札幌宮丘公園野鳥日記

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鴨類の換羽





小鳥と一緒に生活されている方ならばご存知でしょうが、小鳥達の羽毛はいっけんきれいに見えますが、実は鳥の羽毛は1年経過すると殆どぼろぼろになるのです。


それで、野鳥はどんな野鳥でも定期的に古い羽毛を捨てて新しい羽毛に生まれ変わらせます。

その換羽時期はその野鳥によりさまざまですが、
換羽の時は新しい羽をつくる栄養が必要ですし、
羽が抜けることにより、体温の低下や、飛翔力が落ちますので、飛ぶのが命の野鳥にとってはそれは大変なことです。


【セイヨウタンポポ】


でね、多くの野鳥の殆どは、
一度に1~2枚程ずつしか換羽しないのですが、カモ類だけは、一時期(3~7週間)全く飛べなくなってしまう程、一度に飛翔に大切な部分の羽(その羽を「風切羽」といいます)を換羽します。


といいますのも、彼らは翼があまり大きくないわりに体重があり、数枚の換羽でも飛翔力が低下するのでしょう

逆に飛翔に必要な「風切羽」を一度に脱落させ、一時期飛べない代わりに、一気に翼全体の換羽の所要時間を減らし、飛べない時間を短くする。

で、これらカモ類はじめ水鳥は、その間、餌のある安全な水域に避難し、換羽に専念するわけです。

【アリウム】


彼らカモ類は一時的に飛べなくなっても、それがすぐ死を意味するわけではないから、出来る換羽なわけですね。

それで、北半球のカモ類の雄の換羽は年2回換羽で、秋11月頃から翌年の初夏にかけて美しい生殖羽をまとい、風切羽が抜けて飛べない夏8月頃には、雌に似た地味な非生殖羽になるのです。

ほら、皆さん、夏の終わり頃、あれ、このカモ怪我してるのかしら?と思うカモ、川辺とかで見たことありませんかあ?。バタバタ川面を走る?だけで、飛べないカモ。


特にその時期の雄の羽のことを、「エクリプス」といいます。
(日食をソーラーエクリプス、月食をルナーエクリプスという、エクリプス=「食」のことで、これをカモの雄にたとえると輝きを失った羽毛ということになる。)



下の画像のカモは

「シノリガモ」というカモの仲間の<雄>(野鳥大好きデジスコ撮影)です。



英名ハーレクイーンダック(ピエロガモ)というのですが

面白い模様・色をしているでしょ?



[★追記★]
このシノリガモは、日本では大部分が冬鳥として九州北部以北現れるが、特に本州北部と北海道に多い野鳥で、本州以北や北海道で繁殖確認記録もあります。
札幌近郊では小樽にピーク時100羽以上のシノリガモを確認することができるのですが、実は希少種なんです。
冬場、海岸の岩場や崖の多いところに見られ、水中に潜り、水生昆虫や小魚、貝類を食べて生活しています。

しかし繁殖地は川の上流で、滝と淵の連なる渓流。
野鳥大好きこの撮影も実は川での撮影です。

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