星とカワセミ好きのブログ

2021.03.02
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2021年2月14日付の読売新聞「日曜版よみほっと」を読んでいると、「ニッポン絵ものがたり *将門伝説 (尾梶勝男記者)」という記事がありました。

幕末から明治にかけての浮世絵師、豊原国周(とよはらくにちか)の「平将門 島広山 死の場」(1890年・明治23年 国立国会図書館蔵)の迫力ある絵が印刷されています。

平将門(たいらのまさかど:903?~940)ですが、桓武天皇の六代目の子孫で、上総国(かずさのくに:千葉県中部)の地方官をしていた平高望(たいらのたかもち)の孫です。
平将門は都に出て摂政の藤原忠平(ふじわらのただひら)に仕えましたが、出世の見込みがなく、父親の領地である下総国(しもうさのくに:千葉県北部)に戻りました。
平将門は常陸国(ひたちのくに:茨城県)、下野国(しもづけのくに:栃木県)、上総国(かずさのくに:千葉県)に勢力を広げ、さらに駿河国(するがのくに:静岡県)まで勢いを伸ばしました。

平将門は、関東地方を朝廷の支配から切り離して国として独立し、国王になろうとして新皇と名乗り、下総の岩井(茨城県笠間市)を都に定めました。朝廷は驚いて将門を鎮めようとしましたが、結局いとこの平貞盛(たいらのさだもり)と藤原秀郷(ふじわらのひでさと)の軍に殺されました。

東京・大手町には平将門の首を祀る「将門塚」があり、強い祟りを持つ場所として有名です。大正時代、関東大震災に塚を更地にして大蔵省が仮庁舎を建てると職員に死傷者が続出したり、1940年に落雷で大蔵省の施設が全焼したり、戦後も連合国軍総司令部(GHQ)が塚を駐車場にしようとする作業中、ブルドーザーが横転して選手が死んだり、平将門の祟りの強さが伝わっています。

「よみぱっと」の記事を読むと、歴史家の乃至政彦(ないしまさひこ)さんが「平将門と天慶の乱」(講談社現代新書)を出しており、祟りを検証した所、どうも祟りの話は後付けの話だそうです。怨霊のイメージが広がったのは1988年に封切られた映画「帝都物語」で、平将門が帝都を破壊する強力な怨霊として描かれたことが理由ではないかとの事でした。

本屋に行き、「平将門と天慶の乱/乃至政彦/講談社現代新書/2019年4月20日発行)」を買って読みました。序章の「怨霊伝説を検証する」という部分で、怨霊話をそれぞれ詳しく検証されており、説得力がありました。



とはいえ、大手町から九段合同庁舎に行くとき将門塚を通りますが、祟りがあったらどうしようと、いつも心配になります。



↑ 2021年2月14日 読売新聞 よみほっと 「ニッポン絵ものがたり 将門伝説」。



↑ 豊原国周(とよはらくにちか)「平将門 島広山討死の場」1890年(明治23年)国立国会図書館蔵。



↑ 平将門(たいらのまさかど)。


↑ 「平将門と天慶の乱/乃至政彦/講談社現代新書/2019年4月20日発行)」。


↑ 目次 序章 怨霊伝説を検証する。


↑ 目次 終章 神田明神と将門塚の興起。

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(2019年5月12日)将門塚。


↑ 大手町の将門塚。





↑ 大手町のビルの一角に将門塚がある。








↑ 将門首塚の由来。


↑ 将門塚。





↑ 将門首塚の碑。





↑ 読売新聞 都民版 日付不明。「今も生きるたたり伝説。大蔵省も参った。壊すと必ず不吉な事」。

大蔵省は塚をならし、跡地に仮庁舎を建設するが、なぜがけが人、病人が続出。大蔵大臣ら幹部14人が2年間で死亡。昭和15年、落雷で大蔵省本庁舎が全焼した際も、怨霊話が再燃し、盛大な鎮魂祭が行われた。国税庁の仮庁舎時代、塚にあげる御酒を課員とともに飲んでしまい、その後ボヤ騒ぎやら病人騒ぎで往生した。空襲で焼失した旧大蔵省跡地をGHQ用モータープールにするためブルドーザーで整地中、運転手が事故死したなどと書いてある。




「平将門と天慶の乱/乃至政彦/講談社現代新書/2019年4月20日発行)」P25に、この碑の事が次のように書かれてあった。

「将門の死からちょうど千年目にあたる昭和15年(1940年)6月20日、落雷による逓信省航空局の出火があり、それが大蔵省の新庁舎に燃え移って全焼させたのだ。
同年、大蔵大臣 河田烈(かわたいさお)は千年目の将門鎮魂祭を催した。そのときの碑石がいまも将門塚に残されている」。



↑ 東京都指定旧跡。 将門塚。

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【国税庁ホームページ】大手町の首塚の紹介。










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最終更新日  2021.03.14 07:13:32
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