのです。ぽつんとたたずむ彼に、

愛されたことのない動物が近づいていきます。

どうして彼はひとりぼっちなんだろうと、不思議に思って。



そうして、愛されたことのない者同士が近づくと、

そこに奇跡が生まれるのです。

そう、彼らは一緒になるべくして生まれたのでした。

地上では巡りあうことができなかった、

特別な誰かさんと、その愛する友として。



今ついに、この「虹の橋」のたもとで、ふたつの魂は出会い、

苦痛も悲しみも消えて、友は一緒になるのです。

彼らは共に「虹の橋」を渡って行き、二度と別れることはないのです。





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