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父からの贈り物
小学生時代、父が作文集を毎年買ってきた。
小学館の『小学校二年生の作文』から始まり、
なぜ、父が毎年買ってくるのかよくわからなかった。今、
しかも時代背景が違う。
水道が初めて通った、
こうなると写実的ではあっても物語のよう。
飼っている豚や馬の話も出てくる。
二十歳で引っ越しをするとき、
時は流れ、長かった昭和は終わり、平成、
令和となって私も還暦を過ぎた。
優しかった父も天国へ旅立ち、
だが、
だめもとで、ネットオークションで検索してみた。時々、
勘は当たり、当時の作文集三年生と四年生の古本を見つけ、
ああ、これだ。この話、この作文。覚えている。
毎日の生活が充実していたのだろう。
おばあちゃんの曲がった背中におじいちゃんがお灸をすえて、
楽しい話もある。山へ木を伐りに出かけている両親のもとへ、
東京で生まれ育ち、
生活のために可愛がっていた動物を売らなければならない切なさも
でも、東京でなければ、そういった現実は
今でもたくさんあるわけだ。都会というのは便利ではあるが、
そんな私に、
欲も出てくる。
こども時代に父が買い与えてくれなければ、
今回は自分の働いたお金で買ったけれど、
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