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* | ここが私のハーフ初舞台だ。私には長い21.1kmという距離が、ここでは視界に短く、歩幅には長く感じられそうな気がした。 傘を差して線路沿いに10分ほど歩くと会場に着いた。 ▲ゴールゲートの設営された会場 受付をすると、ゼッケン・パンフの他に、参加記念品に背に大会名の入ったTシャツと、羽衣伝説の図柄入りタオルを貰った。 更衣室へ入ると、雑多な物置部屋も兼ねた小部屋はただでさえ手狭な上に、雨のため室内で休む人が多くて混雑していた。芝生に囲まれた会場は、晴天ならそこらじゅう全てが利用できるのだが、雨となると、狭い部屋と軒下に皆がひしめき合って、施設の収容能力を超えていたようだ。 早々に着替えて酸欠になりそうな部屋を脱出した。スタートまで1時間。少し離れたポンプ室の軒下で、何するでもなくひたすら準備体操をした。その間、雨は強まったり弱まったり、地面を打ちつづけた。小雨程度なら涼しく好い。本降りにはいたらなかったので、大会関係者が開会式でしきりに残念がるほども雨は気にならなかった。 駅前のコンビニでパンの一つでも買ってと考えていたが、着いてみれば余呉の駅前は、コンビニどころか民家のひとつもない寂しげな駅だった。それで少しひもじい。でもハーフの走る時間なんてしょせん2時間程度。小腹がすいたぐらいの軽さから走り出せば一番楽なのでは、と自分自身を説得させた。 スタートは10時40分。5分前、集合のアナウンスがかかる。 ▲スタートライン。今回は中央付近から出走した いよいよスタート! 雨は裾から滴るほどではない。靴の中を濡らすほどでもない。私は自分が比較的ヒートしやすい身体の方だと思っているので、これぐらいの雨ならむしろありがたいぐらいだ。 国道を少し走ってから、踏切を渡った。『ん、踏切?』 マラソンコース中に踏切とは不相応である。しかし、帰りの電車の時間をチェックしていた私は、これに納得できた。JR北陸線は1時簡に1~2本しか本数がなかった。踏切の位置はほとんどスタート直後。選手全員が通過するまで遮断機の下りないことを計算した上での出走時間だったのだろう。しかし、もし電車が当日延着すれば、合わせてスタート時刻もずらしたのだろうか。 もう一点踏切が意外だったのは、このハーフが公認となっていたからだ。コース途中に踏切があっても公認? 公認っていったい何だろうと思った。 で、いま調べてみると、通常より有利になるコースを認めないのが公認の役目らしい。下るばかりのコースとか、実際の距離を測ってみたら誤差で短かったとか、そういうのは許されない。不利になるのはいくらでも構わないようだ。登りばかりとか、踏切や石段があるとか、川の中を走るとか。ただしそういうコースは、当然のこと、記録を狙う選手にはそっぽを向かれるだろう。 ▲最初は北の田園コースを走る |
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