私ぐらいの年齢になると、いろんな意味でガンジガラメに縛られてることが
多くて、いつしか希望も夢も失ってしまいそうになるんですが、慌てては
いけない、腐ってはいけない、何とか頑張って新しい人生の扉を開きたい、
という気分にさせてくれます。
友人が進めてくれた時に、
「人生に行き詰った時にはこれ」と言ってくれたのですが、本当にそうですね!!この映画、カメラワークがとても美しい!俯瞰の絵をとても上手に使ってる
と思いました。ご覧になった方ならお分かりと思いますが、ラストのブルーは
とても美しい色ですね!
あらゆる出来事が淡々と進行する、私の好みの映画でした。教えてくれた友達に感謝です。
映画の出来栄え、芸術性という点では最高です!凄い映画!
・・・なんですが、あまりに重たくて哀しい!救いがまったくない!
イザベル・ユペールが演じるのは、感情表現をなくしてしまったかのように
硬い顔をしたピアノ教師。生徒に対しても辛辣で、表情も石のように
こわばってるのですが、それというのも、絶対に誰にも受け入れてもらえない、
絶対に誰からも愛されない、という秘密を持っているからなのです。
おそらくその秘密ゆえに、彼女は自分で自分を受け入れることができない、
愛することもできない。。
つまるところ、向っていく着地点は狂気と破滅しかない、という、
重苦しい愛の話しです。
物語は淡々と進行するのですが、ある事件をきっかけに、一気に狂気へ
向って突っ走っていくことになります。彼女はわずかに残された「最後の正気」
に何とかしがみつきながらピアノの教師を続けますが、ほどなく、完全に破綻
していきます。
ラストは本当に衝撃的。
ピアニストというタイトルなだけあって、それまでは音楽(ピアノ)に彩られ
て物語が進行するのですが、衝撃のシーン以降は一切無音!エンドロールも
全部無音なんですよ~!
そのコントラストがあまりに哀しく、本当に怖いほどでした。
イザベル・ユペールの演技は凄いとしか言いようがなく、もう一度見れば間違い
なくもっと深くその演技を味わえると思うのですが、あまりに重た過ぎて2回目
見る気にはなれません。
明日はコメディ見てスカッとします(笑)ものすごくよくできた映画ですが、↑↑↑のような事情により、
「面白かったよ~!」と、人様にお勧めできるような映画ではありません。
本当に哀しい気分になってしまいますが、それでも良ければどうぞ、という感じかな?
ね?もうこれだけで、かなりいい加減で面白そうでしょ?
ものすごく馬鹿臭いことを大真面目でやっていて、ゲラゲラ安心して笑えます。いい映画ですよ~!なにしろ教訓めいたところが何もない!(笑)
ラストシーンはワタクシ的にはかなりGOODでしたが、賛否両論ありそうです。
☆ご注意(1)
暗号機「エニグマ」によほど興味がある場合は、この映画を見ましょう。
☆ご注意(2)
主演のダグレイ・スコットによほど興味がある場合は、見ましょう♪
☆ご注意(3)
ケイト・ウインスレットによほど興味がある場合は、見ましょう。
☆ご注意(4)
ジェレミー・ノーザムによほど興味がある場合は、見ましょう。この人、ゴスフォード・パークに出てたらしいけど記憶にないなー?(笑)でも見たことある人だった(笑)
以上のご注意を守った上でご覧になると、案外楽しいかもです。
全体の筋は後で考えると非常に簡単なんですが、プロットが必要以上に複雑で、ついて行くのに少し骨が折れました。エニグマについてかなり予備知識持ってたので、ワタクシ的には面白かったですが、映画としてはやや地味めかも??後半になって脚本が「一言でいろんな真実を推測しなきゃいけない」ってのが多くて、少し戸惑いました。
もうちょっと「暗号解読」の苦労に焦点をあててほしかったのですが、映画ではやはり難しいかなー?
新潮社から出てる、サイモン・シンという人の書いた本「暗号解読」は最高ですよ♪本読むのがお好きな人にはぜひお勧め!
「リトル・ダンサー」は、今良くも悪くもいろいろ話題になってる「巡り合う次官たち」じゃない「時間たち」(笑)の監督さんの、初の長編作品です。次官たちは賛否両論らしいですが、「リトル・ダンサー」は、ワタクシ的には★★★★☆ぐらい星をあげたい作品ですね~!!とてもいい映画でした。小さな男の子が、自分の心の中から聞こえてくる声の命ずるまま、周りの大反対や偏見や意地悪を押しのけて、なんとバレエダンサーを目指す、というオハナシ。生きて行く勇気と元気を少し分けてもらえる感じがします。今の世の中、「本当にやりたいこと」がなかなか見つけにくい仕組みになってしまっていますが、運良く「やりたいこと」に出会えた人はとても幸せですし、さらに運良く「そっちのほうに向かって行く」人生を歩める人は、もっともっと素晴らしい!
やはり、プロセスこそが人生だなあ、とこの年になるといっそう強く感じるデスよ。いくつになっても、「俺は何になりたかったんだっけ?」という問いかけを絶対に忘れずに生きて生きたいなあと思いましたよ。
ところでイギリスの映画って、映像がすごくキレイですよね~!風景とか街並みの使い方が、とても上手なんでしょうね、きっと。少年が街の中で踊るシーンは秀逸です。
ちなみに私は「交渉人」というタイトルを耳で聞いただけで、なぜだか「公証人」という映画だと思ってたんです。なんかパトリス・ルコント系の映画かなーとか、「お互いに公証しあうって、きっと何も起こらない映画だな」とか、まったく見当違いのことを考えていたので見たときはけっこう衝撃的でした。
そもそもタイトルが「交渉人」だとは!!(笑)原題のネゴシエーターのほうがいいんじゃないの???
と、映画本編にほとんど関係のない話になってしまいました^^