そういちの平庵∞ceeport∞

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ホドロフスキー


オルゴは、いつもサディスティックでセクシュアルな関係を欲している。
コンチャは、幼い頃に強姦されたうえ両腕を切り落とされ「聖なる血」を流した乙女の像を狂信的に崇拝する教団に入っている。
フェニックスは、繊細で感受性の強い少年。父親の浮気相手である刺青の女が連れている聾唖の少女アルマと心を通わせている。
ある夜、オルゴの浮気現場をおさえたコンチャは彼の陰部に硫酸をかけ、激怒したオルゴは彼女の両腕をナイフで切り落とし、自らも喉をかき切ってしまう。
一部始終を目撃していたフェニックスは、精神を病み施設に収容される。やがて成長し施設を出たフェニックスは母親と再会、親子の奇妙な一心同体芸で、フリークス・ショーの人気者となる。
その裏で狂気の母親の意のままに、おぞましい殺人を夢遊病のように犯してゆく・・・
てな話の映画「聖なる血」それに「エルトポ」見る

家族の関係でのトラウマや心の病に殺人
これらのモチーフはそもそもギリシャ神話を初めとして世界各地にある
そもそも「心の闇」なる言葉そのものがわが国では大昔から使われ
原意が「親が子を思う心」なのだ・・・・意味深だよな

オゾマシイ話なのに何故か見終わると清浄な気持ちになる
何よりも人の持つ狂気や残忍さが見事に映像化され芸術として昇華されている
やはりこの監督は只者じゃあねえよな
ついでに「エルトポ」も見てしまう
こちらは2回目か?
こちらの方は深遠なテーマを壮大に描く叙事詩だ
フェリーニの「道」も残忍な話だけど見終わると
何故か人の生きていく上での悲しみだけが心に残る

「生まれるのは偶然

 生きるのは苦痛

 死ぬのは厄介」

と言う聖ベルナールの言葉を思い起こす

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