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2005/12/19
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カテゴリ: 映画・テレビ好き
無教養な私が、レヴィ=ストロースを知った時は衝撃的だった。

音韻論と親族システムから二項対立の法則を発見し、それをあらゆる社会制度に当てはめる議論の進め方は壮絶だ。
言語学から比較文化論を経て、その成果を全ての学問に広める軽やか過ぎる思考の離れ業に、何て頭のいい人なんだろうと思った。

私は以前から、「科学」とは自然科学のことであり、社会科学が果たして「科学」の名にふさわしいのか訝しく思っていた。
自然科学はサイエンスだが、社会科学をサイエンスとは呼ばない。

経済学はともかく、政治学に「科学」という術語を使うのには違和感を感じる。宗教団体の名称に「科学」の語を使うのと同等に怪しいと考えていた。

ところがレヴィ=ストロースの議論の進め方はまさしく科学の名にふさわしいものだ。
音素は二者択一の組み合わせでカタログ化され、親族システムの疎遠度には法則があるという発見には驚嘆した。

親族システムの法則とは、複雑で解きほぐしにくい親族の人間関係も、実は無意識がもたらした「一般的な、隠された法則」があり、人間が社会構造を作り出したのではなく、社会構造が人間関係を決定する、ということなのだ。





努力してみよう。



レヴィ=ストロースの卓越した理論の例を挙げると、親族システムにおいて

「夫・妻と親しければ、兄弟姉妹とは疎遠」
「夫・妻と疎遠ならば、兄弟姉妹と親しい」

つまり1人の人間が、夫・妻と、兄弟姉妹の両方と親しく付き合うことはあり得ない、というわけだ。
夫と親しければ、兄貴とは仲が悪くなるか付き合いが薄くなり、仲良し姉妹はそれぞれの夫と離婚寸前ということである。

レヴィ=ストロースは世界中の民族の家族の疎遠関係を調べ上げて、この法則を導き出したらしい。

かつて話題をさらった花田家の喧嘩にも、レヴィ=ストロースの説が当てはまるわけで、

「貴乃花は河野景子と親しいが、若乃花とは疎遠」
「若乃花は美恵子夫人と親しいが、貴乃花とは疎遠」

まさにレヴィ=ストロースの説を鮮やかに証明している。


構造主義の枠の存在が鮮やかに眼に見えるようだ。

またもう一つ、レヴィ=ストロースによると、

「父と親しければ、母方の叔父とは疎遠」
「父と疎遠なら、母方の叔父とは親しい」

内田樹氏の例を引用すると、「男はつらいよ」で「満男は母さくら(倍賞千恵子)の兄・叔父の寅さん(渥美清)とは親しいが、父の博(前田吟)とはギクシャクしている」というわけだ。



貴乃花は自分が、生前の二子山親方と信頼関係で結ばれていたことを主張していたが、二子山親方が死んだ今となっては、死人に口なしで二子山親方の意志を聞く事はできない。

そこで、レヴィ=ストロースの説が生きてくる。
もし、貴乃花の母方の叔父がいるなら、つまり母憲子さんの兄弟が存在するなら、その人と貴乃花の仲を調べれば、貴乃花と二子山親方の仲が良かったのか悪かったのか判別できる。

「貴乃花が母憲子の兄弟と親しければ、父二子山親方とは疎遠」
「貴乃花が母憲子の兄弟と疎遠なら、父二子山親方とは親しい」

これは若乃花にも同時に言えることだ。

お母さんの憲子さんの兄弟である叔父の動向を、ワイドショーはクローズアップして欲しかった。

叔父が「貴乃花はダメだ、人でなしだ」と発言すれば、貴乃花と二子山親方は自動的に疎遠ということになる。
なぜなら、20世紀後半の思想界を席巻した、構造主義の立役者レヴィ=ストロースが決めたことだから。

レヴィ=ストロースの構造主義のイロハをかじっただけでも、ワイドショーの見方は大きく変わってくる。





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Last updated  2005/12/19 12:36:03 PM


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