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不育症(習慣性流産)

不育症とは
   妊娠は成立するが、流産や早産を繰り返して、
   生児が得られない場合を不育症という。
   早産を何度も繰り返すものや、
   出生後1週間以内に死亡する周産期死亡も、
不育症に含まれます。



習慣性流産とは
   自然流産を3回以上繰り返すことを 習慣性流産といいます。
   自然流産はだれにでも起こる可能性のあるものですが、
   3回以上繰り返すとなると、何か原因があるはずだと
考えられます。


不育症(習慣性流産)の検査

   ●基礎体温 (最低1~3ヶ月の測定が必要)
   ●末梢血、血沈、血液型など(血液検査)
   ●出血凝固系検査(血液検査)
   ●子宮内細菌検査、
   ●子宮頚管のクラミジア検査(子宮の内容物の検査)
   ●ウイルス抗体価検査
   ●血清自己抗体検査(血液検査)
   ●子宮内膜組織検査(子宮内膜の検査)
   ●子宮卵管造影検査(レントゲン検査)
   ●HLA検査(血液検査)・・・これが夫婦間で似ていると流産しやす
               いと考えられていますが、現在はHLAが習慣
               流産に関係しているかどうか否定的な意見
               が多く費用もかかることから、
               病院によっては行っていません。
   ●染色体検査(血液検査)
   ●ホルモン検査(血液検査)
   ●月経血培養検査(最近は行わないことが多い)

子宮奇形の場合は・・・子宮卵管造影法、染色体異常、
   自己抗体、母児間の免疫失調の場合は・・・血液検査

不育症の原因

   ●子宮奇形
   子宮は、女の赤ちゃんがお母さんのおなかの中で育っていく
   過程で二つの管がくっいて一つの臓器になります。
   本来なら生まれる前に完全に一つになるのですが、
   完全になりきれない状態のままに生まれてしまうことがあります。
   これが子宮奇形です。
   子宮奇形があっても初潮や月経周期には影響がないため、
   赤ちゃんをつくるときまで気づかないことが多いのです。

   ●子宮頚管無力症
   子宮の入り口の締まりが悪いために、赤ちゃんが大きくなると
   子宮から出てきてしまい、流産や早産になるものです。

   ●夫婦いずれかの染色体異常
   染色体に異常があってもそれに気づかずに
   健康に過ごしている人はたくさんいます。
   しかし、おなかの赤ちゃんにそれが受け継がれると、
   赤ちゃんは育つことが出来ずに流産となります。

   ●自己抗体
   自己抗体というのは自分に対してできる抗体のことで、
   最近、特に問題になっているのが、
   リン脂質に対する抗体である抗リン脂質抗体です。
   これができると、胎盤の血管に血栓ができ、
   そのために赤ちゃんへの血流が不十分となって発育が遅れたり
   流産となることがあるのです。
   これを抗リン脂質抗体症候群といいます。

   ●母児間の免疫失調
   免疫とは、自分と自分以外の異物を区別して、
   異物を排除する働きのことです。
   はしかのような感染症に一度かかると二度とかからないのも
   この免疫に働きによるものですし、
   予防接種は免疫の働きを利用して病気を防ぐ方法です。
   おなかの赤ちゃんは半分は父親から受け継いだものを
   もらっています。
   言ってみればお母さんにとっては異物のひとつです。
   それが10ヶ月間、おなかの中で育ちつづけるのは奇跡と
   言われていますが、
   おそらく、複数の免疫のダイアルが有効に働いているために
   それらが可能になっているのだろうと考えられています。
   そのため、これらのダイアルのひとつでもつまずくと
   流産につながります。


不育症(習慣性流産)の治療法
   ●子宮奇形
   ■子宮奇形では手術が行われます
   子宮奇形では妊娠前に子宮形成術が行われます。
   成功率は85%ぐらいです。

   ●子宮管無力症
   ■子宮管無力症
   子宮頚管無力症では、妊娠して胎盤が完成した時期に
   子宮の入り口を縛る
   子宮頚管縫縮術という手術が行われます。
   最もよく行われる時期は13週~18週の間です。
   それ以後に行われることもあります。

   ■子宮筋腫
   子宮筋腫の場合は筋腫の核だけをとって子宮を残す
   子宮筋腫核出術を行います。
   これらの手術を受けて場合は、
   その後の経過をしっかり観察していきます。

   ●夫婦いずれかの染色体異常
   ■染色体異常があるときは遺伝相談が必要
   夫婦のどちらかに染色体異常がある場合でも、
   全く健康な赤ちゃんが持てないという訳ではありません。
   ただ、異常の種類によって赤ちゃんに異常が出る確率が違ってき
   ます。遺伝の専門家に相談することが必要です。

   ●自己抗体
   ●母児間の免疫失調
   ■自己抗体と母児免疫失調の治療
   自己抗体の治療では薬物療法が行われます。
   使われる薬は副腎皮質ホルモン薬、アスピリン、
   ぺパリンなどです。

   *母児免疫失調のでは免疫療法が行われます。
   これは主に夫の血液の中からリンパ球をとり、
   それを妻に注射するというものです。

   以上にほか、子宮内感染症、黄体機能不全、血液型不適合なども
   不育症の原因になることがあります。

   *以前はわからなかった習慣性流産の原因も
   最近はだんだん解明されてきました。
   流産を繰り返すが原因がわからないと病院で言われた時は、
   多少遠いところでも専門医のいる病院で
   本格的な検査を受けることをおすすめします。



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