子宮内膜症の手術は開腹手術によるものもありますが、
基本的に臓器を残し、病巣部分のみ取り除くなら腹腔鏡手術が主流になりつつあります。
実施している病院はまだまだ少ないです。
お腹に2から3箇所の穴(1センチから3センチ)を開けそこからガスを入れお腹を膨らませます。
同様の穴から内視鏡を入れてモニターしながら同時にレーザーで病巣部分を焼いたり、
チョコレートのう腫を摘出したりします。
メリット
開腹手術に比べて回復の時間が早い、癒着が少ない。
内視鏡下で行うので小さな病巣でも見つけやすい。
開腹手術でも同じですが、全身麻酔を行います。
ガスでお腹を膨らませるため翌日は腹部全体が筋肉痛になります。
血栓予防のため翌日から歩きます。
内膜症と同時に不妊治療もできます。
例えば卵巣から排卵しやすくするために卵巣に処置を行ったり、
通水検査なども同時にできるメリットはあります。
(不妊の原因がわからず、腹腔鏡手術を行い、逆に内膜症が発見され、
処置を行うという場合もあるようです。)
体験談
入院約2週間。(私の場合休みを挟んだりしたので長い方です。10日が目安。もっと早い人もいる。
入院費用 約20万円 (保険適用)
高額療養費請求制度を利用して11万返還された。
生命保険に加入し病名が付けば実際の負担額はもっと少なくて済む。
私の場合生保を利用したらプラスだった。
社会復帰 退院後2週間で仕事に復帰する人が多いよう。
事務職の場合はもっと早い。
私の場合、立ち仕事だったのでもう少しかかった私の場合いつも通っているクリニックからの紹介で別の病院で手術を受けたので紹介状を書いてもらい、
手術の予約と事前検査のため3回ほど通ってから入院・手術でした。
その後退院してから2回ほど術後の経過をみて仕事復帰や元の病院への書類を書いてもらう。
(不妊治療を継続するため・・・。)
手術の結果
内視鏡なのでビデオ撮影を行ってある。
後日それを見ながら説明を受ける。(自分で希望した)
万が一の時の証拠になるので申し出ておいた方がいい。
対処は病院によって違うと思う。
右と左の卵巣が仙骨子宮靭帯のところでくっついていた→剥がす。
子宮内のブルーペリー状の病巣を剥がす。
右卵巣内のチョコレートのう腫のみ取り出す。
その他小さな病変を焼く。
通水の結果 左卵管閉鎖だった。(軽いものなら手術中に処置を行えるが私の場合手遅れだった。)
術前の検査の結果、卵巣の表面が硬く排卵しにくいとのことなので排卵し易いように処置を行った。
病変の病理検査の結果、子宮内膜症であると確定。
(この時点ではじめて確定される。血液検査、超音波の段階では疑いのままである。)
術後
次の日から歩ける(血栓予防の為歩かされる。)
経過がよければ2~3日で普通食。
排便時のいきみが辛いため(筋肉痛で)予め下剤を渡されるが必要なかった。
しばらく下から出血がある。(経膣操作の手術も同時に行ったため)
一週間で出血は治まる。
シャワーは可。お風呂は様子をみてから。
数日後お腹の抜糸(ホッチキス)、痛くない。
術後の方針
子宮内膜症の病変はひとまず手術で取り除いた。
不妊治療に関しては左卵管が閉鎖しているので早めに体外受精を行った方がいいとのことだった。
術後の妊娠率が4割、2年以内が有効といわれている。
それを過ぎると内膜症が再発する確率が上がる。私の場合、術後から妊娠まで体外受精3回(うち一回は採卵まで行かず、)
合間の右から排卵時に人工授精を数回行うが治療では妊娠しなかった。そうこうするうちに手術から2年経ってしまった。