ウルム Ulm

ウルム Ulm 世界一高い塔をもつ大聖堂の街

 2002年4月20日、ミュンヘンから西南西に、車で2時間程のところにある街、
 ウルム Ulm に出かけた。

 ウルムは、ドナウ河沿いにある、世界一高い塔の大聖堂がある街。
 そして、アインシュタインの生まれ故郷でもある。
 大聖堂広場を中心に、旧市街地は東西が1km南北は500m程。
 見所は旧市街に集中していて、さほど大きな街ではなので、観光は徒歩で充分だ。

 朝10時頃、ウルムに到着。まずは、【ドイツパン博物館】に入った。
 ここは、パンと穀類専門の博物館で、建物は以前、食塩の保存倉庫だったものらしい。
 麦の栽培、収穫に始まって、パンが出来上がるまでの製造工程や道具、
 歴史などについての興味深い展示があった。
 なんだか見学しているうちに、とってもお腹がすいてくる博物館だった。

 事実、私たちは、パン博物館見学のあと、
 さっそく街のパン屋さんで、パンを買って食べてしまった。

 博物館見学を1時間半ほどで終えて、いよいよ本日のメイン、
 【ウルム大聖堂】へと向かった。

 高さ161.3mという世界一の高さの塔と、
 ケルンに次いで、ドイツ二番目の大きさの大聖堂は、まさにウルムのシンボル。

 1377年~1890年まで、500年以上の時をかけて建てられたゴシック教会で、
 143mの高さのところまで、768段の階段を使って上がることができる。(大人3ユーロ)

 ←途中の展望スペースから西方向

 塔には、一番上と、途中に2つの展望スペースがある。
 中間の展望スペースまでは、上りの階段と下りの階段が別の一方通行だが、
 最後の189段(ブゥちゃん、数えたのだ~!)は、
 上りと下りが同じ階段で、幅もそれほどないので、すれ違うのが大変。

         塔の内部→ 

 一番上の展望スペースは、高さ143メートル地点。
 中央に階段があって、一番上まで上がると
 そのまわりを360度見て歩けるようになっているのだが、
 狭くてすれ違えないので、みんなで左回りでゆっくり一周。

 さすが世界一の高さの塔!
 苦労して自分の足で768段上ったという達成感もあり、眺めは最高!

 ←東方向 ドナウ河

そして、惜しみながらも塔を降りて、大聖堂の中を見学。
タイミングよく、一番奥のスペースで、結婚式をしている真っ最中。
参列者は比較的カジュアルな服装だけど、とってもおそごかな雰囲気。
日本の教会式では、せいぜい30分程度だが、おそらくもっと時間をかけて
牧師さんがお話したり、みんなでうたを歌ったりするのだろう。
新郎新婦も椅子に座って話をきいている。

それからこの新郎新婦、どうやら”できちゃった結婚”みたいで、
すっごく小さい生まれたて?!って感じの赤ちゃんが、
男の人(親族かな?)に抱かれて、新郎新婦のすぐとなりにいた。

大聖堂の前の広場は、青空市場になっていて野菜や果物、卵や花など、
さまざまな店が所狭しと並んでいる。
どうやらミュンヘンよりも物価が安いようで、あれもこれも欲しくなってしまう。

息切れしながら体力を使い果たして大聖堂の塔を制覇したので、
すっかりお腹が空いた私たちは、さっそく大聖堂広場から中央駅へと続く
街のメインストリート(歩行者天国)をあるいて、レストラン探し。

ちょっと横道に入ったところに、郷土料理が食べられそうな、かわいいお店を発見。
店の外に出ているメニューをじっ~くり眺めて、入ることに決定。



旦那ちゃんは、ビールと、シュバーベン地方の郷土料理を。
私はアプフェルショーレ(炭酸りんごジュース)と、白身の魚のフライを注文。
ランチメニューなので、ワンディッシュだったけど、ボリュームは充分。
とても美味しくて大満足だった。今度人を連れてきた時も、この店にこよう。

お腹が満たされたところで、【フィッシャーフィアテル】(漁師の一角)といわれる、
運河沿いの古い家々が立つ、趣のある街並みを散策。
ミュンヘンよりも寒いのか、4月20日でまだ桜が咲いていた。
どの家も競い合って窓辺に花を飾っていて、のんびり散策しているだけで楽しい。
川魚料理のレストランや、アンティークの店、工芸品の工房などが並んでいる。
小川沿いには水車もあって、ここだけゆっくり時間が流れているようだ。

漁師の一角に、【シーフェスハウス】という建物がある。
1443年建造の木組みの家屋で、現在もホテルとして使用されていて観光名所になっている。
日本のガイドブックにも、たいてい載っているようだ。
”シーフェス”とは、”傾いた”という意味。
画像を見てもらえれば、分かると思うが、
家の1階よりも2階、2階よりも3階のほうが、外側に出て、運河の上にあるのだ!
まさに”傾いた家”だった。

     シーフェスハウス→ 

運河沿いに進むと、そのままドナウ河の岸辺に出る。
穏やかなお天気だったので、地元の人たちも岸辺をたくさん散歩していた。
川沿いに古い城壁が続いていて、その上も歩くことができる。
ゆったりと流れるドナウ河と、大聖堂の塔と、木組みの家々を見ながら
しばらくのんびり散策。

ウルムのもう一つのみどころ、【市庁舎】は1370年建造のゴシック様式。
当初は商店で1419年から市庁舎になったそうで、
壁には、昔のドナウ河の船の様子などがフレスコ画で描かれ、中央に大きい天文時計がある。
ミュンヘンの新市庁舎のような迫力はないが、
まったく異なった雰囲気で歴史を感じる趣のある建物だった。

最後に行ったのが、
アインシュタインとアルブレヒト・ベルブリンガーの像の前。

アインシュタインはすでにご存知と思うので、
アルブレヒト・ベルブリンガーについてちょっと説明を。。。。
彼もまた、ウルム出身の著名人。
「ウルムの仕立て屋」と呼ばれる彼は、1811年に、人類初の飛行を試みた人物。
(結果はドナウ河に墜落・・・笑)
前述の市庁舎内には、ベルブリンガーの飛行機の模型が展示されている。

この2人の像は、どちらも街のはずれの住宅地にあって、ちょっと遠かった。
注意して探さないと見つけられない小さな広場に、それらの像があった。
アインシュタインの像は、旧武器倉庫の前に。
かつては武器倉庫だったのに、今は普通に人が住んでいる様子。
市営住宅といったところだろうか。

ベルブリンガー像の前では、歩き疲れてちょっとハイになったのか、
こんなポーズで写真をとってきた。。

 ←はい、ポーズ♪

ウルムの街は、残念ながら日本のガイドブックには
それほど詳しく取り上げられていないようだが、
みどころは充分。ドナウ河とともにあるドイツの魅力あふれる街だった。

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