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2015.07.09

監督はクリント・イーストウッド、主演はブラッドリー・クーパーです。

原作はクリス・カイルの自伝『ネイビー・シールズ最強の狙撃手』

("American Sniper: The Autobiography of the Most Lethal Sniper in U.S.

Military History")です。

アカデミー賞音響編集賞を受賞した他、ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞

作品賞トップ10・監督賞、ゴールデン・リール賞・映画音響効果部門など10もの

賞を受賞しています。

アメリカでR指定、日本ではR15+指定です。

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あらすじ

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狩猟を習い、人間には羊・狼・番犬の三種類がいる、おまえは番犬になれと言わ

れて育ちます。

大人になったクリス(ブラッドリー・クーパー)は、牧場使用人として働き、弟

ジェフ(キーア・オドネル)とロデオの大会に出場するのがなによりの楽しみでした。

ある日、テレビニュースで海外の事件を知り祖国のために兵士になろうと考えた

クリスは、勧められるままに海軍特殊部隊ネイビーシールズに入隊します。

厳しい基礎訓練に耐え抜き、出かけた酒場で出会った美人の女性タヤ(シエナ・

ミラー)と付き合い始めたクリスは、その後タヤと結婚します。

結婚披露宴の場で出征の指令を受けたクリス。

兄を慕う弟ジェフも、兄を見習って志願兵となります。

クリスが第1回派遣で向かったイラク、ファルージャは、一般市民の大半は避難

スナイパーとなったクリスは、活動中の部隊の様子を離れたところから監視し

部隊を狙おうとする敵をいち早く見つけ撃ち殺す任務を任されます。

早速8人の敵を見つけ撃ち殺したクリスは、部隊で一目置かれる存在になります。

最重要標的ザルカウイとその副官を探す捜索では、捜索活動自体に加わったクリス。

踏み込んだ家の住人シャイフ(長老)に、アルカイダ副官の情報を聞いたところ、

スニードDIA捜査官(エリック・クローズ)を連れ、再びシャイフに会いに行った

クリスらでしたが、シャイフの裏切りを知ったアルカイダ副官がシャイフ親子を

クリスらの目の前で殺害、クリスらも元オリンピック射撃選手というアルカイダの

凄腕スナイパー、ムスタファとの壮絶な銃撃戦になり、仲間を撃たれます。

ちょうどその時クリスに電話をかけた身重のタヤは、電話の向こうの激しい銃撃戦

の様子を聞き、呆然となります。

第二回派遣で兵曹長に出世したクリスは、仲間らから「伝説の男」と呼ばれるだけ

でなく、アルカイダからも高額懸賞金を掛けられ付け狙われる存在になっており…。

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私の感想

実在の人物の手記を元にした作品です。

本作の主人公クリス・カイルは、4回の派兵を通じて160人の敵を狙撃した英雄だ

そうですが、退役後手記を出版、力になろうと一緒に過ごした元兵士に撃ち殺されて

亡くなったのだそうです。(-ω-;)

その時すでに、本作の映画化の話が進められていたそうで、クリス・カイル本人の実像に

迫るべく、親交のあった脚本家は未亡人タヤとの打ち合わせを重ねに重ね、作品づくりに

努めたのだそうです。

本作は、(アメリカ映画ではよくありがちな)創作した主人公像で面白おかしく作り上げる

のではなく、遺族の意思に添って本人像にこだわった点で好感が持てました。

ブラッドリー・クーパーも、シエナ・ミラーも好演していたと思います。

なにより砂嵐が吹きすさぶ中での戦闘シーンや偵察用ドローン機を思わせる空撮映像など

リアルな戦闘シーンが緊迫した戦場の様子を見事に描いていて秀逸でした。

お金がかかっているからこそ出来たことかもしれませんが。

最前線で常に死の危険をかいくぐり続けねばならない兵士の過酷な職業柄、その場に

適応し続けると、帰還して平和な日常で暮らすのが当たり前の家族と過ごすうちその

ギャップの大きさに悩んだり、自分の居場所はここではなく戦場だと感じるようになる

んでしょうね。

やはり戦争は人間をなにかしら狂わせていく絶対悪です。

平和の有難味を実感し享受し続けられるように努力しようと皆が考えるには、戦争の

恐ろしさや狂気を描いたノンフィクション作品やドキュメンタリー作品の良作を

機会あるごとに見続け、想いを新たにする他ないと思います。

☆☆☆☆