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強盗殺人の罪で服役中の兄、剛志。弟・直貴のもとには、獄中から月に一度、手紙が届く……。しかし、進学、恋愛、就職と、直貴が幸せをつかもうとするたびに、「強盗殺人犯の弟」という運命が立ちはだかる苛酷な現実。人の絆とは何か。いつか罪は償えるのだろうか。犯罪加害者の家族を真正面から描き切り、感動を呼んだ不朽の名作。最近は義両親の介護の他に、自分の父親の入院が重なり、さらにバタバタと慌しく過ごしていました(^_^;)私は車の運転が出来ないので、公共の交通機関を乗り継ぎ実家に何度も帰っているのですが、実家までマイカーだと片道3時間で済むところが、博多駅まで3時間、そこから実家までがさらにバスで1時間ほどかかるので、なんとも疲れます(; ̄ー ̄A アセアセ・・・本を読むくらいしか暇つぶしの方法がないので、書店で平積みしてあったこの本をなんとなく手に取ってみました(^^*読んでいると、もう涙、涙・・・・。高速バスの中では鼻をすする音が鳴り響き、さぞかし鬱陶しかったことと思われます・・・・。兄が投獄され、一人きりとなってしまった弟。生きていくために懸命に頑張るのですが、常に「兄が殺人者」という暗い影が付きまといます。夢は何度も砕け散り、そのたびに兄を恨む気持ちがつのる弟。そんな弟のもとへ、兄の獄中からの手紙は毎月届き、次第に弟はその手紙を読まずに処分するようになって・・・・というお話。(T-T)犯罪者の身内とは、こんなにも辛い、苦しい思いを味わうのか・・・・と改めて気付かされました。本の中に出てきて印象深かったのは自分が罪を犯せば、家族をも苦しめることになる・・・・すべての犯罪者にそう思い知らせるために、差別は必要なんだ。という文章。理不尽な差別に苦しんでいる直貴につげられた言葉です。本当に、犯罪を犯す前に家族のことをしっかり思い出せば、犯罪なんてものはなくなるのかもしれない・・・・と思いました。このお話は映画化されているそうなので、ビデオになったら見てみたいな~~と思っています♪手紙
2007年03月05日
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君だったのか、俺が探していたのは。走るために生まれながら、走ることから見放されかけていた清瀬と蔵原。二人は無謀にも陸上とは無縁だった八人と「箱根」に挑む。走ることの意味と真の“強さ”を求めて……。新直木賞作家の本領全開、超ストレートな大型青春小説。三浦しをんさんの本は、アンソロジーに収められている短編しか読んだことがなかったので、((o(^ー^)o))ワクワクしながら手に取りました。この本は去年読んだのですが、もう、もう・・・・!!箱根駅伝最高の一言に尽きます・・・・!今まで知らなかった箱根駅伝の魅力に、改めて気付かされました。全くの素人に箱根駅伝を走らせる、その努力の日々。みたいな、ありきたりなスポ根物語かと思いきや、そんなことはなく。走れ、「速く」ではなく「強く」。強くある、とはどういうことなのか。優勝することだけが、本当に「強い」ことなのか。読み終わった時には、もう感動して、興奮して、もう一度箱根駅伝が見た~~~い!!!という気持ちで一杯になりました。この本の表紙に、イラストと共にいろんなことが書いてありますが、できればそれは見ずに・・・!目をつぶってレジに差し出すような気持ちで!(んな無茶な)本を読了後、改めて表紙をじっくり見るといいですよ~~~私も、読了後まじまじと表紙を見て、あらためて「うんうん!うんうんうんうん!!」と嬉しくなりましたヾ(〃^∇^)ノ♪スポーツ物の本としては、森絵都さんの「Dive!!」(2006.08.01の日記)と同じくらい、大好きな本になりました。風が強く吹いている
2007年02月09日
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魔法が本当に存在する国インガリーで、三人姉妹の長女に生まれたソフィー。ある日ソフィーは『荒地の魔女』に呪いをかけられ、九十歳の老婆に変身させられてしまう。家族を驚かせたくないと家出したソフィーは空中の城に住む、うぬぼれ屋で移り気な若い魔法使いハウルのもとに、掃除婦として住み込んだが・・・ご存知宮崎駿監督作品の「ハウルの動く城」の原作本です(^.^)/先日「ハウルの動く城」をテレビで初めて見て、すごくハウル萌え面白かったので、ずっと読みたいと思っていましたもともと「ハリーポッターシリーズ」みたいなファンタジー物が大好きということもあるかもしれませんが、翻訳物にしてはすごく読みやすく、違和感もなく読むことが出来ました。「ハウルの動く城」を先に見ていたので、やはりその視点から読んでしまうのですが、う~ん、「ハウルの動く城」に出てきたシーンが登場するところもたくさんあるのだけれど、ほとんど別のお話として読んだ方がいいかな?「原作に忠実に作られたアニメ」ではないのは、確かだと思いました。でもどちらも、それぞれ、私は大好きです宮崎駿監督は、「戦争」を特にクローズアップして、「ハウルの動く城」を作ったんだなぁと思います。もちろんその根底にあるものは「反戦」で、それは特に今の世に必要なメッセージかもしれません。原作では実は「戦争」はほとんど物語には関ってこなくて、どちらかといえば、ハウルVS荒地の魔女といった感じです。アニメでは「荒地の魔女」を美輪明宏さんが吹き替えされていて、そりゃあもうハマリ役だなぁと喜んで見ていましたが、原作ではもっともっと極悪人なので驚いてしまいました。アニメでは、ソフィーが帽子屋をやっていた背景や、えらく若いお母さんのこと、すごく美人の妹のことなど、ソフィの生まれ・育ちについてはわかりにくいところがあったので、原作本を読んで、なるほど~!!と思ったところもたくさんありました(^^*ハウルについては、原作でもアニメでも、どちらも素敵すぎ(*/∇\*)良かったです(キッパリ)この本には続編があるそうなので、次はそちらを読んでみたいと思います「魔法使いハウルと火の悪魔」
2006年11月08日
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東京でカメラマンとして活躍する弟。実家に残り、家業と父親の世話に明け暮れる兄。対照的な兄弟。だがふたりは互いを尊敬していた。あの事件が起こるまでは…。2006年7月公開映画を、監督自らが小説化。 オダギリジョーが弟役を演じるというので興味を持った映画なのですが、監督自らが小説化したものを発見映画はものすごく評判がいいようで、何だったか海外での賞も貰ったそうなので、とっても見たいのですが・・・。長崎での公開は上映予定を調べたところ10月28日とまだまだ先(しかも一日だけ!?)なのですでも絶対に見に行きたいと思いました・・・・とくにこの本を読んでからは!ゆれるつり橋から転落した幼馴染の智恵子。傍にいたのは、兄の稔、一人だった。事故だったのか?殺人なのか?兄弟は、一体どうなってしまうのか・・・?本だけ読んでみても、十分面白かったです兄と弟の関係、兄弟と智恵子との関係がもつれあって、絡み合って、心がすごくゆれるのです。キャストがわかっているし、何しろ監督自らが書いた小説なので、微妙なニュアンスが伝わってくるんですよ。これはもう本当に、映画館に・・・行けたらいいな・・・・。「ゆれる」の公式サイトはこちら♪(フラッシュムービーがあってオススメ)「ゆれる」
2006年09月25日
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昭和五年七月、豪華客船・箱根丸は横浜港を出港、倫敦へ向かった。出港早々、殺人事件の容疑者が乗船していることがわかり、大騒動に。その後も、男爵令嬢の逃亡騒ぎ、幽霊船の出現など、奇妙な事件ばかりが起こり…。ミステリーの楽しみがギュッと詰まった、傑作オムニバス・ストーリー。 若竹さんの本は今のところ(私的には)ハズレがないので安心して手に取りました。この本は今まで何冊か読んだ若竹さんの本とは、なんか違うという部分がたくさんあり、嬉しい驚きでしたまず、昭和五年という舞台設定が良かったです。その時代というのを想像しつつ、なんとなくオリエンタルな気分で豪華客船を楽しめますそれと驚いたのは今回の主人公。主人公のくせに冒頭で登場したきり、ほとんど出てこないんです。( ̄~ ̄;)??冒頭部分で、主人公は兄に旅行記を書くように言われ(ほぼ命令ですが)、豪華客船「箱根丸」に押し込められることになります。時折兄宛に旅行記は順調です、という内容の手紙を送るのですが、主人公の姿は見えません(笑)。この謎も最後には明らかになるのですが、読後思ったことは若竹さん天才収められているお話は七編あるのですが、どのお話も本当~に面白かったです。いずれも豪華客船で起こったお話なのですが、解決したかのように見えたお話が別のお話の伏線になっていたりして、最後まで読んだ時には「技あり!」と思ってしまうこと請け合いですよ♪正直、ここまでの期待はしていなかっただけに、すごく得した気分です私が特に好きだったのは「幽霊船出現」というお話です。若竹さんのピリリとした毒が効いています・・・・一冊で読みきりなので、どなたにもオススメです↑画像がないけど名探偵は密航中
2006年09月18日
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森絵都、初の「スポ根」小説。日本ではまだマイナースポーツの水泳競技《飛込み》。学園生活を送りながらダイビングクラブに通い、オリンピックをめざしはじめた少年ダイバーたちをドラマチックに描く!先日、「風に舞いあがるビニールシート」(未読です)で直木賞を受賞した森絵都さんのスポ根小説です。森さんの本は何冊か読みましたが、どれも本当に良かった!その森さんの代表作と言われるこの小説、読んでみたいな~と思っていたところ、偶然図書館で全巻並んでいたのでゲットしてきました。ヾ(〃^∇^)ノ♪1,2,3巻はそれぞれ違う少年の視点で描かれており、4巻ではその少年達やその周りの人々の視点も交えながらまとめていきます。とかく華やかな雰囲気がある「競泳」と違って、「飛び込み」はまだまだ日本ではマイナーなスポーツといえると思うのですが、この一冊で「飛び込み」の魅力が十分に理解できます!そして登場人物達が、それぞれみんな味があってイイ男(*/∇\*)なんです~~!!!試合ではライバルだけれど、その他のところではすごく分かり合える仲間たち。オリンピック選手を争う少年達の日常が、生き生きと描かれています。もう、面白くて面白くて、とにかく一気読みでした!!!森さんって、こういう小説を書いてもウマイんだなぁ~なんて、正直驚いてしまいました。時々爆笑しながら、感動しながら、ドキドキハラハラしながら、楽しめる本。オススメです♪(^.^)/「Dive!!(全4巻セット)」*追記*全4巻、と書きましたが、今はコンパクトな文庫サイズもあるようです。こちらの方が場所もとらないし、お値段的にもオススメです♪ Dive!!(上) Dive!!(下)ようやく「おたふく」が治った長男と、その巻き添えをくって外遊びが出来なかった次男は、今日から「夏季短期スイミングスクール」に通っていまーす!!送迎バスがあるので、私はついていかなくてもなんですよ♪たった2時間くらいの間ですが、あ~~~なんだかすごい久しぶりに一人になりました!!これぞまさに「子鬼のいぬまに(命の)洗濯」です。このスイミングは5日間という短期のものだけれど、これが終わっても長男は引き続き通う予定です。長男の通う姿を見れば、今は嫌がっている次男もゆくゆくは・・・ヒッヒッヒ・・・・な~んてことをもくろんでいる私です。(気管支が弱い次男にこそ、本当は通って欲しいんだよなぁ)それにしても毎日暑い
2006年08月01日
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ベストセラーの第2弾。医師・スクールカウンセラーの著者が、子育てに関する質問の中から、特に大切なものを取り上げ、具体的に答える。 今すぐ実践できるアドバイスが満載で、子育て中の母親だけでなく、父親、祖父母へのメッセージも込められた、家族みんなが笑顔になれるQ&A集。この本を読んだ時の一番の感想は、もっと早くこの本に出逢っていれば・・・・。でした。「三つ子の魂百まで」とよく言うけれども、その言葉の本当の意味は意外と理解されていないものです。他にも「抱き癖がつくから、あまり抱っこしない方が・・・」なんて、私が育児真っ最中の時にも、よく人に言われたりしていました。昔から当たり前に言われている言葉だけれど、中には間違っている言葉や誤解されている言葉もあるんですよね。その意味から言っても、この本が本当に必要とされるのは、子供が3歳くらいまでの家庭だけれど、その時期はとにかく忙しくて本を読む暇などありはしません(^^;)でもこの本はそんな忙しいママさんやパパさんも読みやすいように、イラストがたくさん描いてあるので本を読むのは苦手!という人にもすごく読みやすいと思います(^.^)/我が家のお坊ちゃん達はもう4年生と2年生だけれど、それでもすごくためになるなぁ!という箇所がたくさんありましたよ。例えば「ゲームばかりしているのですが、どういう風に声をかけたらよいか」とか。ギャオーッと怒ってやめさせると、自分も嫌な気持ちになるし、子供もムスーっとしますよね。(我が家のいつものパターン・・・)ゲームに限らず、いろんな約束事をどうやって守らせるか、とか。特に私が一番「読んでよかった!」と思ったところは、兄弟喧嘩についてです。今までは割ってはいって、どちらもギャーギャーしかりつけていたんですけど(^^;)、次回からはこうしよう、なんて思いましたよ。実は前作も持っているのですが、どちらも本当にオススメです!でも、どちらの方が・・・といわれると、私は2の方をオススメします。というのは、前作の内容にも触れながら、今作は「おじいちゃんやおばあちゃん」と子供の関り方についても書いてあるからです。同居している家庭も、そうでない家庭にも本当にためになるアドバイスだと思います♪どちらの本にも共通して言えることなのですが、この本を読んだママ達が私だって結構頑張ってる!って気持ちになれるところが、育児をするうえで一番良いことなのかもしれません。前作もオススメ!「子育てハッピーアドバイス」「子育てハッピーアドバイス(2)」風邪がまだ治りません・・・。しかも、長男が「おたふく」にかかってしまいました・・・。夏休みだというのに、どこにも出かけられません!!!ちなみに、次男もまだ「おたふく」にかかっていないんですが・・・・。( ̄□ ̄;)
2006年07月24日
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どこまで行ける? どこまでも行こう! 森絵都がおくる、「旅」をめぐる超短編集。毎日中学生新聞に「Further sight 旅のかけら」として連載したものの中からの選りすぐられた40編に加筆して収録。 中学生を対象に書かれた短編集ですが、大人だって、もっと小さな子供にだって楽しめる本ですヾ(〃^∇^)ノあとがきに「(略)・・・旅から遠ざかっている方々に、ほんの少しでも異国の、見知らぬ土地の匂いをお届けすることができたら幸いです」と書いてありましたが、まさしくそれが「ショート・トリップ」の由来なのだなぁと感じました。一編は原稿用紙ほんの三枚分という短さでありながら、ある時は童話の世界へ、ある時は異国へとトリップさせてくれます。そして、何よりも、どのお話にもある種のユーモアが感じられて本当に満足できる読み応えでした。「ある種の」というのは、あはは!!と単純に爆笑してしまうものから、ちょっとブラックジョーク的なものまで本当にさまざまで、う~~~んさすが!!と思ってしまうこと間違いなしです(^^*特に私が大好きでもう何度も何度も読み返したのが「ならず者18号」。題名からして笑えるのですが、もうこれは最高でした!難しい言い回しを少し端折って子供達(4年生と2年生)に読んで聞かせると、子供達も大爆笑してました!(≧∇≦)/(他のも読んで~~読んで~~と言われてちょっと困りましたが)是非手に取って読んでみて欲しい一冊です♪「ショート・トリップ」
2006年06月28日
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ハリーの運命を予言した第5巻に続き、第6巻が過去の謎を解き明かす。「謎のプリンス」とはだれか?一段と成長したハリーの新しい恋人は?宿敵ヴォルデモートの戦いで、またしても悲しい別れが・・・待ちに待った、ハリー・ポッターシリーズの第六巻です!実は第五巻の「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」(2004.09.03読了)は、一度読んだきり、本棚にしまったままでした。なぜって・・・悲しくなるから!!!゜゜(´□`。)°゜。ワーン!!本当に、悲しくて悲しくて、いまだに思い出すだけで涙が出ちゃいます。読んだ方なら、きっと共感していただけると思うのですが・・・。ハリーにとって大事な人物の死。。。あの終わり方に「胸が痛むほど悲しい」以外の感想が持てず・・・結局、それきり手に取ることはありませんでした。。。そして、第六巻が発売!随分前に予約注文していたので、発売日の「午前中指定」で届きましたヾ(〃^∇^)ノそして家事も手を抜きまくり読破!!( ̄□ ̄;( ̄□ ̄;( ̄□ ̄;)!!ガガガーン!はぅ・・・。またもや、ハリーにとって大事な人の死が。。。でも、第五巻の時とは違いました。来年はホグワーツの最終学年となるハリーは、着実に成長しています!本当に、逞しく成長したハリーは格好いい!!悲しい出来事にただ落ち込み塞ぎこむのではなく(第五巻とは違って)負けるもんか!!という闘志が漲っています。前向きな気持ちで第七巻(最終巻)を待つことができる終わり方で、私も一読者として嬉しいです♪いよいよ最終巻。でも1つだけ心配なのは・・・・。な、何冊で終わるかな・・・なんとな~~く、これまでのように「上・下」巻だけでは終わらないような予感。。。最近ようやく、また第五巻を手に取ることが出来ました。やっぱり泣けてしまうけれど・・・。(T-T)でもきっと、あの人の死でさえもハリーを守ってくれる力になったはず!と、自分を励ましています。今から第七巻の発売が待ち遠しいです!!ハリー・ポッターと謎のプリンス
2006年06月13日
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母親とは?家族とは?普遍的なテーマを熱くリアルに語る著者初の長編小説。 読みやすさ、ユーモア、強烈な感動! 同時代の我らが天才リリー・フランキーが骨身に沁みるように綴る、母と子、父と子、友情、青春の屈託。この普遍的な、そして、いま語りづらいことが、まっすぐリアルに胸に届く、新たなる書き手の、新しい「国民的名作」。 リンクしていただいている元ファッションモデル!!の「極小セレブ」さまが絶賛していらっしゃったので、手に取った本です(^^*どこの書店でも「当店のオススメ」札はついているし、レビューでも人気だし、ということで図書館で予約したまま年越ししてしまいました(^_^;)実を言うと「リリー・フランキー」なる人を知らなかった私・・・。イラストレーター?作家?本を読んだ今でもなんとなく不思議な人物に思えます(笑)。リリーさんは偶然にも私と同じ福岡の出身だそうで、文中によく出てくる博多弁に吹き出しつつ読み進めました。リリーさんのオトンには爆笑!強烈すぎます・・・そしてオカンには・・・いづれ訪れる両親との、また、子供との別れ。頭の中でいくら予想はしていても、あれもしてあげればよかった、これもしてあげればよかった、と後悔の念に苛まれてしまいます。私もリリーさんのオカンみたいな、どっしりと子供を支える母にならなくては!子を持つ母親・父親・そして親を大事にしていない若者の皆さん(笑)に是非読んで欲しい本です。テーマとしては重いものなのですが、リリーさんの語り口はとてもユーモアにあふれていて重苦しさを感じないので、本当に万人にオススメです(^^*新年早々、こんないい本に出会えて嬉しいです!極小セレブさん、ありがとうございましたヾ(〃^∇^)ノ「東京タワー」
2006年01月14日
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「話題作『風紋』の続編」母親を殺害された娘。殺人犯の父親を持った少年。運命が変わったあの日から七年…。以前hamutanさんからオススメをいただいて読んだ 「風紋」(乃南アサ著)の続編です!母親を殺害された事件から7年後、真裕子は25歳になっています。七年たち、真裕子の姉は結婚し、父も再婚。だんだん「あの日」を忘れつつあるような日常の中で、真裕子の心の傷だけはいまだ癒えることなく・・・・《憎まれるのでも、恨まれるのでも、まだ自分のことを思う人がいる方が良い。空気のように消え去ってしまうよりは、醜いシミになって残りたい。》本当にねちっこいというか、執念深いというか、いじけているというか。真裕子の性格は相変わらずです。人の成功を喜べない、人が苦しんでいると嬉しくなってしまう。前作「風紋」でも、主人公には共感できない、と思っていましたが・・・。そんな真裕子も、父の後妻の連れ子である少年と触れ合うことで、だんだんと変化が!一方、殺人犯の父親を持つ少年は、いまだ自分の父が殺人者とは知らされないまま生活しています。しかしだんだん自分の出生に疑問を持ち始め・・・。分厚い上巻・下巻でしたが、もう、一気に読んでしまいました!!面白かった~~~~~!!!ヾ(〃^∇^)ノ(hamutanさんありがとう!)詳しくは書きませんが、ラストでは号泣でした。。。。今思い出しても、涙が・・・。(T-T)「風紋」を読んだ方は是非「晩鐘」も。「晩鐘」に興味を持った方は絶対に「風紋」から!!本当に、読み応えがあって面白い長編小説でした!!(^.^)/「晩鐘(上)」「晩鐘(下)」ついでに「風紋」も!(画像がないけど・・・)「風紋(上)」「風紋(下)」
2005年11月24日
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いくつもの週末にデートを重ね、サラリーマンの彼と結婚した著者。日々の想い、生活の風景、男と女のリアリズム。恋愛小説の名手が告白する、甘く、ときにはビターな「結婚生活」。あとがきによると、結婚してもうじき2年という秋から翌年の秋までに書かれたエッセイです。以前「赤い長靴」を読んだ時に本書を友人から薦められたのですが、なるほど!と納得。もう一度、「赤い長靴」を読み返してみたくなりました。「赤い長靴」は結婚10年目を迎える夫婦、こちらは新婚を脱しかけている(江國)夫婦。自然、想像してしまうのは、もしかして「赤い長靴」もエッセイに近いのでは・・・ということ。まぁもちろん、それは私の邪推なのですが。以前も感じたのですが、私は江國さんの書いた小説よりも、エッセイの方が好きかもしれない・・・!と、今回も思いました。数々のエピソードが書かれていますが、そのどれもが、ちょっぴり甘く、せつなく、ビター。結婚した誰もがきっと共感できることなのですが、さすがに江國さんだ、と感じる絶妙な表現力で書き綴られています。どれも大好きなお話でしたが、私が一番好きなお話は「一人の時間」。夫が仕事から帰ってくるとすぐにくっついてしまう著者。御飯を食べているときは、そばで見ている。新聞を読んでいる間は、そばで本を読んでいる。テレビを見ていれば、そばでピアノ(消音機能つきの)をひいている。あるとき、「こんなにずっとくっついていられたら大変よね。たまには一人になりたいわよね。」とつい、反省をこめて言った著者に対しての旦那さんの反応が、もう・・・。すごくいいんです。注:甘くないです(笑)江國さんのように、思ったことを口にできることはほほえましいことだなぁと思ってしまう私は、間違いなく結婚10年目を間もなく迎えようかという(まるで「赤い長靴」のような)主婦なのだな、感じました。これから結婚を、と考えている方にも、結婚して10年になるわ、というような方にもオススメのエッセイです♪「いくつもの週末」
2005年11月18日
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人類学者アーチボールドの家に、ある日チンパンジーのジェニーがやってきた。生まれたときに母親を亡くしてアーチボールドにひきとられ、自分を人間と思っているこの愛らしい動物を、一家は暖かく迎えた。とくに息子のサンディとの間には、まるで兄妹のような絆が生まれていく。やがて、霊長類研究のためにジェニーは手話を学ぶことになるが、発情期にさしかかったとき、悲劇が一家を訪れる。ダグラス・プレストン氏はもともとノンフィクションライターなのだそうです。本書は、ノンフィクションの形をとった「フィクション」なのですが、あとがきを読むまでは、絶対にノンフィクションだと信じてました・・・。それくらい、リアリティ溢れる作品でした。物語は「ジェニー」を良く知る人々や、科学者たちをインタビューしたり、過去の出版物から記事を転載する形で構成されています。同じ出来事に対するインタビューでも、科学者から語られる出来事と、ジェニーの家族から語られる出来事が双方の立場によって違うことがあり、多少もどかしいような思いをします。でも、だからこそ、ここまでリアリティのある作品に仕上がったのだと思いました。この物語に出てくる登場人物などは実在しない人物ですが、中に出てくる実験結果などは真実です。人間のDNAとチンパンジーのDNAは99%近くが同じものだといいます。それでは人間とチンパンジーとを区別する境界線は一体どこに?チンパンジーが手話を使えるなんて!チンパンジーがこんなこともできるの?などなど、ストーリー以外の実験結果も大変興味深かったです。この本、ラスト数ページに差し掛かると・・・もう号泣でした。絶対にバスや電車では読めない本です・・・。「ジェニー」を巡って悲劇が訪れるということは読み進めるうちにだんだんわかってくるのですが、結局何が起こったのかというのは、最後の数ページにならないとわからないのです。そして、そのことを知った人は、もう涙をこらえることはできません。。。自分を人間だと思っていたチンパンジーが、その時選択したこと。ほんとに、悲しいお話でした。。。[壁]/_;)シクシクあとがきを読んで、(フィクションということで)ここまでホッとした話はありませんでした。↑画像がない・・・(T-T)「ジェニーのいた庭」
2005年11月02日
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友情、秘密、家族、恋…10歳から18歳まで、揺れ動く少女の思春期。昭和50~60年代を背景に、新鋭がリリカルに描く長編。著者初の大人向け物語。初めて森絵都さんの本を手に取りました。もともと児童文学の作家さんだそうで、大人向けの本は初!とのこと。昭和50年代(?)10歳だった少女「紀子」が主人公の連作短編集です。読んでいて、微妙に私の少女時代(照)と重なり(5歳ほど私の方が主人公より年下みたい)、懐かしい気持ちでいっぱいになりました。アイドルにあこがれていたり(「タノキントリオ」とかトシちゃん派、マッチ派、ヨッチャン派)、サンリオの文具(キキ派、ララ派)をお友達と揃えたり。あぁ、私もサンリオのお店でよく買い物した!!なんて当時を思わず振り返ってしまいます。今30代くらいの方だったらきっと、その頃自分は・・・と思い返して懐かしい思い出に浸ってしまうと思います。思春期に入った紀子の悩み、恋、家族との関り。紀子の恋愛の編では、まるで自分のことのように胸が苦しいような気がしてしまいました。ここまで感情移入できたのは、紀子と私の年が近いというのも理由の1つだと思いますが、森絵都さんの文章力によるものが大きいと思いました(^^*永遠の、限りないものに憧れる。でも、限りあるものほど、いとおしく思える。「永遠」の出口へと向う少女の物語。喜怒哀楽の表現が絶妙で、時にはしんみり、時には爆笑しながら大変面白く読めました。学生時代に仲の良かった友達はどうしてるかな。そんな懐かしくて、そしてこれからも頑張ろう!という前向きな気持ちになれる本でした!30代の方には特にオススメです!(^^*永遠の出口
2005年09月22日
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久しぶりの森氏の本!今まで読んでいたシリーズは本格ミステリーだったのに対し、これはなんと、「どきどき」ものです!(笑)いや、意外にもほんとに面白かったです~(^.^)/恋愛小説とは一概には言えないような気もしますが、恋愛ものの一種、です。たぶん。大学院生・佳那の「どきどき」かつ「ミステリィ」な日常を綴ったお話。佳那の周りには、オタッキィな後輩、爽やか好青年風の後輩、憧れている助教授、知り合いの家を巡り歩き托鉢する男性、などなど、個性的な男性ばかりが揃っています。誰よりも主人公の佳那自身が、とにかく強烈!(≧∇≦)妄想癖はあるし、挙動不審だし、サドだし。。。。さすが森氏!普通の恋愛ものではありません。(* ̄m ̄)森氏の本を読んだことがないという方にも、もちろん読んだことがある方にもオススメです!笑ってしまう内容のもので五つ★に輝いた、初めての本です(^^*
2005年07月09日
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きたきた~~!!!って感じです(^.^)/「精霊流し」・「解夏」と読んできて、一作ごとにレベルアップを感じましたが、ここにきて見事に花開きました!本当に、さださんが書いてるの?!なんて失礼なことを言ってしまうほど、素晴らしい本です。さださんは長崎の出身ということで、「精霊流し」も「解夏」も長崎が舞台でしたが、今回は徳島を舞台に物語が展開されます。徳島というと、そう、「阿波踊り」です。伝統芸能である「阿波踊り」を通して語られる時代の流れ、徳島の熱気が伝わります。全身をがんにむしばまれて死に直面する母・龍子と、故郷に帰って母を介護する娘・咲子。未婚のまま咲子を産んだ母は、最期まで父のことを明かそうとしません。死を目の前にしていてもあくまでも毅然とした生き方を変えず、ピンと背筋を伸ばして居る母の姿。-私はそういうふうに生きてきたのだ。この人の人生と私の人生が熱く交差したことは確かにあるけれども、全く異なる別の道を、私は誇りを持って生きてきたのだ。-本当にかっこいい、かっこよすぎる母です。さださんの持ち味でもある、家族に対するやさしい気持ちが伝わる描写は、今回も素晴らしいです。そして構成もまた、すごくいいんです!冒頭が現在で、過去を振り返る形で物語りが始まります。最初は冒頭の部分はほとんど理解できないのですが、物語が進むにつれ現在に近づき、なるほどと納得しながら思いかえします。そして迎える巻末。是非読んでみて、どう素晴らしいのか納得してほしいと思います(^^*母として、娘として。また医者として、患者として。それぞれの立場で考えさせられるメッセージがたくさん込められた作品だと思います。
2005年06月19日
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リンクもしていただいている「きたあかり」さんが、日記で感想を書いていらっしゃったことに興味を持ち、手に取った本です。かつて将棋界で「東の天才羽生、西の怪童村山」と言われたほどの棋士がいました。幼い頃に「ネフローゼ」という難病(肝臓の病気)に罹り、その闘病中に「将棋」と出会った村山聖。「いつか名人になってやる!」という夢を抱き、命を削りながらも将棋にかけた29年の人生を、当時「将棋マガジン」編集部だった大崎善生氏が書き綴ったもの。《このまま朝はこないのかもしれないと思うこともあった。しかし、たとえ朝日がのぼらなかったとしても、そして熱にうなされて起こされるどんな漆黒の夜にも、村山は心の中に太陽を抱いていた。名人という光。》病気による不戦敗を重ねながらも、家族や、師匠、そして周りの人たちに助けられながら、ただひたすらに名人を目指す村山聖。夢にかけるそのひたむきさ、純粋さに心を打たれます。家族や師匠の暖かい愛情に感動します。そして、努力だけではどうにもならない、過酷な運命に涙します。それでも、悲しいだけの本ではありません。きっとこの本を読んだ誰もが、これからの自分の生き方を見つめなおしたのではないでしょうか。(^^*ただ漠然と日々を過ごしていた自分に、喝を入れたくなる本です。将棋のことはよくわからない私ですが、この本に出会えて本当によかった!!と心から思っています。
2005年05月17日
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《ナラタージュ》映画などで、主人公が回想の形で、過去の出来事を物語ること表題のように、この本のほとんどは主人公の回想の形で綴られています。大学二年の春、高校生のとき片思いし続けていた先生からの突然の電話で、懐かしい痛みが胸を突き上げ・・・・。ほんとに切なくて、切なくて。(T-T)冒頭と巻末では回想ではなく現在の泉(いずみ・主人公)なのですが、巻末でもう涙が止まりませんでした。。。先生への、どうにも止められない恋心。何度あきらめようとしても、どうしてもあきらめられない。そういう主人公の感情が見事に描写されていて、読者もどっぷりと感情移入してしまいます。《これからもずっと同じ痛みを繰り返し、その苦しさと引き換えに帰ることができるのだろう。あの薄暗かった雨の廊下に。そして私はふたたび彼に出会うのだ。何度でも。》本当に、胸が痛むせつなさ。島本さんの筆力に脱帽です。こんなにも余韻を引きずる恋愛小説は初めてでした。最後の一文まで、本当に素晴らしい作品でした(T-T)
2005年04月18日
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事故に遭ったことが原因で、記憶が80分しか持続しなくなってしまった元数学博士の元へ、家政婦協会から派遣された家政婦が訪れます。この家政婦「私」の視点で、物語は展開していきます。《僕の記憶は80分しかもたない》毎朝、目が覚めて服を着るたび、博士は自分が罹っている病を、自らが書いたメモによって宣告される。昨日の自分は時間の淵に墜落し、もう二度と取り返せないと知り、打ちひしがれる。毎日訪れる家政婦も、翌日には見知らぬ他人となってしまうのです。博士は忘れてはいけない、と判断したことを、メモに書き自分の衣服にクリップで留めることにしています。家政婦の「私」も、「新しい家政婦さん」と似顔絵と一緒にメモに書かれます。毎日訪れるたびに、そのクリップを指し示し、自分が家政婦であることを証明するのです。この家政婦「私」の10歳の息子(博士によって「ルート」と名づけられる)が博士と出会い、加速度的に交流が深まっていきます。子供には無条件で愛情を注ぐ博士と、その愛情をしっかりと受け止める息子、それを見守る「私」。優しさにあふれた、素敵な物語です(^^*巷にあふれているような、ここが泣かせどころ!というわざとらしく感じるところもなく、全てが自然に描かれています。それなのに、読後、涙が溢れてしまいました(T-T)《素数がすべての自然数を成り立たせる素になっているように、子供を自分たち大人にとって必要不可欠な原子と考えた。自分が今ここに存在できるのは、子供たちのおかげだと信じていた。》博士が愛した数式、そして子供たち。本当に感動した一冊です。(T-T)まだ読んでいない方、是非是非、読んで欲しいです!
2005年04月09日
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『ある街の東のはずれに、ふるいアパートがありました。』という書き出して始まる物語。古いくたびれたアパートで名前は「ホテルカクタス」、ホテルではないのに、そういう名前なのでした。このアパート「ホテルカクタス」に住む「数字の2」と「きゅうり」と「帽子」のお話です。面白いのが、「数字の2」に例えられた人物、「きゅうり」に例えられた人物、「帽子」に例えられた人物の物語ではない、ということです。「数字の2」はあくまでも「数字の2」として。「きゅうり」もあくまでも「きゅうり」として。「帽子」ももちろん「帽子」として描かれているのです。それでも読み進めていくうち、どこか人間らしさが漂ってきて、いろいろ感じ入るところがあります。姿、形、性質、気質、それぞれが全く違う「数字の2」と「きゅうり」と「帽子」。さまざまな出来事に対してさまざまな感想を持ち合う三人。(便宜上「人」と書きましたがもちろん人ではありません。^^;)そしてお互いがお互いを自分とは違う考えを持った一個人だと認め、理解しあいます。友達っていいな~って、しみじみと感じる一冊です。そして書き忘れてはいけない点は、この本の挿画の素晴らしさです!すべて佐々木敦子さんが油絵にて制作したものだそうで、本当にホテルカクタスにいるような気分を味わえる見事な作品なのです!本文とこの挿画、どちらも本当に素敵です*^-^*この本は、私には大切な一冊の童話のように感じました。時々手にとって、暖かいコーヒーでも飲みながら、じっくり、しみじみ、何度でも読んでみたい本です。そしてこの本は文庫ではなく、是非ハードカバーで手に取ってほしいと思います。ちなみに私は、時々きゅうりのようになりたいな~と思ってしまう、数字の2かな?(笑)皆さんはどうでしょうか?
2005年03月04日
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知人に薦められた一冊です。図書館で初めて手にとったとき、あまりのボロさに呆然としてしまいました(^_^;)表紙にカバーはなく、ところどころが経年のあまりに破れ・・・しかも!あちこちに、そりゃもういたるところに、赤鉛筆でラインが・・・(笑)熱心に読んだ読者さんがいるんだなぁ・・・(でもラインは引いちゃダメだ・・・)と思い、改めてこの本は名著なのかもしれない!という期待が高まりました。『愛に生きる』の副題として「才能は生まれつきではない」と書いてあります。そこから察するに育児本なのかな?と思いながら読み、確かに育児について書かれているのだけれど、それだけでもないのです。大げさかもしれないけれど、生きていくうえでの指針だと思いました。その副題のとおり、「才能」ってよく聞く言葉だけれど、「才能」なんてものはないんだ。というお話。ある人物が大成すると「あの人には才能がある」といいます。だけどそれは違うんだ、という話がわかりやすい言葉で、実体験を交えながら綴ってあるのです。『育てたように子は育つ』ということだと思います。読んで字のごとく、当たり前!と思いがちだけれど、『育てたように』ではなく『持って生まれた才能』に期待する親が多いのも事実です。『育てそこねた苗をみて生まれつきだと考え、そこねられた苗の多いのに気づかず栽培している。』本当に、そうだなぁ・・・としみじみ感じながら読みました。育児以外の内容の一例として、『今できることは今やる。』後でやろうなどと思っても、後には後でやるべきことがあるに違いないのだから、今やるのがよい。たくさんの仕事をどんどんやっている人というのは、一つ一つ具体的に必要なことは、一つ一つその場で処理する能力を持っている。そういう、言ってみれば当たり前ともいえることだけれど、鈴木氏の言葉でわかりやすく説いてあると胸に響く言葉になるのです。私が生まれる何年も前からたくさんの人に読まれてきた、この一冊。本当に大事なメッセージがたくさん詰まっていました。読んだことがない方は是非、一度手に取って読んでみてほしいと思います。
2005年02月09日
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「アマゾン牢人」という言葉を知っていますか?戦後、何十万もの日本人が日本政府が企画した「アマゾン移民事業」により、夢や希望を抱いて南米に移住したことを知っていましたか?そして移住した大多数の日本人がその後どういう運命を辿ったか、知っていますか?恥ずかしながら、この本を読むまで私は全く知りませんでした。<俺たちは捨てられた民だ。戦後の食糧難時代に端を発した口減らしだったのだ。>絶望のどん底でつぶやかれた一言。外務省、ひいては日本国にだまされて南米に移住し、40万もの日本人が死んでいった。これが実際に起こったことだなんて、信じられますか?南米移民時代の生活ぶりが描かれていて、あまりの悲惨さ、リアルな描写に圧倒されます。やがてアマゾンの生き残り達が日本政府に復讐をするために立ち上がり・・・・とストーリーは展開していきます。この本は歴史上の事実を題材にした筆者によるフィクションです。それがわかっていても、歴史上の「事実」に衝撃を受けてしまいました。こんなにもたくさんの日本人が政府ぐるみの口減らしにあっていながら、私は全くその事実を知らなかったのです。<知らないことは罪なのだ>文中にも出てくる言葉ですが、本当にそうだと思いました。内容が内容なので暗い、重い・・・という展開になると思ったのですが、この著者の持ち味なのでしょうか、中盤以降の復讐劇はまさに「爽快」の一言に尽きると思います。存在感ある登場人物、発想も面白く、ありがちな復讐劇では終りません。彼ら生き残り達の「復讐」とは?是非読んで確かめてください。<本が好きでよかった。この本を読むことが出来てよかった!>読み終えた時に心からそう思えた最高の1冊です。
2004年09月30日
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