misty247

misty247

2005.03.19
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
 一度サボり始めるとズルズルになるのが分っていたからカレンダーが穴あきにならないように頑張って埋めていたけど、先週は後半から身辺の雑事が立て込んで何を書こうかと考えあぐねているうにちあれよあれよと日は過ぎて気付けば五日もあいている。


 山のあなたの空遠く
 「幸(さいわい)」住むと人のいう
 噫(ああ)、われひとと尋(と)めゆきて
 涙さしぐみかえりきぬ
 山のあなたになお遠く
 「幸」住むと人のいう

           (カール・ブッセ「山のあなた」上田敏訳)

 何かあらすじで紹介するのにいい物語はないかなと本をめくっていたら「山のあなた」に出合った。どこで見たかは思い出せないけど、心の奥底に眠っていた詩のような感じがする。「幸住むと人のいう」……いい響き。この詩がこの響きをよくしたのか、それともこの響きが元からいいのか、この詩を知った瞬間にはもう判別不可能になっている。この不思議な感覚。

 言葉で形作った心の像は受け手の感銘に命を与えられると再びその人の言葉の中に溶け込んでいく。詩を忘れても再度出合ったときには、記憶を手繰るよりもはるかに素早い速度で、散り散りになっていた言葉の端々からあの時の心の像を呼び戻す。
 言葉は意味だけのものではない。たとえば、数字の3はいつまでも絶対的な3だけど、言葉の3は多くの繋がりの中にある。言葉は生きているし、逆に言えば、言葉の成長に生きている実感がある。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2005.03.21 11:07:13
コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: