オウム真理教と雅音ちゃん
「何故戦争は人を殺すのに戦勝国は裁かれず負けた国の幹部は殺されるのか」
「大学３日で辞めました、こんな教授や学生がこれからこの国を作るとした駄目だなと思ったんで」
人間や社会の抱える矛盾を突き詰めると答えは2つ
自分が変るか社会を変えるか？
オウムにはこの双方を求める若者が集った
「人の命は地球より重い」と言う人嘘
１００万円前後で売られ東南アジアから今日もこの国にやってくる若い女性もいる
アラブの富豪は子供を安く買い性具にする
アメリカには牧場という名の要人専用の人間牧場がある
これまた性具や殺人ビデオの材料
そう・・・人の営みは変らず
純粋な人は宗教に走る
さらに弱い人が発病するのかも知れない
昔、雅音ちゃんという子がいた
久里浜病院で一緒に入院していた
彼女は、純粋でマジメで優しい
学校で虐めに会う、良い子ぶってるという理由で
孤立し何も信じられなくなる
「それまでドラマみたいに人間は皆良い人なんだと信じてたんです」
「だけどどうやらそれが違ったみたいで」
彼女は意識が朦朧とするくらいの薬を飲みながら
僕が退院したあとも僕の為に寄せ書きを作ってくれた
一日１人ずつ位のペースで・・・・
ここまで純粋だと生きられないよなと思った
彼女の母親は躁鬱病、父親は自衛官娘の面会時この父は娘の知能テストをする
それが彼にとっての慰めだった
似たような気持ちは僕の中にもあり
スプレーかけられた夜店のひよこを見ると哀しくなる
人の悪口聞きたくない
若い頃の僕はそうだった
今ではもうすれっからしになり
人間そういもんだと早い時期からどこかで諦めてる
社会や己の矛盾や憎悪や醜さをどこかでごまかしながら生きてる
オウム真理教は僕たちの鏡
出家した人たちはどこかこの社会に絶望して生きてた
このような純粋な魂を社会は蝕む
そして人生を賭けるに値する何かをオウム以外に見出せなかった
僕は、そこに共感する
建前という嘘
子供に売春はいけない人殺しはいけないと
いくら大人がいっても大企業には風俗接待係りが存在するし
ソープランドでは日夜売春が行われる
弱いものが日夜世界中で殺戮される
だから援助交際も弱いもの虐めも大人の真似してるだけ
じゃあ一体真実って？
理想の社会って？
そんな事を真剣に考えてた時代があった
今はあまり外側に求めない
自分自身がそこそこ成長できれば良い
心はいつも半開き
半ば閉じ、半ば開き
半ば諦め、半ば諦めきれず
しょうがねえやと思う事で自分を誤魔化す
この誤魔化しが出来ないと発病するようだ
矛盾や相反するものこれらを整合性を持って突き詰めて考えると
脳も心も分裂する
そういう人を沢山見た
雅音ちゃんが生きられるような社会
そんな社会を夢想し希望しながら
今日一日生きるだけ
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