かりん御殿
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14歳の長男に関するバカっ母ブログを書き終えた所で「中1自殺 携帯の留守電におえつ 」という見出しに衝撃を受けた。この事件に対して「こんな事くらいで自殺するなんて」という非難が少なくなかったが、自殺の理由に「こんな事くらいで」なんて無い。残された者に思い当たる事が「こんな事くらいで」にすぎないんだ。たぶん、種々要素が宝くじやら金庫の数字のように丁度合って自殺の扉が開いてしまったんだと思う。自殺をする本人にはこんな事でも、そんな事でも自殺しか道が残されていない。抗議の自殺や悔悟の自殺や他殺後の自殺は別としてむしろ自殺する時には明確な理由なんてないんじゃないか?明確な理由がわかるような状況だったら死なないんじゃないだろうか?あれこれ辛い事が重なってもう、何もかもが、どうでもよくなって或はとにかく、救われたくて...そして残された道が死しかなかったそれが自殺なんじゃないだろうか。検索すると比較的詳しい報道が見つかった。http://mainichi.jp/seibu/news/20090129sog00m040004000c.html 福岡・中1自殺:担任の体罰で昨年6月にも「死にたい」と漏らす 3日前にも相談メール少年は、去年にも自殺未遂を起こしている。死ぬ、死ぬ、と言って死なない人もいるが死なない人だって死ぬと言っている時に辛い事は確かだ。我が家も、この家の家族構成と似て14歳の長男、小学生の次男なのでこの記事を読むだけで辛い。ご両親の悔やまれている姿が書かれているが本当に悔やんでも悔やみきれないだろう。でも、これはもう、運命なんだろう。前回の自殺未遂から今回の自殺までにもっと手を打てたのかもしれない。数日前に、泣きながら電話していた時に何か、もっと、できる事があったかもしれない。長男が家から勤務中の母に電話している時まだ家にいた父が気付いていたら何とかなったのかもしれない。家を出た息子が朝ネットで自殺の方法について検索しているのに気付いた時点で、お父さんが急いで家を出ていたら、引き止められたかもしれない。でも、今回の難関を越えてもこの子は、また、自殺していたかもしれない。やっぱり運命だったんだとしか思えない。そう思わなければ辛すぎるというのもある。担任は、忘れ物二つで生徒の頭をげんこつでたたくルールを決めていた。自殺の数日前にも、この子は、忘れ物をしてげんこつで叩かれ、さらに、部活を休み叩かれていたという。自殺した当日は、やり忘れた宿題がかばんの中から見つかったという。忘れ物をして体罰を受けても泰然としている子もいる。私も、中学高校と先生に平手打ちにされたり後ろから本数冊で頭を殴られたり覚えているだけでも、かなり体罰は受けているけれど、そんな事は、全く、応えないタイプだった。むしろ、中学の時は、娘が体罰を受けた事に動揺したのは母で、学校に電話をかけて事情を聞いてやんわりと抗議していた。それで、その後は、私も、体罰については言わないでおいた。しかし、たぶん、問題は体罰の痛みとかじゃないはずだ。大人と子供のはざまの13歳という「多感な年齢」では「大人から見て十分子供な子」に対する体罰が、子供の自尊心への致命傷となる事もあるのだ。もちろん、傷つけられるのは自尊心だけじゃないだろう。もちろん、体罰だけが自殺の原因でもない。ただ、この子はパニック状態になったんじゃないかと思う。おそらく、体罰を受けることもいやでいやでたまらなかった。しかし、宿題を忘れて、その日の体罰は必須。それは、一種のアレルギー発作のようなものじゃないか?ちょっとでも越えたら発作が起きる。発作が起きる前と発作の間には細い細いラインがあるだけ。とにかく、学校に行きたくなかった。もう、学校に行かなくてすむ方法を探る事しか頭に無かった。不幸なことに学校に行かなくてすむ方法として死しか思いつかなかったのだろう。あまりにもナイーブかもしれない。でも13歳というのはナイーブであって十分おかしくない年齢だ。もっと大人でもっとナイーブな人を私は、たくさん、知っている。うちの14歳の長男のように、どちらかと言えば、たくましいタイプの少年でさえ時々ナイーブな一面で私を驚かせるのだ。また二人兄弟の兄というのは(おそらく二人姉妹の姉もだが)両親という大人と弟、妹という子どもの間にはさまれる存在だ。下の子より確実にプレッシャーは大きい。これが二人でも、兄妹、姉弟だったり三人以上の兄弟姉妹だったりするのと随分、事情が違う。これが、兄、姉にとって、うまく作用する場合もあれば単に負担となる場合もある。どうやったら子どもの自殺を防げるのか...月並みな言葉だがそれは親の永遠の課題永遠の懸念永遠の恐怖永遠の痛みだ。少年は死によって安らぎを得ただろうか。もし少年が安らぎを得たとしたらたとえ、それが、親にとっては体を切り刻まれるよりも苦しい痛みと生涯癒される事の無い傷と引き換えに得られたものであっても親は、まだ、慰められるのではないか。少年の魂が安らかにある事を祈る。
January 29, 2009
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