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2012.12.02

【送料無料】少年と自転車［セシル・ドゥ・フランス］

2011年ベルギー&フランス&イタリア映画、原題は"Le Gamin au vélo"、

英題は"The Kid With a Bike"です。

本作は、ジャン＝ピエールとリュック・ダルデンヌの兄弟監督が、2003年に

「息子のまなざし」のプロモーションで来日した際に、少年犯罪のシンポジウムで

石井小夜子弁護士から聞いた「赤ちゃんの頃から施設に預けられた少年が、親が

迎えに来るのを屋根にのぼって待ち続けていた」という話に着想を得て作られた

そうです。

第64回カンヌ国際映画祭グランプリ、第24回ヨーロッパ映画祭最優秀脚本賞等

4つの賞を受賞し、10もの賞にノミネートされています。

12歳の少年シリル(トマ・ドレ)は、たった一人の肉親である父ギイ(ジェレミー・

レニエ)に見捨てられ、通称ホームと呼ばれる児童養護施設に預けられます。

父はきっと自分を迎えにくるはずと信じるシリルは、待てど暮らせど一向に来てはく

れない父を探すため、学校を脱走して以前父と暮らした団地まで舞い戻り、探しに来

た教師に捕まりそうになると腕に噛みつき、逃げ込んだ診療所で見ず知らずの女性サ

マンサ(セシル・ドゥ・フランス)にしがみ付きます。

シリルは自分の自転車を取り戻したいのだと知ったサマンサは、後日シリルの自転車を

探し回り、新しい持ち主から買い戻してホームのシリルのところに持ってきてくれます。

シリルは、サマンサに週末だけ僕の里親になってほしいとお願いし、独身で美容室を経

営するサマンサは承諾します。

自転車に乗って父の消息を探して回るシリルを不憫に思ったサマンサは、ホームの院長に

来るなとシリルに言い放ち、ショックを受けたシリルは帰り道荒れて暴れ…。

肉親に見捨てられ、大人のことを信用できなくなってしまった少年シリル。

サマンサと出会い、里親になってと自分からお願いして里親になってもらったものの、

素直になれないし、問題行動も取ってしまう。

そんなシリルに匙を投げることなく、寄り添ってくれるサマンサ。

になるかがよくわかる、よい作品でした。

セシル・ドゥ・フランスは、私が好きなベルギー人女優です。

最初に見たのは、以前ご紹介したフランス映画「モンテーニュ通りのカフェ」でした。

最近ではマット・デイモン主演作「ヒア　アフター」にも出演していましたが、本作で

は印象が変わって見えました。

5歳の息子を持つ母親らしい逞しさをちょっと感じられた気がします。

名字のドゥ・フランスって、まるでフランス王室の末裔のようですね。

シリル役の少年トマ・ドレはオーディションで選ばれた新人子役だそうです。

とても好演していました。

☆☆☆☆