只今思案中

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ばあやのXマスプレゼント2



マサオとシロの後ろすがたをいつまでも見送っていたぼっちゃま二人。
ねえや「さあ、マコトぼっちゃん・・・お布団に入ってくださいませ。
    リュウぼっちゃんもいらっしゃい、
    ねえやが楽しいご本を読んでさしあげましょう」
リュウ「ねえや、ばあやは大丈夫?」
ねえや「マサオさんとシロがちゃんとばあやさんを連れて帰ってきますよ。
    賢くして待っていましょうね」
マコト「ねえや、僕・・・怖くて震えが止まらない・・・」
ねえや「大丈夫、ぼっちゃま方にはねえやがついています。
    さあ、おててをつないでおきましょう。
    ね、リュウぼっちゃまも」
マコト「うん、ねえやがぎゅう~と僕たちを捕まえておいてね。
    それでないと、僕・・・お山に向かって走っていってしまいそう・・」
リュウ「うん、おにいちゃま・・・僕もマサオさんとシロと一緒に行けば
    良かったって・・・走りだしそう」
ねえや「いけませんよ、ねえやと一緒に待っていましょうね。
    きっと、シロがばあやさんのにおいを嗅いで見つけ出します。
    シロはね、この間・・・ばあやさんを噛んでしまったでしょう、
    きっと申し訳ないって思って雪の中でもしっかり探しますよ」
マコト「そうだね、シロはとっても頭がいいんだよ」

布団に入ったマコトとねえや、リュウは手をつないで祈るように待ちました。
ワンワンワン・・・
遠くから犬の鳴き声が・・・

リュウ「あっ、シロだ!シロが帰ってきたんだ・・・」  (つづく)


さあ、シロは?ばあやさんは?マサオは?どうなる・・・




雪がやんで空には冴え冴えとした月と星が出ております。
シロは後ろを振り向き、振り向きしながらマコトの方に向かって
走ってきました。
シロの振り向く先にはマサオが・・・

リュウ「マサオさん~~~~ばあやは~~?」
マコト「マサオさん、僕、ちゃんと賢くして待っていたよ~~」
ねえや「ばあやさんは・・・」

声が聞こえたのか、マサオは体を斜めにひねって背中を見せました。
ねえや「あっ、ばあやさんがおんぶされてる」
マコト「ばあや~~~~」
リュウ「ばあや~~~、大丈夫~~?」

マサオ「ばあやさんは大丈夫です。ちょっと足を痛めていますが・・・
    大丈夫ですよ。
    シロが見つけてくれたんですよ」
ばあや「申し訳ございませんでした。皆様にご心配を・・・
    足をくじいて炭焼き小屋で休んでおりましたら、
    吹雪に降り込められてしまいました。
    大変申し訳ございませんでした」
マサオ「シロがどんどん山を登って行って炭焼き小屋で吠えましたので
    助かりました。私一人では見つけられませんでしたよ」
ばあや「大変心ぼそうございましたが、おぼっちゃまがたの
    ばあや、助けに行くから待っててね~ってお声が聞こえて・・・
    ああ、しっかりしなくては。この薬草をもって帰って
    ぼっちゃまにお薬をさしあげなくては・・・と思いましたよ。」
マコト「ばあや、ありがとう。僕、苦くてもちゃんと飲むよ。
    はら、早く火の近くに・・・」うるうる~~


ぼっちゃまお二人の祈りはサンタさんに届いたようですね。
ばあやさんは足を痛めただけで無事生還。
シロも・・・やっとこさ名誉挽回ができましたとさ。

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