私の父親は数年前から特別養護老人ホームのお世話になっていましたが昨夏に亡くなりました。 父親が施設に入所して以降、母親は一人暮らしをしています。 幸い父親の介護で身体を壊す前に介護から解放された母親は、89歳になった今も元気です。 息子の私も実家からクルマで10分弱のところで一人暮らしをしながら、時々母親の運転手をしています。
母親は今回が生まれて初めての一人暮らしです。 父親とは仲の良い夫婦でしたが、いざ一人暮らしになると「いつ何をするのも自由。 いつ起きていつ寝るかも自由。 食事をお茶漬けで済ますのも自由。 近所の一人暮らしの友人と夕食後におしゃべりするのも自由。 身体が丈夫な限りこの自由は手放したくない」とのことです。
世間には老後に一人になるのを怖がる人がいるそうです。 「一人すなわち孤独」ということでしょうか。 私の母親の「一人すなわち自由」という考え方とは随分違います。
私も母親と同様に「一人すなわち自由」派です。 同居人は愛犬モモ(チワワ♀ 2歳)がいれば十分です。 好きなように暮らせる今の生活を手放す気にはなれません。
将来、誰に介護してもらうかを心配される方達も多いようです。 要は家族に介護してもらいたい様です。 他人(介護士さん)に介護されるのはイヤみたいですね。 面白いことに「息子の嫁」は良いようです。 「息子の嫁」って他人ですよね。 それに今時そんな献身的な「息子の嫁」っているんでしょうか。
私も母親も将来の自分の介護は、プロの介護士さんにお願いしたいと思っています。 父親がお世話になっていた施設でも、訓練を受けたプロは何をするにも手際が良く上手でした。 素人(母親)に面倒を看てもらうよりも質の高い介護を受けられたと思います。 事実、入所から亡くなるまで、父親は大変穏やかな表情をしていました。
私は、一人暮らしは健康寿命を延ばすと思っています。 炊事・洗濯・掃除・買い物を一人でやることによって体力だけでなく頭も使います。 特に料理は頭を使います。 今でも母親は「私の認知症予防だから」と言って煮物を作ってはお裾分けしてくれます。
恐らく危ないのは、長年奥様に身の回りの世話をしてもらって来た上で、奥様に先立たれた一人暮らしの旦那様ではないでしょうか。 お金はあっても生活していく上での訓練を受けていませんから、食事はスーパーのお惣菜ばかりとなり、栄養が偏り身体を壊すとか。 近所のスーパーでも、そんな末路を辿りそうな男性高齢者をよく見かけます。 そのスーパーも心得ていて、高齢者向け(独居老人向け)の小さ目のパックの安価な惣菜(焼きそば・炒飯・お好み焼き・オムライス・スパゲティ・揚げ物など)を豊富に提供しています。
幸い私は一人暮らしが長いので、生活能力は十分にあると思います。 大切なのは生活(炊事・洗濯・掃除・買い物)を「やらなければならない事」ではなく「楽しい事」と思えるかどうかではないでしょうか。 例えば洗濯でも、干す物・干し方・干す場所によって乾燥スピードは変わります。 外干しと部屋干しでも、やり方はガラッと変わります。 ただキレイに整然と干すだけでなく、いろいろ試す事を楽しんでいます。 それが私流の「楽隠居」です。
まあ後は、今暮らす賃貸マンションの中で変死して特殊清掃が入り事故物件となり、大家さんにご迷惑を掛けないように、見守りサービスも契約しておいた方が良いかなと考えているところです。
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